佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2012年(平成24年)10月1日(月) 大阪経済大学80周年記念講演

「大阪を元気にするために」

 大大阪を作った当時の大阪市長は関一ですが、大正14年の講演で次のように述べております。「我々は大大阪の面積の広さや人口の多きことを誇るべきではない。この自由にて進取的な企業精神を活動せしめる根拠地として大大阪を完成すべきである。この大方針をもって進むならば、大大阪の将来は祝福すべきものになる」と述べております。

 幸い、大阪には進取の気性に溢れた中小企業が沢山あります。モノづくりの生産拠点を勇躍、海外に求めているところもあれば、大阪・関西の地にこだわる事業家もあり、企業精神発露の場は自由闊達ですが、企業精神を活動せしめる根拠地としての大阪に愛着のある人ばかりであります。

 私は会頭就任以来100を越える企業、事務所、商店街など訪問しましたが、伺うたびに、新たな挑戦、新たな試みをして困難を打開している姿に感動いたします。大大阪の時代の精神はDNAとして引き継がれており、関一が言ったように、「自由で進取的な企業精神が活動する根拠地」としての大阪を作り上げることに、行政も経済界も一致して取り組むべきだと考えます。自助努力には報いる、その基本理念の共有こそが最も大切であります。額に汗して働く人が報われることでなくてはなりません。