2012年04月18日 17:12

造幣局の桜の通り抜けと五代友厚

皆さんはじめまして、2代目あか吉です。
この4月に2代目を襲名しました。先代の跡を受け、楽しい話題を提供できるよう
頑張りますのでよろしくお願いいたします。

先週末の雨で、大阪企業家ミュージアムがある本町橋界隈の桜はすっかり葉桜
になってしまいました。早春の「梅」に始まり、お雛祭りの「桃」、そして街や野山を
春色に染める「桜」と移り変わるこの季節は、何度経験しても心が躍ります。

桜の代名詞であるソメイヨシノが散る頃に始まるのが大阪造幣局の桜の通り抜け
です。
今年は4月17日からの1週間、造幣局構内の旧淀川沿いの全長560メートルで遅
咲きの八重桜を楽しむことができます。その種類は129種類。浪速の風物詩として
毎年心待ちにされている方も多いのではないでしょうか。
造幣局では桜に親しみをもってもらうために、毎年数多くの品種の中から一種を選
んでいるそうで、今年の桜は「小手毬(こてまり)」。たくさんの花が密生して枝の先
に咲き「手毬」のように見えるのでこの名前がついたそうです(造幣局HPより)。
あか吉もぜひ見に行きたいと思っています。

さて、大阪企業家ミュージアムの住人であるりょく吉、あお吉、あか吉は「大阪造幣
局」という言葉を聞くと、すぐに「五代友厚」が頭に浮かびます。皆さん五代友厚をご
存じでしょうか。

明治維新の混乱の中にあった大阪に彗星のごとく現れ、鉱山、紡績、海運、鉄道な
ど多くの企業の設立にかかわるとともに、大阪証券取引所や大阪商工会議所を創
設するなど大阪経済の基盤を築いた人物です。
北浜の大阪証券取引所や松屋町筋の大阪商工会議所前には凛々しい姿の五代の
銅像が立っていますので、みなさんご覧になったことがあるかもしれませんね。

P4180003.JPG

五代はもともと明治政府の役人でしたが、明治維新により疲弊する大阪の商工業を
何とか発展させようと官界を退き一民間人として大阪経済の指導者として力を尽くし
ました。
当時の功績により、「大阪の恩人」、「東の渋沢栄一、西の五代友厚」なとど称されて
います。
この五代が大阪に役人として赴任した際に誘致したのが、大阪造幣局(当時の造幣
寮)です。

大阪企業家ミュージアムでは、展示企業家の最初に五代を紹介しています。
もちろん、大阪企業家ミュージアムを運営する大阪商工会議所の初代会頭ということ
もありますが、現在の大阪の礎を築いた五代を語らずして、大阪の経済は語れません。
五代をはじめ、明治時代の大阪を舞台に活躍した企業家たちの思いや事績にふれる
たびに、彼らの高い志と果敢に挑戦する実行力に敬服するばかりです。

「100年に1度の経済危機」あるいは「100年に1度の構造変化」を迎えているといわれ
る今、満開の桜の下でも良し、大阪企業家ミュージアムでも良し、今から約150年前、
明治維新の激動期に、国のことを思い、民のことを思い活動した多くの企業家たちに
思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

ぜひ一度、これらの先達に会いにミュージアムへ御足をお運びください。
お待ちしております。

投稿者 museum | 2012年04月18日 17:12