2011年02月23日 19:35

大学生のための「仕事を考える」セミナー全日程終了!

10月から開催してきました「大学生のための『仕事を考える』セミナー」。本編全20回が2月12日に終了いたしました。

大阪企業家ミュージアムでは、大学生の来館促進、大学生の企業家精神の涵養を目的にこのようなイベントを開催しています。

このセミナーは、就職活動を控えた大学生向けのもので、
①企業の若手社員から働くことや学生と社会人のギャップ、ご自身の就職活動の体験談をお聞きする講座
②エントリーシートの書き方や面接対策といったスキルアップ講座
で構成されています。

参加した大学生は、一昨年の1,008人、昨年の1,270人を大きく上回る1,513人!
「氷河期」といわれる昨今ですが、このセミナーはとてもともてアツイものでした。

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▲パネルディスカッション 先輩社会人の話に熱心に耳を傾ける

「人と接するのが好き?人と接しない職業なんてないよ!浅すぎる!」
「昨年のプレエントリーの数は70,115件でした」
「営業って、話す力よりも聴く力のほうが重要だと思うよ」
「お酒を飲む機会?多いですねー、週6くらいです」
「運やご縁のせいにするな!『何で?』を常に繰り返せ」
「もう一回就職活動してもこの会社を選びますよ」
「就活スタート時に志望していた業界に内定した人って実は2割くらいなんですよ」
「仕事?楽しいことは少ないよ。でもとってもとっても面白い!」
「面接が得意な人が欲しいんじゃない、一緒に仕事できる人を探しているんだ!」
「就活中に心がけたことは『コンパクト&インパクト』。だらだら喋らない」
「新入社員の意見?通りませんよ。うちは歴史・伝統を重視します」
「企画がしたい?その希望はいきなり「4番を打たせてほしい」と言っているようなもの。まずは素振りから、そのあと代打で結果を出して、やっと7番くらいでレギュラー入りかな」

これは講師を務めていただいた先輩社会人の皆さまの言葉の一部です。
時には強い言葉も交えながら、ご自身が体験した就職活動や実際の仕事、採用選考について、本音でお話しいただきました。

この場をお借りして、あらためまして、ご多忙のところイベントにご協力いただいた講師の皆さま、ご参加いただいた学生の皆さま、そして一緒にセミナーを作ってきた11人のインターンシップ生に心より御礼を申し上げます。

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▲2月12日セミナー終了!

あお吉

投稿者 museum | 19:35

2011年02月16日 14:45

「生誕80年 大阪が生んだ 開高健展」行ってきました!

今日は、りょく吉がぎっくり腰で動けない、あお吉が風邪で声が出ない・・・
一人、八面六臂の大活躍!? だった、あか吉ですぅ \(^o^)/ 

とか偉そうにいいながら、先週始めにインフルエンザでいきなりダウン・・・ 
急に休んで、りょく吉あお吉に大迷惑をかけたのも、あか吉ですぅ (^^ゞ

さて、先週、あか吉は、大阪企業家ミュージアムのお仕事帰り、なんばパークスに向かい、
「生誕80年 大阪が生んだ 開高健展」を観覧してまいりました。

こじんまりとした会場に、氏の草稿や書簡、写真、ゆかり品などが展示されており、
じっくりと時間をかけて見学しました。

ご存知の方も多いと思いますが、開高氏は元サントリーの社員。
寿屋(現・サントリー)に勤務する牧洋子氏が育児に専念するため退社したのに伴い、
その後任としてに入社。
そこで、PR誌「洋酒天国」の編集をになった人物で、
今回の展示でも、そうしたエピソードが紹介されていました。

「洋酒天国」は、宣伝部在籍の開高氏が当時専務だった佐治敬三氏に提案して誕生したもので、
トリスバー常連客へのサービスとして創刊しました。


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宣伝色を出さない洒落た内容がウリで、当初は2万部だったものが最盛期には20万部
近くまで伸び、「夜の岩波文庫」の異名をとるほどの大人気♪
だったそうで・・・ 洋酒文化を大衆化へと導く大きな力になったといわれています。

ちなみに佐治敬三氏は、大阪企業家ミュージアムの展示企業家のお一人。
同社をビール事業へといざなった企業家であり、サントリーホールサントリー美術館など
メセナ活動に熱心な企業家としても有名です。

【関連リンク】
大阪市立大学創立130周年記念「生誕80年 大阪が生んだ開高健展」

サントリーの歴史

「水と生きる」系譜~世紀を超えて受け継がれるもの~

投稿者 museum | 14:45

2011年02月12日 16:32

広告益世って なーに?

【りょく吉】
うーん? うーん?

【あか吉】
なに力んでいるの?おトイレならあっちよ。

【りょく吉】
リキんでいるんじゃなくて、悩んでいるの?

【あか吉】
あらら天下太平、能天気なりょく吉が悩むなんて・・・地震でもくるんじゃない?

【りょく吉】
ひどいよ・・・僕だって悩むよ

【あお吉】
まあまあ。じゃ、りょく吉は何を悩んでいるの

【りょく吉】
これだよ

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【あお吉】
この前、みんなで見に行った特別展示「広告王 森下博」にもあったよね。これがどうしたの?

【りょく吉】
だって・・・森下仁丹は薬の会社でしょ。なのになんで軍人さんが商標になっているの?

【あか吉】
それはそうね。どうせ商標にするなら、私みたいな美しい猫をマークにすればいいのに

【りょく吉】
え?

【あお吉】
りょく吉、こういうときは何も言わない。「沈黙は金」だからね

【りょく吉】
あ、そうか。うん!

【あか吉】
なによ、気分悪いわね。「その通り、あなたは美しい」とくらいいえないのかしら

【あお吉】
・・・・さて、りょく吉君、それはねこういうことだよ。

【あか吉】
こらーー無視するな

【あお吉】
まず、このマークは「大礼服マーク」といいます。このマークについて創業者の森下博さんは、お孫さんにこう語ったそうです。
「少年時代に祖父に大礼服の軍人さんは誰なのかと尋ねると、祖父は、あれは軍人さんじゃないと笑っていた。あれは外交官だと言うのです。つまり、仁丹は薬の外交官だということです」
つまり、軍人ではなく、薬の外交官なんだよ。

【りょく吉】
へー、そうなんだ。

【あか吉】
ふーーん。じゃー、これ知っている?
仁丹という名前が商標として登録されたのはいつでしょう?

【あお吉】
1900年(明治33年)でしょ

【あか吉】
ちっ!知っていたか

【りょく吉】
ふーん。そんなに前からあるんだ。大礼服姿も全然変わっていないの?

【あお吉】
大礼服の帽子をかぶり、カイゼル髭をたくわえ、謹厳でりりしい中にも親しみのある表情は変わらないけど、時代時代に合わせた細かい変更はあるね。勲章を少なくしたり、英文字を入れたりして、だんだん、今のシンプルなデザインになったんだよ。
今回の展示にはないけれど、こんなカラフルなものもあったんだよ

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看板と広告の資料館・琺瑯看板研究所 佐溝力氏 所蔵)
 

【あか吉】
じゃ、これ知っている?
長い歴史の中で、仁丹のホーロー看板も、随分たくさん種類があるけど、古いもの順に並べるときの一番単純な見わけ方はなんでしょう

【りょく吉】
そんなのわかんないよ~。

【あお吉】
よりシンプルなほうが新しい、じゃないかな~?

【あか吉】
ふふふ、答えは「髭の長さ」でした。古いほうが長くて、新しいほうが短いのよ。種類が多いから例外もあるとは思うけど。基本はこれでわかるそうよ。

【あお吉】
へーそうだったんだ。

【あか吉】
ふふふ。あー気持ちいい。りょく吉。これからは、なんでも私にきいてね。
さて、気分いいから、もうひとつ。
森下博さんは生前、社員の方にこんなことを言われていたそうよ。
「商標は一旦採用した以上永遠に変更しないものでなくてはいけない。単純明瞭で、裏表どちらから見ても分かりやすいものが良い。出来れば、『美顔水』などのように一見して効能が表示されているのが望ましい。さらに、国際的に不都合なものではいけない」。
大礼服マークと「仁丹」はまさにこの理想に適ったものだったのね。

【りょく吉】
一緒にいったのに、あか吉、あお吉は、本当によく、覚えているね

【あお吉】
前から、疑問に思っていたことがわかったから、たまたま覚えていただけだよ

【あか吉】
そういえば、りょく吉も随分熱心にみていたけど、どんな広告が好きだった?

【りょく吉】
僕はこの絵とこの絵が好き。字はあお吉に読んでもらった。

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【あか吉】
昭和5年の新聞広告ね。仁丹の新聞広告というと2面を使った見開き広告のイメージが強いけど、こういうのも確かにいいわね。寒がりのりょく吉らしいわ。あお吉は?

【あお吉】
僕はこれ。やっぱり金言広告。名言はいいよね

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【りょく吉】
なんで広告に名言をのせたの?

【あお吉】
それはね・・・

【あか吉】
私に聞きなさい。私に!

【りょく吉】
じゃ、あか吉先生、教えてください

【あか吉】
よろしい!
まずは、森下博さんの経営理念から。
「原料の精選を生命とし、優良品の製造販売進みては、外貨の獲得を実現し、広告による薫化益世を使命とする」つまり、「良品販売・海外発展・広告益世」

【りょく吉】
広告益世ってよくわかんない

【あか吉】
広告は商売の柱である、と同時に広く社会に役立つものでなくてはならないということよ。この「広告益世」の理念の代表といわれているのが、1914年(大正3年)にスタートした「金言広告」。
「天は自ら助くる者を助く」「時を空費するは無情の奢侈なり」など古今東西の格言から厳選した5,000種類の金言を、新聞広告は言うに及ばず電柱広告、看板、紙容器などに入れたと聞いているわ。この「金言広告」は新しい時代の広告として一世を風靡し、各方面から称賛を博し、学校などからも多くの感謝状が寄せられたそうよ。

【りょく吉】
あか吉先生、ありがとうございました。ところで、あか吉は?

【あか吉】
もちろん、これよこれ!

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ビスマルクの顔の毒滅看板よ!
商標はドイツの鉄血宰相ビスマルク。キャッチフレーズは「梅毒薬の大発見 ビ公は智略絶世の名相、毒滅は駆黴(くばい=梅毒を治療すること)唯一の神剤」。このビスマルクの顔のインパクトが好きなのよ

あお吉りょく吉
確かに、迫力あったね~

【あか吉
この展示も2月25日で終わりだそうよ。りょく吉は、もう一度みてきたほうがいいわね。

【りょく吉】
うん、わかった。次はいつ見ることができるかわからないしね。

参考文献:
 森下仁丹歴史博物館 http://www.jintan.co.jp/museum/index.html
 森下仁丹100周年記念誌
 森下仁丹80年史

投稿者 museum | 16:32

2011年02月02日 11:37

「広告王 森下博~森下仁丹株式会社 創業者~」記念講演会(2月11日開催)

「琺瑯看板」

上に書かれた漢字、何と読むでしょう?

カマキリカンバン??

それは「蟷螂(かまきり)」!

正解は「ほうろうかんばん」です。

金属製の屋外用広告看板の一種で「ホーロー看板」とも表記します。
「金鳥かとりせんこう」や大村崑さんの「元気ハツラツ!オロナミンC」、「大塚のボンカレー」、戦災を逃れた京都などで見ることができる「仁丹町名看板」などが有名ですね。


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▲特別展で展示中のホーロー看板


さて、来る2月11日(建国記念の日)は日本記念日協会が定める「仁丹の日」でもあります。

祝日で普段はミュージアム休館日なのですが、この日は開館。好評開催中の特別展示「広告王 森下博~森下仁丹株式会社 創業者~」の記念講演会を下記のとおり開催いたします。

「ホーロー看板に見る~広告文化史~」
 日 時:2月11日(金・祝)14:00~15:00
 場 所:大阪企業家ミュージアム
 講 師:看板と広告の資料館 館長 佐溝 力 氏
 主 催:森下仁丹株式会社、大阪企業家ミュージアム
 参加費:大阪企業家ミュージアムの入館料のみでご参加いただけます。
 定 員:80人(席数に限りがございますので、先着順とさせていただきます)

【佐溝力氏プロフィール】
昭和21年、愛知県豊橋市生まれ。
昭和50年頃からホーロー看板を集め始め、40年に渡って収集した2万点に及ぶホーロー看板や広告資料を豊橋市の自宅に設立した「看板と広告の資料館・琺瑯看板研究所」に展示。
TV出演や書籍出版、ホーロー看板の展示会を開催し、数々のご講演をされるなど、ホーロー看板収集家として各方面で活躍中。

皆さまのご来館をお待ちしています!!

あお吉

投稿者 museum | 11:37