概要

□ 日　時：２０１４年１０月２日（木）　１１：３０－１３：１５
□ 場　所：ヒルトンホテル大阪　１０階　京都の間
□ 来訪者：ジェイク・セフォリア　ユナイテッド航空アジア太平洋・大西洋地区　営業担当副社長
　　　　　 マット・ミラー　ユナイテッド航空太平洋地区営業担当支社長
　　　　　 高橋 亨　　　　ユナイテッド航空日本地区営業担当支社長
　　　　　 高橋光徳　　　ユナイテッド航空日本地区リージョナル営業統括営業本部長
□ ゲスト：アレン・グリーンバーグ　駐大阪・神戸米国総領事館　総領事
　　　　 　ヘレン・ファン　駐大阪・神戸総領事館　首席商務領事
□ 応対者：佐藤　茂雄　大阪商工会議所会頭　（関空全体構想促進協議会副会長）
　　　　　 井上　幸浩　大阪府政策企画部戦略事業室長
　　　　　 亘　信二　関西経済連合会 関空担当委員長
　　　　　 住田　弘之　新関西国際空港株式会社　執行役員
　　　　　 小関　貴裕　新関西国際空港株式会社　部長

　10月2日(木）に開催された米国ユナイテッド航空幹部との懇談会では、同社が運航する北米路線の拡充に焦点を当てて意見交換が行われた。席上、佐藤会頭は長年にわたるユナイテッド航空による関西-北米間の定期便運航に深く謝意を表した上で、「日本航空によるロサンゼルス便が来年3月から8年ぶりに再開が決まったが、一方で9月末にチャイナエアラインのニューヨーク路線が廃止となった。現在は貴社のサンフランシスコ路線のみとなり、米国中西部や東海岸へのアクセスが非常に不便な状況にある。そこで貴社の休止となっているシカゴ便の復便をぜひお願いしたい。特に大阪はシカゴと繋がりが深く、関西に本社や拠点を置く多くの企業が中西部に進出しており、電機や機械、化学、医薬品など分野も様々だ。一方、関西は5つの世界遺産があるほか、京都、奈良なども近いので、ぜひ米国の観光客には関空に降り立って頂き、当地から足を延ばして関西で観光してほしいと願っている。折しも2020年には東京五輪、その前後の2019年にラグビーワールドカップ、2021年にはワールドマスタ－ズゲームが続けて開催される予定であり、米国からのツーリストも確実に増えるであろう。こうした流れをとらえて、日本政府では我が国への海外観光客を2,000～3,000万人まで増やそうと計画しているが、今のままの観光行政では需要に応えるのが難しいとも感じている。この機会に受入れ体制など観光行政は如何にあるべきか、率直な意見を伺いたい。」と述べた。

　また同席したアレン・グリーンバーグ駐大阪・神戸米国総領事館総領事は、「近年、関空と北米を結ぶ航空路線が先細ってきたことは良く承知している。ただ佐藤会頭からもご指摘のあったように大阪は第２の経済圏であり、関西に本社を置く多くの日本企業や中西部やテキサスなど南部にも進出している。日本からビジネスで米国に渡航する人も多く、その数はここ数年減っていないのも事実だ。こうしたことをぜひ付け加えたい。」と語った。

　これに対してジェイク・セフォリア米国ユナイテッド航空アジア太平洋・大西洋地区営業担当副社長は、「(サンフランシスコ路線は)収益もあがっており、これからも関西地域と北米を結ぶ路線を継続運航していくことは間違いない。さらに今回の訪問では新関西国際空港株式会社の方とも大変有意義な意見交換の機会を持つことができた。来週、本社（シカゴ）で運航ネットワークについて議論する機会があるので、シカゴ線復便についてのご提案を検討してみたい。課題は円レートが我々にとってマイナスにふれていることだ。（円安になると日本からの利益が減るリスクがある）この問題が今後収益にどのように影響するのかを見極めたい。また日本の行政が海外からの観光客誘致に支援を行うのは良いことであり、我々運輸業者にとって恩恵をもたらすことは間違いない。ただ日本では空港をはじめ鉄道など各地での英語標記が十分ではなく、またATMも不十分だ。日本はアメリカ人にとって親しみやすさに欠けると感じることも事実だ。これはシステムの問題である」と貴重な意見を述べた。

　今回の懇談会は、地元の自治体、経済界などで組織する「関西国際空港全体促進協議会」の構成メンバーと懇談する形式で実施された。佐藤会頭は同協議会の副会長を務めており、就航ネットワーク拡充のためのエアポートプロモーションなど関西国際空港を全面的に支援している。