佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2014年1月28日(火)  平成25年CITEサロン第3回大阪都市格研究会 大阪まちなか・背骨の品格

「千客万来都市OSAKAをつくろう」

CIMG6877.JPGCIMG6877.JPG ここで当社の事例を少し申し上げますと、大阪の樟葉という街ですが、高度成長の頃、大阪に人口が集中しまして郊外に住宅地がどんどんできた時代でありました。この樟葉は京都と大阪のちょうど真ん中にありまして、お金のない京阪の時代ですから重松さん(後に琵琶湖ホテル、サンタマリア号、水上バスの社長も兼務)という方が大変資金面で苦労されましたが、田んぼの中から造成を始めて、住宅を分譲し、くずはローズタウンという大きな街になりました。ところがその後住んでいる方がお年寄になって街が衰退していくという経過をたどっています。

 当初の分譲面積は90坪と広かったものですから、年をとられた方が処分される時に30坪ほどのミニ開発になっていくわけです。これは住宅団地の宿命みたいなもので、人間だったら寿命がありますが、街の場合はそうはいかない、街をどうやって再生させるのかということがテーマになる訳であります。この後、大阪の街についても皆さんにご議論頂きたいと思います。

CIMG6878.JPGCIMG6878.JPG 田んぼの中に樟葉の団地造成が始まって間もなく、日本最初のオープンモールの建設が始まりました。竹中工務店さんの施工によるものですが日本初のオープンモールだったので当時は全国から見学者がお越しになりました。

 次にご覧いただいているのは若い人を取り込んで衰退した樟葉を蘇らせようというものであります。2005年には1回目のリニューアルを行いました。樟葉モールができてから30年近くが経過し、施設の老朽化はもとより商圏人口が縮小しておりました。次々と競合の商業施設が出店、またモールも魅力がなくなっておりました。

 一番問題だったのは、モールをオープン後利益が出ているためになかなかリニューアルできなかったことであります。テナントさんからちゃんと賃料を頂戴して利益が出ておりますし、テナントさんも儲かっているのでリニューアルしないほうが楽なわけであります。それが30年たってやっとリニューアルにこぎ着けたのであります。

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