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W.人材の創造育成

大阪企業家ミュージアムの開設、運営

・大阪企業家ミュージアムの開設、運営
 大阪を舞台に活躍した数多くの企業家たちの高い志、勇気、英知などの紹介を通じ、企業家精神の高揚、次代を切り拓く人づくりをめざす「大阪企業家ミュージアム」を6月5日に開設した。この施設は、本会議所120周年記念事業として、かねてから開設準備を進めていたものである。開設当日は、田代会頭、中嶋近畿経済産業局長、太田大阪府知事、磯村大阪市長をはじめ、関係者約200人が出席し、開設記念式典を行った。
 本ミュージアムは、(1)大阪の企業家精神のルーツを映像で紹介する「プロローグシアター」、(2)大阪を舞台に活躍した企業家105人をパネルやゆかりの展示品で紹介する「主展示−企業家たちのチャレンジとイノベーション−」、(3)企業家の事績をパソコンで検索できる「企業家デジタルアーカイブ」、(4)企業家にインタビューを行い、自らが事業にかけた思いをビデオに収録したものを視聴できる「関西企業家映像ライブラリー」、(5)企業家に関する伝記や社史を収録した「企業家ライブラリー」、(6)企画展示・セミナーを開催する会議室等で構成されている。
 本年度の来館者数は9,450人で、経営幹部等企業関係者、行政関係者、教育関係者、中・高・大学生などに研修や団体見学等で幅広く利用されている。また、来館者によりきめ細かい対応をするため、約30人のサポートスタッフ(ボランティア)を募り、来館者への展示解説、展示内容の作成の補助、広報などに1日あたりほぼ3人が活動するローテーションで取り組んでもらっている。

・人材開発事業の実施
 本ミュージアムは、企業家精神あふれる人材の育成を目的に、展示だけでなく、小中高校生から大学生、社会人まで各年代別に、幅広く人材開発事業を実施した。
 起業家育成講座「大商ベンチャースクール」は、起業をめざす人、企業内新規事業開発担当者、中堅・中小企業経営者あるいは後継者など25人が受講、日常業務に直結した講義内容として好評であった。また受講生からは新会社を設立し、将来株式公開をめざすケースも出た。
 既存企業の再活性化をめざす「第二創業塾」では、バイオをテーマに参加者が新規事業を模索、2社が研究者との共同研究を行うなど事業化にむけた取り組みを始めた。
 大学生の仕事観・就職観を養う「仕事を考える」セミナーは計18回開催し、延べ338人が参加した。少人数で本音の話、具体的な話が聞けるとあって、関西圏の42大学から参加があった。
 また、大阪府・大阪市の両教育委員会と連携し、学校の授業の一環として、小中高校生を対象にした起業家教育に取り組んだ。このうち小学生の出店体験事業「キッズ・マート」は実施校が、昨年度の5校から14校へと大幅に増加した。各学校は、仕入れ、値付け、広告宣伝、販売、収支計算、利益処分など一連の出店活動を授業カリキュラムに組み込んだ形で実施し、児童の自ら考え行動する「生きる力」を育んだ。さらに、地元商店街等の協力を得ながら実施するキッズ・マートは、地域としての教育力について考える機会を提供した。このほか高校生のインターンシップや教員の企業派遣研修、社会人特別講師の学校への派遣などの事業を実施した。

2003.4.1更新
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