佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2014年4月7日(月) 京都大学法学部入学式における講演会

「自国の文化を語れる若者たれ」

CIMG7948.JPG「講演会場となった京都大学法学部の入学式会場」  これまでの経験から、もう一つ、申し上げておきます。先ほど海外に年に4,5回出掛けていると言いましたが、海外出張するたびに確認するのは、本当に世界はグローバル化している、という実感です。

 これまでの訪問先で一番数が多いのは、ベトナムです。直近では、昨年10月、ホーチミン、ハノイに行って参りました。ホーチミンでは、大阪のタカラベルモントという歯科用医療椅子を製造している企業がホーチミン近郊の日系企業団地に進出し、その工場開設のお披露目に立ち会ってきました。

 工場建設に先立ち、私はベトナム社会主義共和国チュオン・タン・サン国家主席を訪問して、日本企業が進出しやすい、道路、電力などのインフラ整備や諸手続きの簡素化など環境整備のお願いをいたしました。組立からモノづくりの国を目指しているサン国家主席は私の願いをよく理解して、要望の実現を約束してくれました。

 タカラベルモントでは、これから理美容分野にも進出する計画を立てられておりますが、このようにベトナムのみならずアジアでの地産地消、つまり現地の消費を考えて現地で生産するために海外に進出する企業が増えています。これまでは人件費の安さを求めて後進国に出て行くのが日本企業の通例だったのですが、今は違います。成長著しいアジアの国々の消費需要を見込んで進出するところが多いのです。

 タカラベルモントは、これからアジア市場で販路を広げ、グローバル社会のなかで大企業へと成長を遂げていくでしょう。学生の皆さんもこういう企業にも目を向けて頂きたいと思います。