佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2013年(平成25年)6月11日(火)

第7回日韓商工会議所首脳会議「日本の経済情勢と展望」

 日本商工会議所副会頭を務めております大阪商工会議所会頭の 佐藤でございます。私からは、「日本の経済情勢と展望」について、説明させていただきます。

和文資料(議題1:日本の経済情勢と展望)_3_ページ_2.jpg「日本の実質GDP成長率」 日本は、経済再生に向けて、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」により、長引く円高・デフレ不況から脱却し、雇用や所得の拡大を目指しています。2013年度の経済見通しについては、こうした経済政策の推進により、着実に需要が生み出されるとともに雇用創出も見込まれ、国内需要主導で回復が進むことが期待されています。一方、先行きのリスクとしては、欧州の政府債務問題など、海外経済を巡る不確実性、為替市場の動向、電力供給の制約などがあることに留意する必要があります。









和文資料(議題1:日本の経済情勢と展望)_3_ページ_3.jpg「商工会議所早期景気観測(LOBO)調査、日銀短観、日経平均株価」 日本商工会議所が全国の商工会議所ネットワークを活用し、毎月実施している早期景気観測調査(LOBO調査)の結果をご覧いただいておりますが、今年5月の全産業合計の業況指数は、4月から悪化となりました。今年に入り、業況は、円安・株高を背景に回復基調が続いているものの、足元ではコスト増による採算悪化から、一服感が見られています。
 業種別に見ますと、製造業は、円安により持ち直しの動きを強める自動車関連や一般機械が下支えし、改善しています。一方、サービス業は、燃料費や電力料金などのコスト増に伴う収益の圧迫によりマイナス基調が続いています。











和文資料(議題1:日本の経済情勢と展望)_3_ページ_4.jpg「商工会議所早期景気観測(LOBO)調査、日銀短観、日経平均株価」 各指数の推移をご覧いただきますと、特に、仕入単価DIが6か月連続の悪化となっています。仕入価格が高止まりする中、価格転嫁が一部にとどまっていることなどから、卸売業の業況が悪化している状況です。仕入単価DIについては、円安の進行により、燃料や原材料価格が上昇・高止まりしており、今後も一段の悪化が見込まれています。