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【労働時間】今さらだけど『労働時間』ってそもそも何?

みじか〜い秋から冬に向けて日々が流れる中、皆様いかがお過ごしでしょうか?

今回は『労働時間』について考えていきましょう。

実は労働基準法には労働時間に関するルールが山ほどあります。
さらに通達や裁判例などを含めるともう読み切れない。
その全てをここで文字におこす事はとても出来ない。お断りします。
なので、ここでは実際のお仕事の場面を想定しながら、『これは労働時間なのか?』という迷いが生じやすい部分、筆者の元に相談が多い事案に焦点を当てていきます。

ですがやはりその前にそもそも『労働時間』って何?というカタい話からしていきます。
労働時間は「労働者が使用者に労務を提供し使用者の指揮命令に服している時間」と定義されています。
こういう文面を読むだけでアレルギーのある方もいるかもしれませんがもう少し読んで頂いたら事例にうつります!

誤解を恐れずにものすごく簡単にいうと「会社が命令する仕事の為に自由に過ごせない時間」です。
会社(使用者)が仕事の指揮命令をしますよね?
その指揮命令下にあり仕事をしている時間のことです。

では『これは労働時間なのか?』という事例を見ていきましょう。
 
【休憩時間】
労働時間の途中で仕事から離れて自由に利用することが保障されている時間が休憩時間です。
自由に利用できる休憩時間は労働時間ではありません。
 
ここで先に書いておきますが、労働時間にならないということは賃金を払わなくても良い時間ということです。逆にいうと労働時間になると会社が「休憩時間だ!」などと主張しても賃金を払わないといけなくなり、未払賃金の問題にもつながってくる場合があるという恐ろしいものです。
 
では例えば休憩時間に弁当でも食べながら会社の指示で電話当番をしている場合はどうなるでしょうか?
この場合は自由に利用できない、電話があったら対応する命令を受けている『手待ち時間』と考えられる可能性が高く、労働時間になる可能性が極めて高いということになります。
このような場合の判断は、
会社命令あり…労働時間
会社の黙示の命令や承認あり(当番制を知っているが容認など)…労働時間
休憩中たまたま居たので電話に出て対応(時間もわずか)…労働時間の可能性低い
という感じです。
次の事案も同じような考え方で判断します。
 
【始業時刻前の掃除や朝礼】
義務になっている、会社命令がある…労働時間
参加しない場合は遅刻、査定で不利益、命令は無いが事実上強制…労働時間
完全に自発で自由、査定にも関係ないなど…労働時間の可能性極めて低い
 
【お着替え】
原則として労働時間ではないという場合が多いですが、
業務上必要であり義務で指揮命令あり(耐熱服など)…労働時間の可能性あり
ということもあります。
 
【作業準備や作業終了後の整理整頓など】
仕事に付随して必要な点検や道具の準備など…労働時間の可能性高い
上長の指示で始業開始前の○○時までにはパソコンを起動しておかなければならない等はこれに当たる可能性が高いです。
逆に準備時間でも個々の労働者の自発的な自由意思にゆだねられていれば労働時間になる可能性は低いです。
「今日はこの書類をつくった後に○○に訪問してそれから…」みたいなことを個人個人が自由に検討しているなどです。
 
【就業時間外の研修など】
業務命令、強制参加…労働時間
命令はないが業務上必要な研修であり査定で不利益など…労働時間の可能性高い
完全なる自由意思の自由参加である場合以外は労働時間の可能性があります。
 
【終業後の接待など】
会社命令で得意先の開店祝いで食事など…労働時間の可能性高い
個人で判断する飲み食い目的のおつきあい…労働時間の可能性低い
 
まだまだいろんな事案があると思いますが、目的や命令の有無、査定への影響や個々の自由な意思が許されるかどうかなどを考えて労働時間かどうかの判断をしていくことになります。
 
途中にも書きましたが、会社が『労働時間ではない!』として賃金を払っていなかったり残業の割増賃金を払っていない事案でも、争った結果『それは労働時間です。賃金を支払いなさい。』となってしまった場合、過去2年分を全員分支払わないといけなくなるかも?
 
会社経営者や労務管理担当者にとって、【労働に関する法律等を知らないことは怖いこと】と認識し、この機会に労働時間について考えるきっかけになれば嬉しいなぁと思います。
 
からすの労務管理事務所
所長 烏野茂孝
http://www.karasu-no.jp/sr/