<< やり続けることの大切さ| ブログトップページ | 特別展示~今、活躍する企業家たち >>
2014年03月01日 10:47
50年目の父子の再会~世界初の電卓(コンペットCS-10A)
りょく吉、何をじーとみてるんや。
おっちゃん、これレジか?
うん?
ちゃうちゃう、これは電卓や。
電卓?
嘘や!
わいが、字、読めんからいうて騙そういうてもそうはいかんで~
誰も騙そうなんて思ってへん。
正真正銘、電卓や。
ただし!
世界初のな。
世界初!
すごいやんか!
そやろ。
正確には、この電卓はオールトランジスタ使用で世界初の卓上型計算機(コンペットCS-10A)や。
生れは、1964年。作ったのはシャープや。
ところで、当時いくらくらいの値段やったと思う?
電卓やろ。
うーん、今よりはずーと高いやろうけど・・・ラジオくらいの値段とちゃうか?
ちゃうちゃう、もっとや。
えー、まさか、テレビか?
ちゃうちゃう、国産の車一台や!
価格は535,000円。
ちなみにテレビは、昭和40(1965)年の14型カラーテレビで14万円や。
ふえー~
けど、そんな高いもん、売れたんか?
「電卓博物館」 いうサイトに翌年の新聞広告に、こんな風に書いてあったと掲載されとったわ。
「短期間で1000台納入 これほどの実績は他にありません。大企業から商店からご注文が殺到! 」
早くて、静かいうことで、よう売れたそうや。
けど、これなんで、1~9の列が10列もあるんや。
どうやって使ったんや?
う!それはやな~・・・・
・・・・すまん、わからん。
おっちゃん、冗談は、そのハゲ頭だけにしときや。
ちゃんと説明してくれなあかんで~
そうは言われても・・・
お困りのようですね。
かわりにお答えしましょうか?
え、しっとンの?
教えて教えて
1~9の列が10列あるのは、例えば一番右端の1~9は一の位で、押してある数字がなければゼロ、あればその数字が一の位の数というように計算できる数字が10桁になっています。
表示は、20桁まで結果を表示できるようになっています。
なんで、そんなややこしいことするの?テンキーのほうが楽やんか?
当時は、トランジスタをはじめとしていろんな部品がとても高かったのです。
例えば、200×500をテンキーで入力するには、200と500を記憶する部品がいりますが、このキーなら200を記憶させる部品と500は百の桁のボタンで5がおされている状態で計算できるので、記憶するために必要な高価な部品を減らすことができたのです。
そうした工夫を重ねることでようやく、この535,000円を実現できたのですよ
最初に取り組み始めた頃は部品代だけでも100万円以上だったのですから
へー
おっちゃん、ようしっとるな~
ええ、私がつくったものですから
ええーー!
ええーー!
私は内田といいます。
この開発に携わったものです
サインください!
握手してください!
ええい、りょく吉、ちょっと静かにしとれ!
内田さん、是非、この機会にいろいろ教えてください!
コンペットという名前の由来はなんですか?
コンピュータとペットを組み合わせたものです
おお、そうやったんか。
この前についているつまみのようなものは何ですか?
数字の表示は、どのような方法で表示していたのですか?
50万円という価格に拘ったとお聞きしていますが、それは何故ですか?
それから、・・・・
おっちゃん!おっちゃん!
そんなに身を乗り出したら内田さんに唾がかかるやんか
もっと、落ち着いて・・・
いや、これも聞きたいし、あれも聞きたいんや~
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おっちゃんとりょく吉は、その後も内田さんに開発にまつわるお話をいろいろ伺いました。
内田様、大阪企業家ミュージアムにお越しいただきありがとうございました。
また、質問ばかりをして申し訳ありませんでした。
この場をかりて改めて御礼を申し上げます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ええ、話やったな~
ほんまやな~
今も、きっと、いろんな会社で内田さんみたいな人が世界初、日本初、より便利なもの、楽しいものを
作るために頑張ってはるんやろうな
その通りや!
りょく吉、大阪企業家ミュージアムでも展示をするで!
わかった!
内田さんの等身大の人形をつくってコンペットの前でしゃべらすんやな!
それ、おもろいな
けど、ブブーや、残念やけどはずれやな。
近畿経済産業局では、「関西ものづくり新撰」として毎年、優れた製品を表彰しているんや。
大阪企業家ミュージアムでは、その選ばれた製品をパネルや動画、全部ではないけれどその製品とともに特別展示として毎年紹介しててな・・・
ええい、説明するのも面倒や
りょく吉にも見せたるわ!
いくで、りょく吉!
おお!いかいでか!
さて、見学をしたりょく吉の感想はいかに
~次週に続く~
投稿者 museum | 2014年03月01日 10:47