佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2015年7月6日(月) 大阪大学豊中キャンパス

「ひらパーから関西を考える」


 しかし、お話ししました通り、歴史は過去を振り返って分かるものです。私たちは気付かないだけ、平成2年には既に超金融緩和によるバブルが弾けていたのです。にもかかわらず、ひらかたパークは80億円もの巨額投資をしてコンセプトを一変させた遊園地に転換を図りました。「ご家族そろって」というファミリー型古典式遊園地から若い世代をターゲットにしたテーマパークです。

009.png 大胆なひらかたパーク案が役員会に出された時、平成8年でしたか取締役席の末席にいた私は担当者のヤル気は評価できるが、会社総がかりでないと成功しないだろう、と思ったものです。ヤル気のある社員は投資を求めがちです。担当役員も部下のヤル気に同調しがちです。運賃値上げが平成7年、まさか以後運賃値上げがないとは思っていない時ですから、特に反対意見はなく、巨額投資は決まってしまいました。

 以後、私の教訓となりますが、役員全員が賛成の時は危険で、反対が多いほど有望案件だと思っております。案の定というか、大リニューアル後のテーマパークとしてのひらパーは、その後テーマパークとはお世辞にも言えません。