2012年12月25日 17:59
1月~2月は、たくさんの講座をご用意しています!
あお吉です。こんにちは。
このところ、口を開くと「寒いですね」が、合言葉のようになっています。
ヒートテックをはじめ温かい肌着が流行していますが、これをもってしても温まらないのが、あお吉の懐の「寒さ」です。
懐が常に温かいのは、どこかな?と考えると、やはり“銀行”さんでしょうか。
銀行は、御一新前は、“両替商”を営んでいたところが多くあります。余談ですが、銀行の地図記号は江戸時代に両替商で使われていた分銅の形に由来するものだそうです。
こんな記号です
江戸時代、大坂で活躍した両替商の一つに豪商「加島屋」があります。米問屋と両替商を兼業していたそうです。そしてこの「加島屋」に礎を持つ会社に大同生命保険株式会社があります。加島屋から400年、大同生命保険としては、今年の7月に110周年を迎えられました。
大同生命さんの、豪商「加島屋」からの歩みについては、1月16日(水)のナイトミュージアム講演会でお話いただくことになっていますので、皆様、是非ご参加下さい。
当日の講演では、女性実業家・広岡浅子さんの活躍もお話いただくことになっています。京都の豪商三井家から大坂の豪商加島屋へ嫁いだ浅子さん。明治維新の危機を乗り越えたのにも彼女の活躍があったそうです。「日本女子大学校」(現・日本女子大学)創立にも尽力された方としても良く知られていますね。
この浅子さんについては、昨年11月に発刊された『負けんとき』(玉岡かおる著)に、建築家ヴォ―リズの妻・一柳満喜子の兄恵三の義母として登場しており、まさに、負けんとき!の精神がみなぎった人物像が垣間見られす。是非、ご一読下さい。
大阪企業家ミュージアムでは、1月~2月にかけて講演会を多数ご用意しております。
順次ご案内してまいりますので、是非、お申込み下さい。
★大阪企業家ミュージアムのこれからの講演会スケジュール
≪ナイトミュージアム講演会≫
<第4回>1月16日(水)18:00-19:30
大坂屈指の豪商「加島屋」からの400年の歩み
~大同生命の源流とその発展の歴史をたどる
講 師:大同生命保険株式会社 広報部部長 大枝恭子 氏
http://www.osaka.cci.or.jp/b/pdf12/250116daido.pdf
<第5回>2月13日(水)18:00-19:30
“広告王”森下仁丹創業者・森下博の企業家精神
~銀粒仁丹からシームレスカプセル。新たな飛躍へ!
講 師:森下仁丹株式会社 執行役員 経営企画部部長 森下雄司 氏
http://www.osaka.cci.or.jp/b/pdf13/250213nm.pdf
≪土曜講演会≫
2月23日(土)14:00-15:30
佐治敬三~夢、大きく膨らませてみなはれ
講師:小玉武 氏 (元・サントリー広報部長、文化事業部長。近著に『佐治敬三』(ミネルヴァ書房、2012年)
http://www.osaka.cci.or.jp/b/pdf13/130223saeki.pdf
≪特別展示・展示担当者による企業家紹介≫
http://www.osaka.cci.or.jp/b/pdf12/t_annai2012.pdf
1/5 (土) 10:30~11:00 阪急創業者「小林一三」
1/12(土)10:30~11:00 シャープ創業者「早川徳次」
1/19(土)10:30~11:00 江崎グリコ創業者「江崎利一」
1/26(土)10:30~11:00 日清食品創業者「安藤百福」
投稿者 museum | 17:59
2012年12月13日 11:46
団体見学と年末年始の展示ガイド
おっちゃん、おっちゃん。何キョロキョロしてるんや。
挙動不審な変質者みたいやで。
あほか。探し物をしとるんや。ちょうどいい、猫の手も借りたいとはこのことや。
お前も探してんか
ええで、けど何をや?
携帯電話につけるキティちゃんのストラップや
おっちゃん、そんな趣味あったんか?鏡みたほうがええで。
あほう!わしやない。わしが「キティちゃん好き~」なんていうわけないやろ。
団体のお客さんの落し物や。
・・・・安心したわ。
~~~~~~二人して探し中~~~~~~
・
ないなー。
ないなー。
おっちゃん、ところで大阪企業家ミュージアムには、どんな人が団体見学で来るんや
色んな人がきてくれるで。
小学校から大学生、就職活動中の学生、新入社員、経営者、定年退職をされた方々。
ほんま様々や。
団体見学と個人の見学って何が違うんや。
10人以上の見学だと大人1人の入館料が300円から200円に割引になる。
さらに、個人だと音声ガイドを使って館内をまわってもらっているけど、団体だと、ガイドがついて案内をしていくんや。
へー、どんなガイド
ガイドは基本は、60分から90分程度や。
60分の場合は、大阪に多くの企業家が何故集まり活躍したのかを紹介する「大阪の企業家精神のルーツ」(13分)を見た後に、約15人を1グループとして、ガイドが10人くらいの企業家の志や挑戦、創意工夫を館内を一緒に歩きながら解説していくんや。
90分の場合は、これに加えて、会議室で代表的な企業家をパワーポイント、要は大人向けの紙芝居を使って30分で一人か二人を紹介していくんや。
そりゃ、いいわ!
字読むのしんどいもんなー
短い時間で、企業家ってどんな人だったかを知ることができるって好評や!
りょく吉も友達連れてきたらガイドしたるで
おっちゃん、意地悪やなー、自慢やないけど10人も友達おらへんで。
入館料の割引は、10人からやけど、ガイドは10人以下でもやるで。要ご相談や。
あんなー、一人でもガイドしてもらうわけにはいかんのかな~
そういう方のために、大阪企業家ミュージアムでは色んな見学会やセミナーを開いているんや。
例えば、12月~1月には、特別展示「企業家の名言・座右の銘・ゆかりの品」の展示担当者による企業家紹介があるで。紹介するのは「五代友厚」「小林一三」「早川徳次」「江崎利一」「安藤百福」の5人を各30分かけてやるで。費用は大阪企業家ミュージアムの入館料だけや。内容はこっちをみてや。
おもろそうやな。
そういう情報はどうやったら教えてもらえるんや。
大阪企業家ミュージアムの館内でアンケートに答えてメールアドレスを記入してくれていたらメールで案内するで。あるいは、このアドレスにタイトルにメール送信希望として本文に名前を書いて送ってくれたら、送るで。
わかったわ。
けど、パソコンも携帯ももってへんで。なんせ猫やから、この指では使えんわ。
こりゃ、悪かった。
よし、特別にりょく吉には毎回ちゃんと口頭で伝えるわ。
そのかわり、友達への宣伝よろしくな
おらへんて、何度言わせるんや。物忘れがひどすぎるで
そやったな。すまん、すまん。
ん?
お前が手首にぶら下げているのはなんや?
ああ、これか、おっちゃんに会う前に拾ったんや。可愛いやろ
あほ!これが捜していたキティちゃんのストラップや
ほんまや。
拾ったことを忘れとったわ。
・・・・は~~、ほんまにあきれたやっちゃ・・・・
まあ、お互い様か。
そういうことや。これからもよろしゅうな
こっちこそ、よろしゅうな。
投稿者 museum | 11:46
2012年12月07日 14:48
愛され続ける商品
こんにちは、あか吉です。
朝晩の寒風にせっかくの紅葉も落ちてしまいました。今回は今年紅葉狩りができなかった
方のために、足元にありました一片の紅葉を。
さて、ここのところの寒さに耐えきれず、あか吉はついに手袋とマフラーを出してきました。
箪笥の奥の衣装箱から取り出した手袋とマフラーからは、防虫剤の独特の香りが漂ってき
ます。
小さい頃、衣替えをする母ネコからよく「樟脳とってきて~」と言われ、防虫剤イコール「樟脳」
だと思っていましたが、一口に防虫剤といってもさまざまな種類があることを大人になって知り
ました。
「無臭」タイプと「有臭」タイプ。「無臭」(ピレスロイド系)の防虫剤は箪笥からすぐに出して着れ
るよう箪笥の中に掛けたり置いたりする製品が多く、「有臭」(ナフタリン系、パラジクロルベンゼ
ン系、樟脳系)のものは衣替えの際、衣装箱の中に畳んだ衣類とともに置く製品が多いようです。
それぞれ特徴があり用途が違いますが、その中でも、クスノキの葉や枝の成分から抽出され古
くから使われているのが「樟脳」です。金糸、銀糸、金箔に影響しにくいということで、主に和服の
保管に使われています。
この「樟脳」の精製・販売に着手し成功を収めた企業が大阪企業家ミュージアムに展示され
ています。「藤沢薬品工業」です。若い人はこの社名を知らないかもしれませんね。
1894年の創業以来、看板商品の「藤澤樟脳」の精製・販売を行い、第一次世界大戦以降は新
薬製造に進出した会社です。2005年には山内製薬と合併して「アステラス製薬」となっています。
「藤澤樟脳」は藤沢薬品工業と山内製薬が2004年にヘルスケア製品を扱うためにつくった「ゼ
ファーマ」からの販売となり、その後、ゼファーマを合併した「第一三共ヘルスケア」の商品として
販売され今に至っています。開発から100年以上もの間、トレードマークの「鍾馗さん」(疫鬼を退
け魔を除くという神様)とともに、多くの人たちに愛され続けています。
販売する会社の形は時代や環境に対応してさまざまに変化していますが、人々の生活の役に
立つ良い商品は昔のまま支持され続けることを、この「藤沢樟脳」は語ってくれています。そう思っ
て身の回りをみてみると、蚊取線香やクレパスなど昔からある商品が今も我々の生活の中にしっ
かりと息づいていますね。
大阪企業家ミュージアムでご紹介している「企業家」とは「今までになかった商品やサービスを
提供し、社会の発展や人々の生活向上に貢献した人」。それら企業家たちの努力や思いが詰まっ
た商品がこうやって時代を経て我々の生活の中に息づいていることに、企業家たちの先見性の高
さに改めて感動するあか吉です。
今、企業家ミュージアムでは、企業家たちの「名言・座右の銘・ゆかりの品」を展示する特別展を
実施しています。ぜひ企業家たちの珠玉の一言や思いに触れにお立ち寄りください。
投稿者 museum | 14:48
2012年12月04日 19:38
産業の近代化の光と影~染色今昔
あお吉です。こんにちは。
秋から冬に変わろうとする今の時期、紅葉が目に鮮やかですね。
これから“寒色”の季節を迎えるにあたって、我々に心の準備をさせるかのように、
自然が■赤・■黄・■橙・■緑・■茶と“暖色”の世界を見せてくれている、そんな風に感じます。
あお吉は、色の王者は“紫”だなと思いますが、皆さんはいかがですか?
洋の東西を問わず、“紫”には高貴なイメージがあると言われています。
これは、古代、紫色を作り出すために必要な紫草や紫貝は、非常に手にはいりにくく、
染色にも手間がかかったため、高貴な人しか身に着けることが許されなかったからだそうです。
さて、この染色は、江戸時代の頃までは、草や木や花など天然のもので染めるのが
あたりまえでした。それが、明治に入り、殖産興業政策で産業の近代化をひたすら
目指すことにより、染料も天然のものから化学染料に取って代わられていきます。
量産に対応するには天然のものでは間に合わなくなったのですね。
もちろん、化学染料の登場によって、一般の人々も華やかで多彩な色を楽しめるようになります。
昔は、天然の染料で鮮やかな色に染めるには、大変なコストがかかったため、
鮮やかな色は、身分の高い人しか身につけられませんでした。
大阪企業家ミュージアムの展示企業家のお一人、稲畑勝太郎さんは、1877年にリヨンに留学。
染色の技術と化学を15年間学んでこられます。帰国後、京都で開業し、1897年には大阪に
稲畑染工場を設立し、最新技術を用いた染色加工業に進出。この最新の技術で染めた
海老茶色が大変な人気で、当時の女学校の制服の袴にも採用されたそうです。
海老茶色の袴と言えば、あお吉は、大正浪漫!を思い浮かべます。袴姿⇒ブーツ⇒
髪には大きなリボン⇒『はいからさんが通る』(漫画)と思考がつながっていきます(笑)
明治を起点に新しく海外から入ってきたものは数多くあります。
一方で、それらに取って代わられ消えてしまったもの、価値を変えて現在も息づいているもの、
様々にあります。
染めの技術で言えば、現在、ちょっとしたブームになっている草木染。
この“草木染”という言い方は、合成染料(化学染料)を用いた染色に対して、
天然染料を用いた染色を区別するためにつくり出された呼称で、名づけの親は小説家であり、
草木染めの研究者であった山崎斌という方だそうです。
1930(昭和5)年頃から使われ出しています。
草木染=高価というイメージがしますが、昔はこれが普通だったんですよね。
産業の近代化の影に隠れて行った部分に目を向けると、
これからのビジネスに生かせる掘り出し物に出会えるかもしれません。
投稿者 museum | 19:38