佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

平成26年1月24日(金)  一般社団法人 近畿化学協会 平成26年新春セミナー

「魅力ある関西の文化戦略」

CIMG6685.JPG「大阪市中央区で大阪産ワインを製造するフジマル醸造所を訪問」 私たちは、よく東京一極集中が弊害だとよく言っております。山陽新幹線に乗って車窓の風景を見ておりまと、里山、奥山も竹が山をかけのぼって侵食されている姿を見かけます。これこそ東京一極集中の弊害でありまして、高齢化が進んで、地方は山を手入れする人がいなくなっています。東京一極集中と地方の衰退は、少子高齢化社会の日本の裏表の関係ではないでしょうか。

でも、その東京なのですが実はローカル色が一杯あります。私、自称商店街ウオッチャーでもありまして、行く先でその土地に根付いた商店街の個性がどこにあるのか見つけるのが趣味なのですが、東京の商店街は、地域、土地、界隈に合った個性的なところが多い感じがします。大都会の片隅に、ローカルの生活の文化が息づいています。それに比べて大阪の商店街は同じ顔をしていて、大阪ローカルの文化風土を引き出していない、大阪はもっと文化に目を向けなくてはいけないと思っているわけであります。

木村尚三郎さんは著書で「東京だってもっと地方化して」と言っていますが、実は東京はローカル色で一杯だと言えるわけです。私はそれが東京の強みだと考えております。私たち大阪人こそ、東京一極集中の弊害ばかりを主張するのではなく、もっと足元を見つめなおし、ローカル色を掘り起こして活性化に結びつけるべきだと反省しているところであります。

これが本日のテーマの文化戦略の結論であります。今日はこれで終わりと申しあげても宜しいのですが、時間の都合上、もう少し、お話させていただきます。

私が次に関西を離れるのは、東京と東北の被災地を除いて、3月頃台湾、5月はミラノ、6月は韓国・済州島ですが、木村先生の主張の通りに、日本の名のもとに関西から国際化を開いていく積もりでおります。

もちろん、逆に海外からも関西にやって来られます。昨日は香港、来週はシアトルから政府や企業の要人、また、再来月には北京から美食家倶楽部の使節をお迎えして国際交流を深める予定です。関西の文化を舌、目など五感で味わっていただきたいと思います。