会社の譲受をお考えの方へ

譲受を希望する企業がM&Aについて検討・情報収集したり、具体的なアクションを始めた際、しばしば悩みとなるのは「どうすれば、譲渡希望の企業と巡り合えるのか、その情報を入手できるのか」ということでしょう。これは買い手側にとっては、ある意味「永遠の悩み」のようなものです。

複数の金融機関やM&A仲介専門会社等にコンタクトし、自社のM&Aニーズを伝え、案件紹介を依頼しているにもかかわらず、なかなか売り案件の紹介を受けることができない。そういう買い手企業から「売り案件とうまく巡り合うには、一体どうすればいいんでしょうか?」と尋ねられることがあります。この問いに対して「こんな方法がありますよ」とアドバイスすることができれば、皆さんにも喜んで頂けてどんなにいいかと思うのですが、残念ながら「こうすれば、短期間で売り案件と巡り合える」といった妙手・裏技はないのが実情です。

なぜ、売り案件となかなか巡り会えないのか。売り案件の情報を入手するのが難しいのか。その理由は簡単で、売り案件(売り手)と買い案件(買い手)を比較した場合、明らかに買い手の数の方が多いからです。日本でもM&Aという手法が認知され、広まってきたとは言っても、それは買い手側においてより顕著であり、売り手・買い手の数には明らかなアンバランスが存在しています。公式な統計はないものの、感覚ベースで言えば5~10倍くらいは違うのではないでしょうか。

少し補足しますと、売り手側も、後継者不在や先行き不安で悩んでいる企業などの潜在ニーズ層まで含めると、かなりの数にのぼるのではないかと推測されます。ただ、売り手側にとってM&Aというのは非常にデリケートな話ですから、どこにも相談できず、社長一人が悶々と悩んでいることも少なくありません。また、「うちは規模が小さいから、M&Aなんて無理に違いない」とか、「会社を売るくらいなら、廃業した方がいい」などと、勝手な思い込み・偏った悪いイメージで自らの選択肢を狭めてしまっている場合もあります。このように、売り手側の潜在ニーズ企業は様々な理由・要因で潜在ニーズのままとどまってしまっていることが多く、それゆえ顕在化している買い手と、顕在化している売り手では明らかに売り手の方が少なく、なかなか巡り合うのが難しい状況になっていると言えます。

「うーん、それなら運を天に任せて、ただ待っているしかないんでしょうか?」という声が聞こえてきそうです。先に書いたように、こうすれば絶対うまく行くという方法はありませんが、若干ながら「案件紹介の確率が高まる可能性がある」と思われる方法はないでもありません。

以下は、あくまでご参考、ヒントということでお読みください。

1アンテナを広く張る

当たり前と言われるかもしれませんが、アンテナはなるべく広く張るに越したことはありません。M&A仲介業務をしている金融機関・専門会社等で、元々接点のあるところに自社のニーズを伝えるのはもちろん、それ以外の仲介機関等でも何らかの機会があればコンタクトして、幅広くアンテナを張るように努めましょう。いつ、どこからひょんなことで「実はこんな案件がありますが、興味ありませんか?」と持ちかけられるか、わからないのですから。

2ニーズはなるべく具体的に

一見、上記の話と逆のようですが、自社の買いニーズはなるべく具体的に絞り込んだ方がベターです。一般的に仲介機関は「売り案件を受託して、その買い手先を探す」という流れで仕事を行うことが多いため、個別具体的な売り案件のマッチング先を探す時に、買い手企業のニーズが漠然としていたり、あまりにも幅が広いと、この買い手とマッチングして本当にうまく行きそうか、M&Aの効果(メリット)が出てきそうかというのがイメージできません。

「売り案件が少ないなら、関心業種はなるべく幅広にしておいた方が紹介してもらえる可能性が高まるのでは」と考え、たとえば「製造業なら何でも可」としても、それはかえって逆効果です。仲介機関の担当者から見てマッチングのイメージが湧きやすいよう、具体的にする方が実は好ましいのです。

3真摯な姿勢を持つ

仲介機関や売り手から見て、「信頼の置ける買い手」「ここなら安心して紹介できそう」と思われるかどうか。これも1つの重要な要素となります。M&Aは、人と人とのつながりがとても大事であり、その根底をなすのは「相手が信頼できるかどうか」です。

仲介機関とコンタクトする際、(幸いにも)売り案件の紹介があった際、売り手企業と対面する際などには、常に真剣・真摯な姿勢で臨むようにして下さい。そうした小さい積み重ねで信頼感を持ってもらうことができれば、仲介機関から「この企業は安心してつなげそうだ。もし、○○の業種で売り案件が出てきたら、まず最初にこの企業に打診することにしよう」と思ってもらえる可能性があります。

また、M&A関連の書籍やセミナー等でM&Aに関する基礎知識をなるべく身につけ、仲介機関と会話しやすくしておくことも多少は効果があるかもしれません。仲介機関からしても、M&Aの基礎や流れがある程度わかっている会社と、そうでない会社とでは、前者の方がより安心できるでしょうし、スピーディーに話が進む可能性が高いと判断するでしょうから。

大商M&A市場について

先に述べたアンテナを広く張る方法として、大阪商工会議所が運営するM&A市場をご利用いただくのも、1つのやり方です。

M&A市場では、提携している複数の仲介機関(金融機関、M&A専門会社等)がM&A実務を行っています。買い関心企業は、自社の買いニーズを所定の申込書(資料請求フォームからお取り寄せできます)に記載して会議所に提出すると、買いニーズの概要部分(社名・連絡先等は伏せて)がM&A仲介機関に一斉に情報配信されます。その後、御社のニーズに合致して、ご紹介可能な売り案件があれば(出てくれば)、当該案件を担当している仲介機関を紹介しますので、あとは直接やりとりを行っていただくという流れです。なお、買いニーズ登録には、特に費用はかかりません。

ただ、買いニーズ登録して頂いても、すでに述べたような理由から、なかなか案件をご紹介できない可能性も相応にありますので、その点はご了解ください。

カウンター