佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2013年(平成25年)8月29日(木)

「うめきたMICE特別セミナー 関西活性化の起爆剤 千客万来都市OSAKAプラン」

 もう一つ、場合によっては大阪にとって面白い展開となる可能性がある案件がありました。それはテアトロ・ジンザーニという体験型ショーレストランの経営者が関西セミナーに参加しておられまして、我々の劇場をぜひ見にきてほしいというわけであります。

 そこで、この日ジンザーニの公演小屋が休館日であったにも関わらず、それをわざわざ開けて、衣装部屋などのバックヤードもご案内頂きました。ジンザーニは、ヨーロッパから運んできた重厚なテント小屋の中でディナーショーを楽しめるレストランで、トム・ダグラスという「料理の鉄人アメリカ版」で和の鉄人を破ったことのあるシェフの演出監修の料理も楽しめると評判で、ショーにはピエロなども出て来て、何となくシルクドソレイユを連想するのですが、日本からもリピーターがあり、チケットも即完売になる人気ぶりだそうであります。このショーレストランのビジネスをぜひ大阪に進出してやってみたいということで大変ありがたいお話だったものですから、そう簡単にはいかないかもしれませんが、先方から情報を頂戴しまして早速検討してみることにいたしました。

 ジンザーニの大阪進出を是非とも期待したいのですが、このことを通じて学ばせてもらったのは、人を楽しませる都市、人を集める都市とは何かということです。

 本当に、人の集まる所には人との出会いが生まれ、予期せぬご縁が生じ、次のステージに繋がるものであります。MICE都市とはきっとそんなものなのではないのでしょうか。

 「人が集まるから人が集まるのです。」と言ったのは、2年前に香港の展示会場で開催されていた日本のコスプレ関連のエキシビションを見て、「なぜ香港は先行して成功しているのか、つまり世界中から人が次から次へとやって来るのですか」と言う私の質問に答えてくれた香港貿易発展局のマーガレット・フォン副総裁の言葉です。

 これも一つの回答になるのではないかと思いますが、人が集まる仕掛けがあるから人が集まる。こういう循環があることで、「人が集まるから人が来る」のではないでしょうか。ズバリ、MICE都市の真髄をついているのではないかと思います。フォン副総裁は近く大阪にお越しになられると伺っておりますので、その折には当方から改めて質問させて頂き、香港と大阪の連携を深めていきたいと思っております。

20130829うめきたMICE特別セミナー(73P+8P)[完成版]_ページ_77.jpg「テアトル・シンザーニ訪問」