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平成15年度 大阪商工会議所 事業計画

■基本的な考え方

より強い経済団体を創り、大阪の未来を拓く

●新生・大阪商工会議所のスタート

 大阪商工会議所と社団法人大阪工業会は、平成15年4月1日からの統合と支部の再編・強化によるエリア・チェンバー化などを契機として、“より強い経済団体を創り、大阪の未来を拓く”、『新生・大阪商工会議所』として新しく生まれ変わった。
 現在、デフレ不況が深刻化するなか、大阪・関西経済は、倒産・廃業の増加、失業率の悪化などに加えて、本社機能の東京集中や中国への生産拠点移転など産業の空洞化の進展により、極めて厳しい状況にある。
 こうした難局を乗り越え、大阪・関西経済の再生を図るため、新産業・新事業を生み出して産業構造の転換を推し進めるとともに、大阪・関西経済を支える中堅・中小企業の活性化を促していく。

〈平成15年度事業展開の方針〉
1 『統合基本プラン』にある新団体の使命と事業の柱に沿った各種事業を企画・展開する。
2 “より会員に近く、より多くの会員に”をモットーに会員第一の視点に立って事業を実施する。
3 主な事業は、いずれかの委員会・部会が担当し、会員企業と事務局の相互連携を強める。

●統合プランに沿った事業展開
 新生・大商は、『統合基本プラン』にうたっている新団体の使命([1]民主導の活力ある経済社会と都市魅力にあふれた大阪・関西の実現、[2]大阪・関西の産業構造の転換と国際競争力の向上の先導、[3]会員企業の経営革新とビジネス機会の創造への寄与)を果たすため、事業展開の柱([1]政策提言力の強化と実行力に向けた取り組み、[2]戦略的・創造的な事業の推進に向けた取り組み、[3]経営革新の支援とビジネス交流の拡充に向けた取り組み)に沿った事業を積極的に展開する。

●支部の再編と機能・事業拡大
 支部の再編成と機能強化を柱とするエリア・チェンバー化の展開に伴い、“より会員に近く、より多くの会員に”をモットーに、より利便性の高い場所に支部を移転・拡充するとともに、各支部においても、時代の要請や会員のニーズに即した各種の事業をタイムリーに実施するなど、会員のビジネスチャンスの拡大や経営革新に資する活動を強化する。

●会員との相互連携と事業推進
 主な事業については、いずれかの委員会・部会が担当することとし、役員・会員企業と事務局との相互連携を強化する。また、大阪工業会のモノづくりに機軸を置いた特徴ある事業と融合・発展させるなど統合による相乗効果を発揮して、これまで以上に政策提言力の強化と戦略的な事業推進を図る。

●経済団体の新モデルへの変革
 以上の考え方に基づき、大阪・関西経済の発展と会員満足に資する事業を一段と積極的に展開するとともに、事業・組織の見直し、リストラクチャリングと徹底した効率化を図り、全国の経済団体の新たなモデルを目指した変革を遂げて“大阪の未来を拓く”先導役を果たす。


■事業の柱と重点項目  


1:民主導の活力ある経済社会と都市魅力にあふれた大阪・関西の実現

政策提言力の強化と実行力の発揮
1 構造改革の加速、一刻も早い景気回復、企業の経営環境整備に資するため、都市再生プロジェクトや中小企業対策の充実を求めるとともに、税制、行財政の改革や企業金融、知的財産権等、法制面での改善等に関する調査研究を進め、国・自治体等に対するタイムリーな提言・要望を一層強化する。
2 特に、大阪府・大阪市等に対しては、港湾行政の効率化をはじめ、地方行財政の改革や観光振興・集客機能強化策の抜本的な取り組みにつき、個別・具体的な提言・要望を行う。
3 提言・要望の実現力を強化するため、政府・自治体トップや幹部のみならず、議員レベルでの政策対話も積極的に展開する。
   
大阪の都市活性化と集客機能の強化
1 梅田北ヤードの再開発や御堂筋活性化など都心部再生に向けた取り組みを特に強化する。
2 関西国際空港の2期事業推進とエアポートプロモーション活動を大阪・関西一体となって推進する。
3 大阪の集客機能向上と観光関連産業の育成・振興に資する具体策を検討・実施するとともに、映画ロケ誘致活動の推進をはじめ、映像産業の育成や食文化の発信などに資する具体的事業を展開する。
4 大阪経済の活性化に寄与した企業・個人などを表彰する「大阪活力グランプリ」を継続実施するほか、定期借家権を活用した大阪の不動産市況の活性化に資する事業を検討する。
   
魅力ある街づくりと商業の振興
1 魅力ある街づくりを推進する観点から、大阪市内の中心部を流れる河川沿いに遊歩道やデッキなどを整備する「水都・大阪プロジェクト」に積極的に参画するとともに、「大規模小売店舗立地法(大店立地法)」の見直しや街づくりの推進に向けた研究を行う。
2 「あきない楽市」等の商業振興イベントの開催のみならず、新しい商業・街づくりの振興に向けて取り組む各種団体やNPOとの連携も強め、地域商業の再生のため、多面的な取り組みを支援する。
   
企業が求める人づくりへの取り組み
1 わが国産業の将来を支える人材育成の推進方策や学校教育のあり方等について、行政や教育界への政策提言活動を行う。
2 製造業やIT関連産業の技術者育成や技術の高度化に資する研修事業を実施する。
3 企業の事業活動や経営に貢献できる人材を育成するため、多彩な講座・講習会の開催、各種検定試験の実施に加え、会員企業の優良社員の表彰事業を行う。
4 経営革新を志す経営者同士の研鑚の場を設けるとともに、「大阪企業家ミュージアム」の事業活動を通じて、ベンチャー精神溢れる若手経営者の育成や児童・生徒の企業家精神の涵養を図る。

2.大阪・関西の産業構造の転換と国際競争力の向上を先導

バイオ関連の先端産業の振興
1 21世紀の成長産業であるバイオ産業の戦略的育成と、バイオ関連の集積が高い大阪の強みを活かした国際的拠点形成を先導する。
2 既存製造業の技術をバイオ分野・先端医療分野で活かす「バイオ・先端医療機器産業化フォーラム」を新たに開催するほか、「バイオビジネスコンペJAPAN」を引き続き開催し、大阪における先進的なバイオ・ベンチャーの創出を目指す。
3 大阪・関西地域全体のバイオ関連振興策を企画・検討する「関西バイオ推進会議」の運営を司るとともに、域内の大学・研究関連施設等を連結する「バイオ情報ハイウェイ構想」の実現を図る。
   
次世代産業の育成や新市場・新商品の創造
1 バイオ産業に次ぐ新たな戦略的産業と新規市場を創出するため、製造業からサービス業に至る広範な業種・企業の連携を進めるとともに、機能性食品の開発や「アクティブ・シニア市場」の創出プロジェクトを推進する。
2 次代を担う新製品や新商品の開発を促進するため、新たに「ユニバーサルデザイン商品開発セミナー」などを開催する。
   
産業・技術力の強化と産官学連携の推進
1 技術開発を促進するため、「テーマ主導型・この指とまれ方式」や「モノづくり伴走ネットワーク」など大阪工業会の強みである事業を融合・発展させる。
2 「モノづくり推進連携ネットワーク」や「関西モノづくり会議」などの開催により、広域的な連携活動等による製造業の再生やモノづくり振興、技術力向上を支援する。
3 大学・研究機関等の研究成果の事業化を推進するため、産官学の連携事業や共同研究プロジェクト等を一層推進するとともに、在阪の道県大阪事務所との連携を強化する。
   
ベンチャー・ビジネスや起業家の育成
1 大阪・関西地域におけるIT関連産業の育成と先進的なビジネス・シーズの発掘を推進するため、「情報家電&ウェブ・携帯ビジネス振興フォーラム」を引き続き開催し、関連分野におけるベンチャー・ビジネスの振興と新規事業の立ち上げを積極的に支援する。
2 ベンチャー・ビジネスや新規事業の担い手となる若手経営者の育成等を主眼として、「大商ベンチャークラブ(仮称)」の新設や「大商起業家発見塾」の継続開催を行う。
   
環境問題への取り組み支援
1 環境調和型社会の実現に向けて、大阪工業会の「環境問題研究会」や「環境3分科会」の活動を継続・発展させるほか、企業ニーズを反映した政策提言を検討するとともに、産官学関係者が集う「環境行政懇談会」の開催などを通して、企業における環境問題への対応を支援する。
2 環境に対応した企業経営に資するため、「ISO14001認証取得支援事業」や「環境マネジメントシステム研修会」を開催するほか、新たに「環境ビジネス研究会」を設けて、環境関連の新規ビジネスの開発を支援する。
   
中小企業のIT化支援
1 「ザ・ビジネスモール」の運営拡大をはじめ、各種電子取引市場やビジネス支援サイトを充実させ、インターネットを活用した企業情報の提供や企業間取引を拡大する。
2 会員企業の情報化推進サポート事業や「大商VAN」など各種のIT化活用事業を拡充するとともに、急速に広がる入札時の電子認証制度に対応したサービスの導入や企業のプライバシーマーク等の取得を支援する情報セキュリティ関連事業を展開する。
3 とりわけ小規模企業など地域商工業者のIT化を一層促進するため、パソコン研修やホームページ作成支援、会計等、汎用ソフト利用促進に加え、ITコーディネータの派遣事業も引き続き実施する。
 
国際ビジネス交流の促進を通じた経済活性化
1 サイバーG−BOC、バーチャル商談会や国別・テーマ別の個別商談会などをきめ細かく実施することにより、内外のビジネス取引と交流拡大を支援する。
2 会員企業に対する海外投資環境やビジネス関連情報の提供を活発に行うとともに、「中国ビジネス支援室(仮称)」を設置するなど、とりわけ中国・韓国・台湾等、東アジアとのビジネス交流を推進する。
3 「大阪外国企業誘致センター(O−BIC)」の活動を通じて、官民一体となった大阪・関西地域への外国企業・機関の誘致を進める。
4 バイオ・IT関連分野をはじめとする新たなベンチャー・ビジネスの発掘・育成を図るため、「グローバル・ベンチャー・フォーラム(GVF)03」を開催し、内外の関連企業・団体同士のビジネス・シーズの商談やマッチングなどを行い、新たな事業化を支援する。
5 大阪におけるバイオ産業の一層の発展を図るため、欧米の大学や研究・振興機関とのバイオ連携・協力事業を推進するとともに、海外のバイオ関連団体・企業との連携促進や情報交換を目的とする、実務家ミッションを派遣する。
6 欧米におけるIT関連ビジネスの最新動向を探るため、在阪の学識者や専門家、企業関係者などで構成する、「欧州テレコム視察団」を派遣する。

3.中小企業から大企業にわたる会員企業の経営革新とビジネス機会に寄与


エリア・チェンバー化と事業の地域展開
1 17支部を10支部に再編・統合することに伴い、各支部を利便性の高い場所に移転・拡充するとともに、「大商コンソーシア」、「あきない楽市」や各種のビジネス交流会等、様々な事業を各支部でも開催し、支部の機能を地域商工業者の経営革新・交流拠点として強化する。
2 支部においては、地域商工業者に密着した創業・経営革新支援、個別経営相談業務および経営改善講習会の開催など積極的な経営改善普及事業を展開する。また、新支部のお披露目をかねた開設記念事業を全支部で開催するほか、中小企業の経営革新に資する多彩な研修・セミナーを企画・開催するとともに参加者の利便性を考慮して各種会合の夜間・休日開催を拡大する。
3 会員企業と本所役員等との懇談会や本所の提言・要望活動説明会なども積極的に支部で開催するなど、より多くの会員とのコミュニケーションを進める。
   
「ビジネス・ホームドクター」実現に向けた取り組み
1 あらゆる経営相談に的確に対応できるよう、弁護士、弁理士、税理士、中小企業診断士、社会保険労務士等、専門知識を有するアドバイザーとの連携を強め、法律、税務、人事労務、技術、IT、M&Aなど幅広い経営課題に応じたワンストップ相談サービス機能を充実する。
2 「小企業等経営改善資金融資(マルケイ融資)」の推薦をはじめ、各分野の専門家を企業へ一定期間派遣するエキスパート・バンク事業や企業から人事労務関連業務をアウトソーシング受託する事業など、地域商工業者の経営支援に資する事業を一層強化する。
3 「企業間取引における裁判外紛争解決手段(ADR)」を整えるとともに、本部での経営・取引相談機能を強化する。
   
企業同士のビジネス交流の促進
1 「いきいきおおさか 中小企業フェスタ」をはじめ、「大商コンソーシア」や「調達見本市」等の開催を通じて、中小企業から大企業にわたる企業間の取引を促進する。
2 「大商交流パーティ」や「月例ビジネス交流会」などの実施により、会員相互の事業連携やビジネスネットワークの更なる拡大を支援する。
   
会員相互の研修・研鑚機会の拡充
1 大阪工業会で好評を博してきた各種研究会・懇話会、「定例朝食懇談会」等を継承・発展させるとともに、「定例見学会」や「モノづくりの現場を訪ねて」等、工場・企業施設見学の機会を定期的に設ける。
2 「法律懇話会」等、経営課題や時代のテーマに沿った、グループ制講習会を数多く新設し、相互研鑚・研修の場を通じた会員企業同士の異業種交流やビジネスネットワークの拡大を促進する。
   
雇用支援・人材の確保・活用に向けた取り組み
1 採用支援サイト、就職コーディネイト事業等の若年者向け就職支援事業をスタートさせ、大阪地区における雇用促進を支援する。
2 人材斡旋支援システム「人材わくわくネット」の新設や「大商人材情報プラザ」の運営強化など企業に対する人材の紹介・斡旋事業を充実する。
   
会員ベネフィット事業の拡充
1 マスメリットを生かした会員ベネフィット事業として、各種の共済制度、がん保険、PL団体保険等の普及や商工会議所「CLUB CCI」等、福利厚生事業、健康管理事業などを積極的に展開する。
2 企業経営をサポートする観点から、「大商401kプラン」の創設をはじめ、「グループ取引信用保険」や「OCCIカード(仮称)」事業などを新たに検討・実施する。

4.新生・大商に向けた改革と新たな運営モデルの創造

情報の受発信機能の強化
1 紙面・内容・構成を一新した「大商ニュース」を4月から発行するとともに、大商ホームページの刷新やメールマガジンの充実等、会員等への情報提供・発信機能を強化する。
2 新たに「e‐提案箱」を設け、本所事業運営やサービス活動に関する会員企業の意見を取り入れる仕組みを構築し、会員企業の声やニーズを事業活動に反映させる。
3 正副会頭のみならず、部会長、委員長、支部長自らが、国・地元の行政当局と対話を進めるとともに、報道機関との懇談会や記者会見を積極的に行い、本所の事業活動や要望・提言の内容をひろく周知・PRする。
4 会員の代表である議員会社を対象に、本所事業に関する説明や意見交換の機会を定期的に設ける。
   
組織・運営体制の改革推進
1 委員会は、本所の主要事業活動や使命を遂行する担い手と位置付け、その役割を「政策提言」と「事業推進」とする運営改革を推進する。
2 主な事業は、いずれかの委員会・部会が担当するとともに、事務局と委員会・部会との連携を強め、会員ニーズに即し、会員企業の経営に役立つ諸事業を積極的に企画・実施する。
3 本所組織基盤の拡大・強化を図るため、会員増強運動を引き続き展開するとともに、大商議員制度や議員選挙・選任方法のあり方等を改めて検討する場を設ける。
   
事務局の運営改革
1 “会員第一”の視点に立ち、会員企業との双方向コミュニケーションを促進するため、事務局による「1万会員訪問計画」を実施し、会員のニーズや経営課題を事業に反映する。
2 会員ニーズが事業に反映できるよう「会員データ管理システム」を改善する。また、あらゆる事業を費用対効果や意義等に照らして評価する新・事業評価システムを確立するとともに、事業ごとの予算・収支管理を徹底するための新しい収支管理システムを運用開始させる。
3 中小企業の情報化支援を目的に昭和46年に開設されて以来、30年を経過した「経営情報センター」の運営方法やあり方を再検討し、より一層効果的で効率的な運営体制に向けた見直しを行う。
4 「経営相談室」と「商工図書館」の機能を統合し、企業経営全般に関する相談機能とマーケティング関連情報提供サービスを一層強化する。

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2004.4.15更新
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