佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2012年(平成24年)10月31日(水) 関西・経営と心の会 講演

「大阪のまちづくりのあり方」

CIMG5262.JPG講演する佐藤会頭(クリックで拡大表示) 以上が論語と算盤の中で、渋沢栄一が述べている大正維新の覚悟のエッセンスであります。要約すれば、

  溌剌たる気力を発揮すると、自然に新気力が生まれてきて新しく優れた力が持てる。ここは覚悟を決めて上も下も一致団結して進んで行こう。だが、世の中は保守退嬰の風潮にある。一層の努力が必要だ。ことに、将来国を背負って立つ青年は後悔するような毎日を送ってはならない。普通より少し進んでいるような意気込みでもダメだ。それでは世の中を動かせない。大勇猛心、活力、鐵石心、進取的で剛健な気力が必要だ。意訳すると、そういうことになるのではないでしょうか。

  維新の意味がお分かりでしょうか。維新と言うと、私たちは明治維新、つまり体制の一新、いわゆる御一新を連想します。でも、渋沢栄一は世の中を変えることの必要性は唱えているが、体制一新までは言っていないのであります。

  ただ世の中を変えるには、普通より少し進んでいるような意気込みではダメで、大勇猛心、進取的剛健な気力が必要だ、と言っております。

  ここで注目すべきは、万事創造の時代と言うべき不秩序を極めた時、と言う下りであります。万事創造の時代。良い響きですね。明治維新の頃がそうだったと渋沢栄一は言っているのですが、現在、世界は混沌として不秩序の状況にあります。世界ではあらゆる分野で新しいモノが生まれております。万事創造の時代は変化の激しい現在のことでもあります。

  今回私は論語と算盤を読み返して、また新たな発見をした思いであります。万事創造の時代、この言葉を大切にしていきたいと考えている次第であります。