2014年05月07日 12:50

企業家ミュージアム★メールマガジン★ 第32号!

>>2014年5月7日(水)発行<<

みなさん、こんにちは。
「企業家ミュージアム メールマガジン」第32号の本号は、毎日新聞月曜日夕刊
に2012年4月9日から2014年1月27日まで掲載していた、企業家の名言や
座右の銘をコンパクトにまとめた『大阪の道標』の第13回です。
ミュージアムで紹介している企業家たちの珠玉の名言、座右の銘をお楽しみくだ
さい!
 
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 ★今月の名言!(第13回)★

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  行い正ければ眠(ねむり)平かなり
 
       武藤山治 鐘紡(現クラシエホールディングス)社長
                   (1867~1934)

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武藤山治には三つの顔がある。「紡績業界の巨人」として実業界で活躍した武藤。
「政界浄化」を目指した政治家武藤。「社会悪の摘発」に力を尽くした言論人武藤
である。いずれにおいても自ら信ずる道を歩み続けた。

1867(慶応3)年美濃国(岐阜県海津市)の豪農に生まれ、慶応義塾で福沢諭吉
に学び渡米。苦学の後帰国し、93(明治26)年、三井銀行神戸支店に入行。
翌年、鐘紡に転じ、弱冠27歳で兵庫工場の支配人となった。

武藤は会社組織を一家族とみなす「家族主義」で、従業員の福利厚生の充実や健康
保険制度導入など人道的な労務を実施し、日本の労務管理に多大な影響を及ぼした。

鐘紡を大きく育てた武藤の関心はその後、政界浄化に向かった。社長在任中の
1923(大正12)年に「実業同志会」を組織し、国費削減、営業税の減税などを
掲げ政界に進出。32(昭和7)年には、私財を投じて政治教育の場「國民會館」
を創設した。さらに恩師、福沢が創立した「時事新報社」を引き受け、言論人として
も政財界の刷新・浄化に勇猛果敢にまい進したが、34年、暴漢に狙撃され死去。

「行ひ正ければ眠平かなり」は、武藤の日ごろの覚悟を表す言葉だった。最後の
表情は、凶弾に倒れた人とは思えぬほど安らかだったという。


                  <毎日新聞 2012年8月20日 夕刊>

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武藤山治については、企業家ミュージアム<第1ブロック:近代産業都市
大阪の誕生 ― 大阪を東洋のマンチェスターに>で、紡績業の育成を通じ、
近代産業発展の引き金役を果たした人物として 展示しています。

  ▼大阪企業家ミュージアムで展示している企業家についてはこちら。
  http://www.kigyoka.jp/exh/ent/index.html

 (ご参考)武藤山治ゆかりの記念館
        國民會館 http://www.kokuminkaikan.jp/
             〒540-0008 大阪市中央区大手前2-1-2

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 ■編集後記■

お読みいただき、ありがとうございました。
経営者として、政治家として、そして言論人して…武藤氏はいろいろな顔を
もち、まさしく「時代を駆け抜けていった企業家」でありました。
当時の企業家たちはまさに「国を想い、国のために生きた」人たちです。

そんな熱い企業家たちに大きな影響を与えていたのが福沢諭吉。
慶應義塾の創立者で、武藤氏をはじめキンチョーの上山英一郎氏も福沢の
薫陶を受け、「報国」の精神で事業に邁進されました。

福沢諭吉は豊後国中津藩士の子ですが、同藩の蔵屋敷があった大阪玉江橋
で生まれ、後に緒方洪庵の適塾で学び、大阪とは非常に縁が深い方です。
 
福沢諭吉が学んだ適塾しかり、江戸末期に大阪の商人たちがつくった懐徳堂
しかり、当時の大阪の学問水準は相当高かったのだと思います。
往時の大阪の隆盛ぶりに触れるたびに、「大阪の誇り」を今の大阪の子ども
たちに伝える必要があると痛感します。
これもまた、企業家ミュージアムの使命であります。
 
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 【発行日】  2014年5月7日
 【発行元】  大阪企業家ミュージアム
         電話 06-4964-7601
         FAX 06-6264-6011
         e-mail museum@osaka.cci.or.jp  
         http://www.kigyoka.jp/
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投稿者 museum | 2014年05月07日 12:50