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| 譲受希望の企業、買い手としてM&Aに関心のある企業を最も悩ませているのは「どうやって売り案件の情報を入手するか、売り希望の企業と巡り合うか」ということでしょう。これは買い手側にとっては、ある種“永遠の悩み”のようなものです。多くの買い関心企業がM&Aを目指しつつも、この問題に悩み、ここで足踏みをしています。あちこちの金融機関、仲介専門会社等にコンタクトし、自社のM&Aニーズを伝え、案件紹介を依頼しているにもかかわらず、なかなか売り案件と出会えない。そういう企業から、半ばため息まじりに「売り案件とうまく巡り合うには、一体どうすればいいんですかね?」と聞かれることがあります。 この問いに「実はいい方法がありますよ」と答えることができればどんなにいいかと思うのですが、残念ながら、「こうすればすぐに(or多くの)売り案件と巡り合える」といった妙手・裏技はありません。 なぜ、なかなか売り案件と巡り会えないのか。売り案件情報を入手するのが難しいのか。その理由は簡単です。売り案件(売り手)と買い案件(買い手)を比較した場合、圧倒的に買い手の数の方が多いからです。日本でM&Aが広まってきたとは言っても、それは買い手側においてより顕著であり、売り手・買い手の数には明らかなアンバランスがあります。 もう少し詳しく説明すると、売り手も潜在ニーズ層まで含めれば、実はかなりの企業数があると推測されます。ここからはあくまで感覚的な話ですが、仮に潜在ニーズ層も含めた売り手全体を100としましょう。そこから経営者が会社(事業)譲渡の意志を固め、具体的にM&Aに向けて踏み出すのは、100のうちせいぜい10〜15くらいではないでしょうか。多くの企業は様々な理由・要因で潜在ニーズのままにとどまり、いわば氷山のように水面下に隠れたままなのです。したがって、顕在化している買い手と顕在化している売り手では圧倒的に売り手の方が少なく、それゆえになかなか巡り合うのが難しい状況になっていると言えます。 「うーん、それなら運を天に任せて、ただ待っているしかないんですかね?」という声が聞こえてきそうです。先に書いたように、こうすれば絶対うまくいくというような方法はありませんが、「案件紹介の確率がより高まる可能性がある」と思われる手はないでもありません。 以下は、あくまでご参考、ヒントということでお読みください。 |
| 当たり前と言われるかもしれませんが、アンテナはなるべく広く張るに越したことはありません。M&A仲介業務をしている金融機関・証券会社・専門会社等で、元々付き合いのあるところに自社のニーズを伝えるのはもちろん、それ以外の仲介機関等でも何らかの機会があればコンタクトしたり、M&Aセミナー等に顔を出すなどして、幅広くアンテナを張るように努めましょう。いつ、どこからひょんなことで「実はこんな案件がありますが、興味ありませんか?」と持ちかけられるか、わからないのですから。 |
| 一見、上記(1)の話と逆のようですが、自社の買いニーズはなるべく具体的に絞り込んだ方がベターです。一般的に仲介機関は「売り案件を受託して買い手先を探す」というパターンの方が多いため、個別具体的な売り案件のマッチング先を探す時に、買い企業のニーズが漠然としていたり、あまりにも幅広いと、この買い手とマッチングして本当にうまく行きそうか、M&Aの効果(メリット)が出てきそうかというのがイメージできません。 「売り案件が少ないなら、関心業種はなるべく広くした方が可能性が高まるのでは」と、たとえば「製造業なら何でも紹介希望」としても、かえって逆効果です。仲介機関の担当者から見てマッチングのイメージが湧きやすいよう、具体的にする方が実は好ましいのです。 |
| 仲介機関や売り手から見て、「信頼の置ける買い手」「ここなら安心して任せられそう」と思われるかどうか。これも1つの重要な要素となります。M&Aは、人と人とのつながりがとても大事であり、その根底をなすのは「相手が信頼できるかどうか」です。 仲介機関とコンタクトする際、(幸いにも)何らかの案件紹介があった際、売り手企業と対面する際などには、常に真剣・真摯な姿勢で臨むようにして下さい。そうした小さい積み重ねで信頼感を持ってもらうことができれば、仲介機関から「この企業は安心してつなげそうだ。次にこの業種で売り案件が出てきたら、ここににつなごうかな」と思ってもらえる可能性があります。 また、本やセミナー等でM&Aに関する基礎知識をなるべく身につけ、仲介機関と会話しやすくしておくことも多少は効果があるかもしれません。仲介機関からしても、M&Aの基礎や流れがある程度わかっている会社とそうでない会社とでは、前者の方がより安心できるでしょうし、スピーディーに話が進む可能性が高いと判断するでしょうから。 |