佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2015年8月4日(月) 大阪市立大学杉本キャンパス 高原記念館1階 学友ホール

「大阪の産業発展と産業振興のあり方について
        ~ともに千客万来都市OSAKAをつくろう~

 観光、インバウンドは成功しましたから、第2期ではものづくり、メディカルといった分野に力を入れております。中でも暮らし産業プロジェクトです。今年一番力を入れている事業であります。

 大阪は今日、食の都として有名ですが、もともと衣・食・住の発達した街でした。「衣・食・住」に「暮らし産業」という横串を入れることで、ファッション、住まいもかつての勢いを取り戻すことが出来るのではないか。そう考えて、大阪のライフスタイルをどう作り上げるかということに取り組んでいる次第であります。

 この9月にイタリアのミラノに参ります。食をテーマとしたミラノ万博を視察してきますが、同時にミラノの市民のライフスタイルを学んで帰ろうと考えています。ミラノは1970年頃にファッションの街になったと聞きます。それも住宅のリフォームから始まったそうです。ミラノにも住まいを構えておられるプロダクトデザイナーの喜多俊之先生によりますと、日本の住宅はたいてい納戸化しているそうです。これではお客さまをお呼びできない。そこで喜多先生はものが溢れている80平方メートルのマンションも一度リフォームして納戸化をなくして綺麗な一つの部屋にし、使い方で間仕切りが簡単に出来るようにする。そうすれば手料理を作り、小綺麗に着飾ってお客さまをお迎え出来るようになる。お客さまの方も着飾って、手料理の一つも持参するかもしれない。

 このように住宅をリフォームすれば、衣も食もついてくる。実際、ミラノはそういったライフスタイルが出来上がっているそうです。
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