佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2014年4月7日(月) 京都大学法学部入学式における講演会        

「自国の文化を語れる若者たれ」

CIMG7971.JPG「講演会で渋沢栄一語録を紹介する佐藤会頭」 国の借金は1,000兆円を越えています。GDP即ち国内総生産は500兆円ですから借金は倍以上、いつ財政破綻の日が来てもおかしくありません。加えて人口の減少が進み生産年齢人口も減っていますから、生産力は落ちてくる訳です。また、日本は少子高齢化が進んでいますから社会福祉を支える人口は減り、将来の社会福祉は大変おぼつかなくなってくるのが目に見えております。さあ、どうしますか、皆さんは。

 ここは、若い諸君が目覚めて奮闘することです。困難な時代を打開するのは、いつも若い人の力だと、自覚して下さい。

 京阪電気鉄道株式会社は明治39年に創立されました。創立委員長は、日本の資本主義の父と言われている渋沢栄一です。渋沢には、「論語と算盤」という書があります。この中に、「自ら箸を取れ」という章があります。豊臣秀吉は信長の意思を受け継ぎ天下統一を果たすのですが、渋沢は「自ら箸を取れ」の中で、こう言っております。

 天下統一のお膳立てをしたのは織田信長であるが、信長から料理を食べさせてもらったのではない、秀吉自らが箸を取って、料理を食べたのだ、と。
皆さんも、箸を取ってこの国を繁栄に導いて下さい。いま、辛うじて残っている繁栄を貪っていては、すぐ料理は無くなります。再び繁栄のお膳立てをするのが、エリートである若い諸君です。

 皆さんには座右に置く書があると思います。是非、渋沢栄一の「論語と算盤」を加えて、時々紐解いて下さい。