2013年(平成25年)8月29日(木)
「うめきたMICE特別セミナー 関西活性化の起爆剤 千客万来都市OSAKAプラン」
以上大商のビジョンの幾つかをご紹介しました。いずれもMICE都市大阪を実現させるに必須の要素ばかりですが、実は食こそが基本的な要素になると考えております。食については、私は人一倍関心が強いのでありますが、時間の関係で本日は割愛させていただきます。
「MICE戦略」
食は「おもてなし」の文化の範疇に入るかと思いますが、食以外で忘れてはならない「おもてなし」の文化があります。「おもてなし」を自ら実践している大阪の芸妓さん、高齢化が進んでおり、文化の継承が絶滅する危機にあります。大阪の芸伎文化をいかに守るかが課題であります。また90年を越える伝統のOSKをどう支えていくのか、文楽や能、落語、歌舞伎などの日本を代表する文化・芸能は、保存継承のみならず、発展系に育てていく必要があることを訴えたいと思います。なぜならこれらはMICE都市を考える上で真剣に考えなければいけない要素であるからです。MICEに欠かせない高度なエンターテイメントとして、衰退して行くことのないようにしていきたいと思っております。
「懇談会の開催状況」
「MICE都市実現には」
最後に、大大阪の時代を生命の危険をも恐れずに勇気もって大阪を引っ張って行った関大阪市長の言葉を引用して、皆様のご理解をいただきたいと思います。
大大阪の時代の大阪は西成、東成郡を編入して市域を拡大、人口も多くなり世界で6番目の大都市となりましたが、当時の市長である関一氏は、
「近世の大阪は豊太閤の雄図に依ってその基礎を築き、徳川時代に町人の都として特有の文化を発達せしめた。この文化の特色は統一的・形式的でなく、自由なる個人的であることである。近世の企業的精神はこの自由なる個人的の空気の内に最もよく発達するものであって、徳川氏の町人の都の歴史はよくこれを証明している。この企業的精神こそ大阪市が帝国の経済上の進展に寄与し、その重大なる責任を尽くすに当って最も必要なる条件であって、我々は編入によって成立した大大阪の面積の広きことや人口の多きことを誇るべきではない。この自由なる進取的の企業精神を活動せしむる根拠地として、大大阪を完成すべきである。この方針を以って進むならば大大阪の将来は祝福すべきものあることを疑わない。」
以上を大正14年の講演で関市長が述べておられます。まさに大大阪の気概であります。どうですか。勇気が出て来るでしょう。大阪商工会議所の千客万来都市OSAKAプランも、それに魂を吹き込んでこそ、本物になると思って全員参加で取り組んでおります。
韓国の友人が一昨日、言った言葉が耳に残っております。「日本人は変わることをしない。これでは世界に取り残されるのでないか」私からは、「不易流行が大事だ、変えてはならないものはある。変えて良いものは変えることが必要」そう応じておきましたが、大変痛いところを突かれたと思っております。
もう一つあります。冒頭でシアトルのエピソードを申しましたが、米国の元通商代表補佐との会話をご披露して終わります。彼は日米繊維交渉などで「日本を苛めすぎました。」と贖罪の言葉を口にしていたわけですが、懇親パーティの席で、「TPP交渉では、ぜひ日本側の味方になって下さい」と申し上げると、彼曰く「検討します」。そこで私は、「それって、何もしないと言うことではないですか」と言うと、「その通り」との回答が返ってきました。まさに日本を知り尽くしたツワモノの言葉であります。検討だけではダメ、自らが実践することが求められているのであります。
関市長の、「この自由なる進取的の企業精神を活動せしむる根拠地として、大大阪を完成すべきである。この方針を以って進むならば大大阪の将来は祝福すべきものあることを疑わない。」の気概を思い出し、皆様とともに全員参加で大阪の発展に取り組んでいきたいと存じます。
「関氏の言葉」
本日は長時間おつきあい頂き、ありがとうございました。
以 上