佐藤会頭の眼~会員企業と共に歩む(寄稿文) その3
Chairman’s Eye with you

  • その3<大阪以外のエリアも積極的に訪問>
  • ○大阪以外のエリアにも足を伸ばす機会に恵まれた。東北の被災地も2度訪問。(日商会合の福島を入れると3度)そのほかにも九州、鳥取、岡山、和歌山、奈良など。それらを通じて感じるのは、3時間半圏が交流圏内ということだ。航路も含めれば中国沿岸部、韓国、台湾など近隣のアジア諸国も同一商圏。この点、九州地区はアジア諸国と距離が近いメリットを生かし、既に大きな経済・観光交流の実績を挙げているのは見事だ。
  • ○2011年2月に第49回関西財界セミナーの場で鳥取県の平井伸治知事とご一緒にパネラーとなる機会を頂戴した際、関西広域連合に加盟した鳥取県を是非訪問して欲しいとお声掛けをいただいた。鳥取県は、同連合で観光、産業振興などを分担していることから、鳥取県の現状を知ってもらえる良い機会ではないかと思い、経済記者クラブの方もお誘いし、ご一緒に鳥取県を訪問する機会を10月に設けた。

2011年10月鳥取県でジオパークを視察CIMG0246.JPG「2011年10月鳥取県の山陰ジオパーク(浦富海岸)を船上から見学」

  • ○当日は大型バスに分乗しての訪問となったが、鳥取自動車道(中国横断自動車道姫路鳥取線)は一部を除きほぼ全線が開通しており、片道約3時間弱の道のりであった。訪問先の選定にあたっては鳥取県・米田関西本部長とすり合わせ。国際的に貴重な地形や地質である「世界ジオパーク」に認定された山陰海岸の観光資源、また世界の乾燥地研究に役立つ鳥取大学乾燥地研究センターなどを訪問した。関西からの距離や時間がちょうどいい鳥取県は、観光面で自然を体験するジオツアーなどを組み入れた広域観光ルートが確立できれば、関西圏のみならず、海外からも観光客を集められる有望な可能性を秘めている。
  • ○岩美町での懇談会では、平井知事より韓国やロシアなど日本海ルートによるビジネス交流の活性化も紹介された。実際、先述のファミリー(マッサージチェア製造)は西伯郡大山町に工場を立ち上げており、中国から半製品を輸入して最終組み立てを鳥取県内の工場で実施。その後、国内外に出荷するビジネススタイルを確立している。また大起水産(堺市)では、鳥取県の漁港(賀露港など)から水揚げされた魚介類を関西方面に直送。また鳥取県産野菜の約5割が関西訪問に出荷されるなど、経済・観光の両分野で結びつきが深まってきている。
  • 訪問記録 2011年10月11日 鳥取県(山陰海岸ジオパーク浦富海岸エリア)
  • ○そして何より驚くのは、鳥取県関西本部が米田本部長長以下、全員一人一人が鳥取県PR大使のように熱心に売り込みに邁進する姿勢だ。中国人観光客は、既成の東海道沿いの観光ツアーに退屈しているという話を聞いていたので、日本海エリアが育んできた文化や食生活といった魅力をご紹介できればと思い、華人美食促進会の幹部に一度鳥取県を訪問してみないかと声をかけた。
  • ○米田本部長自ら訪問して行った北京での猛烈なPR効果もあり、一行による鳥取訪問が3月下旬に実現。関西国際空港から鳥取県へと訪問の足を向けてくれた。その折には平井知事自ら出席して歓待・懇談されたそうだ。鳥取県の魅力を中国人富裕層に紹介する絶好の機会を提供したわけだが、ご一行が鳥取で、多くの買い物を行い消費に貢献してくれたとのことであった。

2011年6月鹿児島商工会議所近くにある五大友厚侯像の前で記念撮影県IMG_2850.JPG「2011年6月 鹿児島商工会議所近くにある五代友厚侯像の前で」

  • ○2011年6月に鹿児島を訪問した際には、大阪商工会議所の初代会頭である五代友厚侯の生誕地(鹿児島市長田町城ヶ谷)を訪ねた。屋敷跡地では、現在もその功績を称えて「五代友厚誕生地」という石碑と観光客向けの標識(日英)が掲げられている。そこに記されているのは「慶応元年19名の留学生を率いてイギリス・ヨーロッパに渡り、紡績機器や蒸気船を購入。早くから世界に目を向け明治維新では政府の要職を務めてきた。」という内容。大阪商工会議所の創設者のルーツを知ることができる貴重な機会となった。
  • 訪問記録 2011年6月4~5日 九州地方【鹿児島関連】
  • ○その折に訪問した鹿児島商工会議所の諏訪会頭からお誘い頂き、後日、京セラドーム大阪で開かれていた「かごしまファンデー」の会場を訪れた。主催は関西鹿児島県人会総連合会。会場には関西在住の鹿児島県出身者らが大勢詰め掛け、当日は3万人を超す入場者。その余りの賑わい振りに圧倒されるばかりであった。九州新幹線全線開業の経済効果を最大化するため、鹿児島商工会議所の意気込みも立派。イベントにブース出展を行っていたほか、大阪市内のホテルで「かごしま交流懇談会in大阪」を主催。私も、五代友厚侯が取り持つ大阪との縁を紹介し、そして鹿児島県人の団結力に感動したとご挨拶した。
  • 訪問記録 2011年6月19日 鹿児島ファンデー
  • ○続いて訪問した大分では、別府の竹瓦温泉や鉄輪湯煙地域、立命館アジア太平洋大学の視察を行った。今回は、東日本大震災、九州新幹線全線開業から3カ月余りというタイミングであったが、立命館アジア太平洋大学でアジア各国からの海外留学生が元気に勉学に励んでいる姿を目の当たりにし、海外観光客が元通りの姿になるのもそう遠くない時期になると肌で感じることができた。ご縁ができて本年11月には学生相手に講演出来る機会を頂戴している。
  • 訪問記録 2011年6月4~5日 九州地方【大分関連】
  • ○その大分では、自らが育った故郷が杵築や臼杵ということで、大分合同新聞社より「かぼす大使」を任命頂いた。大分商工会議所の姫野会頭はじめ幹部の方とも交流が深まっている。かぼす大使として、大分県で講演する機会も頂いた。熊本や鹿児島など九州新幹線沿いの都市に負けない魅力を作り出し、瀬戸内海航路もあるのだから大阪・関西と交流を活発化させようと呼びかけた。