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平成11年度事業計画
大阪商工会議所
基本的な考え方

わが国経済は今、深刻な不況が続き、戦後の発展を支えてきた各種システムも 随所で破綻を来すなど、大きな試練に見舞われている。また、グローバル化、高 度情報化、少子高齢化、地球環境問題の高まりという時代潮流への本格的対応と いった面でも遅れが目立っている。何よりも、官民あげて景気を早期に回復軌道 に乗せるとともに、自立、自助、自己責任の原則に立った新しい経済社会の創造 に向けて構造改革を着実に進めることが肝要である。
 大阪は、内外における企業間、都市間、地域間の競争が一段と激化する中で、 産業活力の再生・創造に努めるとともに、関西国際空港第二期事業をはじめとし た交流基幹施設の整備や国際的なイベントやコンベンションの誘致・開催、さら には計画的な都市再開発事業の展開を進めるなど、都市としての活力、魅力の増 進をはかることが重要である。そして、大阪を人・物・情報が行き交う交流の舞 台としてだけでなく、さらに一歩進めて新たなビジネスチャンス、産業、文化な どを生み出す創造の舞台とするためソフト面を中心に一層の工夫を凝らし、21 世紀における自立的発展への基盤を固めていかなければならない。
 こうした中にあって、本会議所は、『交流から創造へ』をキーワードとして、 産業の振興と地域社会の発展という設立の原点に立ち返って、企業、とりわけ新 事業の展開や経営の革新に取り組む中小企業への支援、まちづくり事業への参画、 オピニオン・リーダーとしての特色ある提言活動に努めるなど、「中小企業が共 存共栄できる地域づくり」に全力を傾注する。その際、より多くの企業の会議所 活動への積極的参加を促しつつ、具体的、実践的な取り組みを強めて「行動する 商工会議所」としての実績を高め、組織基盤の強化をはかっていく。

重点事業

I.景気浮揚、各種改革の促進

不況克服と雇用維持に向けた実効ある対策の機動的実施や中小企業金融の円滑 化をはじめとした中小企業政策の強化を求めるとともに、わが国の活力再生を目 指して経済構造、税制、社会保障制度などの各種改革や地方分権の実現を促す。

II.産業活力の再生・創造の推進


(中小企業の自助努力への支援)
 産業の基軸である製造業の技術力向上に資するため、産官学の「技術移転・事 業化促進フェア」や「大商技術交流クラブ」をスタートさせるほか、中小企業の 要請に応じて専門家を派遣する「エキスパートバンク」事業を実施する。また、 新分野進出や新製品開発を支援するために「非公開企業のM&A市場」の周知と 京都、神戸など主要商工会議所との共同運営に努めるとともに、展示商談会「中小企業フェスタ」の開催や異業種交流事業を行う。  
  環境問題への取り組みを促進するため、ISO14001の認証取得に向けた コンサルティングやセミナーを行うほか、プラスチック・リサイクルシステムの 事業化を検討する。また、引き続きコンピュータ西暦2000年問題の啓発に努 めるとともに、情報化の進展やマルチメディアの普及に対応出来るよう「大商VAN」の利用者の拡大、「インターネット活用事業」の拡充、「バーチャル・イ ンキュベータ事業」の本格化などに取り組む。
 中小企業の国際化を支援するため、恒例の「世界ビジネス・コンベンション( G−BOC99)」を開催するとともに、国内外の優れた中小製造業を一堂に集 めて製品・部品調達を促すための商談会「グローバル・エクセレント・プロダク ツ・フェア」を併催する。また、アジア経済の低迷やユーロのスタートなど国際 環境が大きく変化する中で、東南アジア、ヨーロッパなどに経済使節団を派遣し て実情を探るとともに、国際投資交流特別委員会の下で「在阪企業の国際化戦略 に関する研究」を進める。さらに、日本企業への就職を希望する留学生と会員と の交流事業を実施する。一方、デザイン、ファッションの振興のため「アジア・ ファッション・フォーラム」を開くほか、「大阪コレクション」の開催などに協力する。
 人材の確保、流動化に資するため、「大商就職フェア」や「人材情報交流会」 を開催するとともに、「人材情報プラザ」を通じて求人・求職情報のマッチングを進め、人材の橋渡しを行う。また、人材育成の一助として、経営実務セミナー の開催など研修事業を幅広く実施すると同時に、技能検定試験を行う。  
  さらに、小規模企業の経営安定に資するため、小企業等経営改善資金融資(マルケイ融資)の推薦など経営改善普及事業の推進に努める。

(起業、新産業創出の支援)  
  新たな産業活力の担い手である新規企業やベンチャービジネスの育成、支援に 向けて、「新規開業支援サービスセンター」や近畿商工会議所連合会が一体的に 運営する「ベンチャービジネス支援センター」の一層の利用促進に努めるとともに、国内外のハイテク・ベンチャー企業によるビジネスプラン発表会「グローバ ル・ベンチャー・フォーラム」の開催などを通じ、ベンチャー企業の販路開拓、 資金調達、技術開発などに資する。  
  また、新産業の振興を目指して、福祉分野の新製品や新サービスのプレゼンテ ーションと商談の場を提供する「福祉産業フォーラム」を開催するほか、200 1年にオープンするユニバーサル・スタジオ・ジャパンを視野に入れて大阪における映像産業の振興策を検討する。

(大阪企業家ミュージアムの開設準備・パイロット事業の実施)  
  大阪が育んできた企業家精神の高揚と人材の開発育成を狙いとした「大阪企業家ミュージアム」を2000年秋に開設するため、展示計画の策定や設計を行う ほか、映像などコンテンツの制作を始める。また、現役の企業家と若者との交流 を促すためのパイロット事業を実施する。


III.都市再構築への取り組み


(集客・交流機能の強化)  
  人、物、情報の交流基盤施設として、引き続き関西国際空港第二期事業を推進 するとともに、2000年にオープンする大阪国際会議場へのコンベンションな どの誘致に協力する。また、2008年オリンピックの大阪招致に向けて官民あ げての取り組みを展開していく。   さらに、観光振興に資するため、本会議所が策定した観光振興アクション・プ ログラムの具体化をはかり、大阪の魅力的な情景を世界に紹介するとともに、各 支部が掘り起こした名所、旧蹟、商業集積などの観光コース化、工場見学を中心 とした産業観光の企画、外国ゆかりの地の発掘など新しい観光の魅力を創造する。 あわせて、大阪における国内外の映画、テレビ番組、コマーシャル・フィルムの 撮影(ロケ)を促し、映像を通じた大阪の知名度と集客力の向上、ならびに関連 文化産業の振興に努める。

(まちづくり事業への参画)
 中心市街地の活性化を促すため、中小商業者へのまちづくり新法の解説・PR、 活性化に成功している商店街の事例紹介、さらにはまちづくり事業に対する提言 活動などに努める。あわせて、大阪における社会資本整備のあり方についてその 整備手法も含めて検討する。
 一方、企業、市民の自主的なまちづくり組織であるアメニティ・ソサエティの 新規設立と既存組織の活性化を促し、地域コミュニティ活動を支援する。

(外国企業などの立地促進)
 海外訪問の機会に大阪、関西のビジネス環境などをPRしてもらう「大商ビジ ネス・アンバサダー」制度を実施するほか、東南アジア、欧州などへのミッショ ン派遣の際にも大阪、関西のプロモーションを行う。
 また、大阪、関西に進出を目指す海外企業や政府関係機関に対する各種ビジネ ス情報の提供と支援サービスを強化するため、大阪商工会議所ビジネス・インフ ォメーション・センターを「大阪ビジネス・インフォメーション・センター(O −BIC)」と改称し、登録情報を大阪府、大阪市、JETROとも共有化して、 幅広い活用を図る。  
 さらに「関西」を世界に売り込むための「シンボルマーク」の製作、普及活動を支援する。


「.会員向けサービス事業の強化

(各種情報の発信・提供)
 会員企業への情報提供サービスを強化するため、「大商ニュース」「チェンバ ー」の内容充実に努めるとともに、「大阪の標準者モデル賃金調査」など各種調 査資料を作成する。また、インターネットを通じて「大商ホームページ」に掲載するビジネス情報を拡充するほか、商工図書館の活用を促進する。さらに、月例会員講演会や各種講演会、セミナーを活発に開催し、情報の提供に努める。

(福利厚生サービスなどの充実)
  会員企業の福利厚生に資するため、生命共済、個人年金共済、特定退職金共済、 所得補償共済、中小企業倒産防止共済ならびに中小企業PL保険、がん保険など の各共済制度への加入の促進に努める。また、定期健康診断や人間ドックなどの健康関連サービス事業、旅行関連サービス事業の利用を呼びかける。

(会員交流の促進)
 会員の積極的な参画による部会運営の活発化に努めるほか、引き続き「新入会 員の集い」を実施し、会員企業相互の交流を促す。

事業項目 (※は新規事業)

.景気浮揚、各種改革の促進

 
 ・景気対策、雇用対策など経済運営に関する調査・要望  
 ・中小企業金融の円滑化など中小企業対策に関する調査・要望  
 ・経済構造、税制、社会保障制度の改革、地方分権の促進に関する調査・要望

.産業活力の再生・創造の推進


1.中小企業の自助努力への支援

(1)技術力の向上

  • 技術移転・ 事業化促進フェアの開催(※)
  • 大商技術交流クラブの開設(※)
  • エキスパートバンクの運営

(2)新分野進出、新製品開発への取り組み支援  

  • 非公開企業のM&A市場の運営
  • 中小企業フェスタの開催
  • 異業種交流の実施

(3)環境問題への対応

  • 中堅・中小企業向けISO14001認証取得支援事業の実施
  • 環境JISシリーズセミナーの開催
  • プラスチック・リサイクルシステム事業化の検討

(4)情報化の推進

  • コンピュータ西暦2000年問題への対応  
  • 大商VANの拡充
  • インターネット活用事業の展開
  • マルチメディア産業振興のためのバーチャル・インキュベータ事業の実施

(5)国際化の推進  

  • 世界ビジネス・コンベンション(G−BOC99)、グローバル・エクセレント・プロダクツ・フェアの開催(※)  
  • 東南アジア経済使節団、ヨーロッパ経済視察団などの派遣  
  • 在阪企業の国際化戦略に関する研究(※)  
  • 留学生と企業との交流事業の実施

(6)デザイン、ファッションの振興  

  • アジア・ファッション・フォーラムの開催
  • 大阪コレクション開催への協力  
  • 国際デザインフェスティバル開催への協力

(7)人材の確保、育成  

  • 大商就職フェアの開催  
  • 人材情報交流会の開催  
  • 人材情報プラザの運営  
  • 転職支援事業の実施(※)  
  • 「経営の心探究会」(※)ほか各種セミナー、研修の実施  
  • 各種技能検定試験の実施
(8)小企業等に対する経営指導・金融斡旋
  • 小企業等経営改善資金融資(マルケイ融資)の推薦  
  • 経営相談・経営改善講習会の充実
  • 中小企業倒産防止相談の実施

2.起業、新産業創出の支援
(1)起業支援

  • 新規開業支援サービスセンターの運営

(2)ベンチャービジネスの育成

  • グローバル・ベンチャー・フォーラムの開催
  • ベンチャービジネス支援センターの運営

(3)新産業の振興

  • 福祉産業フォーラムの開催
  • 映像産業育成策の検討(※)
3.大阪企業家ミュージアムの開設準備・パイロット事業の実施

。.都市再構築への取り組み

1.集客・交流機能の強化
(1)基盤施設の整備・運営支援
  • 関西国際空港第二期事業の推進
  • 大阪国際会議場運営への協力

(2)国際イベント・コンベンションの誘致

  • 主要国首脳会議(サミット)の誘致
  • 2008年オリンピックの大阪招致

(3)観光・文化の振興

  • 観光振興アクション・プログラムの具体化
  • ロケ誘致への取り組み(※)

(4)各地との交流の促進

  • 環瀬戸内圏交流推進会議による環境ビジネス情報発信事業の実施(※)
  • 京阪神3商工会議所懇談会の開催

2.まちづくり事業への参画
(1)都心の活性化の促進

  • まちづくり新法を活用したまちづくりの促進(※)
  • 商店街活性化事例研究の実施
  • 大阪における社会資本整備のあり方に関する調査研究の実施(※)

(2)地域コミュニティ活動の支援

  • アメニティ・ソサエティの新規設立

3.外国企業などの立地促進
(1)プロモーションの展開

  • 大商ビジネス・アンバサダー制度の実施
  • 大阪対外ビジネスプロモーション協議会の運営
  • 「関西のシンボルマーク」の製作、普及活動の支援(※)

(2)情報提供体制の強化

  • 大阪ビジネス・インフォメーション・センター(O−BIC)の充実

「.会員向けサービス事業の強化


1.各種情報の発信・提供

(1)機関紙(誌)の発行、各種調査資料の作成

  • 機関紙「大商ニュース」(旬刊)、機関誌「チェンバー」(季刊)の発刊
  • 大阪の標準者モデル賃金調査など各種調査資料の作成

(2)大商ホームページの拡充、商工図書館の運営充実

(3)月例会員講演会、各種講演会、セミナーの開催

2.福利厚生サービスなどの充実
(1)各種共済制度の実施

  • 生命共済、個人年金共済、特定退職金共済、所得補償共済、中小企業倒産防止共済制度の普及、ならびに中小企業PL保険、がん保険の普及

(2)健康関連・旅行関連サービス事業の充実

3.会員交流の促進
(1)部会活動の展開

(2) 新入会員の集いの開催

4.議員選挙の施行


2003.4.1更新
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