・記帳継続指導の実施
小規模事業者の自立化を促すため、本年度は記帳専任職員5人と記帳指導員32人あわせて37人が市内955事業所に対して、延べ4,185回(1事業所平均4.4回)にわたり、記帳の仕方を指導した。
事業所を訪問してきめ細かい指導を行うとともに、確定申告期には近畿税理士会の協力を得て、17支部で合計77日、668件の確定申告相談に応じた。
・経営安定特別相談事業の実施
中小企業の倒産防止のため、商工調停士の有光聿郎氏、和田亮介氏を中心に特別相談事業を実施し、14社相談があった。また、経営安定セミナーを2回開催し、述べ371名の参加者を得た。
さらに、大型倒産や金融機関の破綻に伴い、特別相談窓口を設置し、延べ99人の相談を受けた。
・専門相談・商工取引相談の実施
<専門相談>
中小企業相談所と12支部に専門家を置いて専門相談を行った。相談所での専門相談については、法律、特許・商標・意匠、独禁法・景品表示法・下請法、貿易実務、入国管理、税務・経営、労務、技術、マーケティングの相談に応じた。本年度の相談件数は1,433件であった。
また支部では、商工業、税務・経営、労務の相談指導を行い、本年度の相談件数は4,239件であった。
3月には電子メール相談を開始した。
<商工取引相談>
商工取引相談は1,799件で、メーカー、問屋などの業者の照会が多く、そのうちの大半が仕入れ先の照会であるが、アイデア売込、商品販路開拓の相談もみられた。また、業界団体、検査機関についての問い合わせと、海外取引先から注文を受けた商社から日本企業の連絡先照会が多い。
相談は大阪市域に限らず、日本全国さらに中国・韓国・台湾などアジア諸国・地域からの照会もあった。
・インターネットを活用した経営相談事業の実施
3月には、会員企業をはじめ、大阪市内の中小企業の方を対象にインターネットを通じて、電子メールによる無料の経営相談サービスを始めた.
・国や自治体の中小企業支援策を知りたい。
・独立開業に係る諸問題のアドバイスがほしい。
・ISO認証を取得するための専門家派遣をお願いしたい。
・○○商品のメーカーを教えてほしい。
など、様々な具体的な経営に対する相談に対して電子メールで回答した。相談内容によっては直接面談・電話などで対応した。
・エキスパートバンクの運営
大阪府下の小規模企業の要請に応じて、エキスパートを無料で派遣し、技術或いは経営上の問題点を改善する制度である。
本年度のエキスパート派遣先は45事業所であった。
今年度は1事業所につき1回のみの派遣で、2回以上の派遣を希望する場合は大阪府中小企業支援センターへ引き継いだ。
派遣先の業種は小売業が20事業所、製造業が11事業所、サービス業が6事業所、飲食業が6事業所、卸売業・建設業が各1事業所であった。
また相談分野別では店舗関連が18件(40%)、IT関連(大部分がホームページの開設に関するもの)が14件(31%)と多く、次いでISOの認定に関するものが9件(20%)、販売戦略に関するものが2件、他に専門的な技術指導・販売戦略が各1件づつであった。
・中小企業倒産防止共済制度の普及
取引先の倒産の影響を受けて、中小企業者自らが連鎖倒産する等の事態を防止し、経営の安定を図るための共済制度で、新規加入者数は40件で、前年に比べ21.2%増加した。
一方、平成13年の全国の企業倒産件数は、19,164件にのぼり、この内、上場企業の大型倒産は14件で、97年に並び過去最多タイあった。以上のことを反映し、貸付請求件数は293件(対前年比14.9%増)、貸付金額は21億7,780万円(同14.1%増)となった。
・小規模企業共済制度の普及
小規模企業の事業主および会社役員のための退職金制度について、本年度の加入者は140件で、前年度に比べて19.1%減少した。この結果、昭和49年12月の取扱い開始以来の加入累計は2万73件となった。また、加入促進に貢献をしたことで、中小企業庁長官から表彰を受けた。
・中小企業振興月間事業の実施
"がんばる経営、応援します"のキャッチフレーズのもと、経営改善普及事業の一層の普及・浸透を図るため、10月に中小企業振興月間事業を実施した。
期間中は経営改善講習会を各支部において集中的に開催したほか、各種の施策普及作成物を配布することで、経営改善普及事業の普及・浸透を図った。
・地域振興セミナーの開催
「中小企業支援地域展開推進協議会」(本会議所と大阪市で組織)は、市内を5ブロックに分けて行う地域別セミナーを5回開催し、延べ参加者数は617人にのぼった。
・異業種交流、婦人・女性部活動の実施
各支部において地域内の異業種交流会および婦人・女性部が開催する勉強会、見学会、交流会等の活動を支援した。
・支部役員と正副会頭との交流懇談会
正副会頭が分担して支部の正副支部長・運営委員・振興委員などと交流・懇談を行った。懇談会では、下請け製造業の現状や商店街への来街者減少などが話題となった。また、セルフ化や共同仕入を試みる公設市場や、ホームページを開設して集客増を図る商店街の事例が披露されるなど多岐にわたって意見交換が行われた。
・「創業塾」、「新規開業支援拡大セミナー」の開催
創業を具体的に予定している人を積極的に支援するため、本会議所は日本商工会議所との共催で、9月に「新規開業応援セミナー」を、11月に「創業塾」(全8回・計30時間)を開催した。
「新規開業応援セミナー〜創業をめざすあなたのための実践セミナー〜」には65人が参加、迫間俊治・大阪中央地域中小企業支援センターサポーターが「新規開業のための心得と基礎知識」について、余田幸三郎・国民生活金融公庫大阪相談センター所長が「新規開業時の資金計画と資金調達」について講演した。また、伴一郎・伴ピーアール(株)社長が創業体験談「〜なぜ私は市役所職員から企業経営者へと転身したか〜」をテーマに講演した。講演終了後に開催された「創業・新規開業のための個別相談会」には、迫間サポーターと余田所長が計14人の創業相談に対応した。
「創業塾〜夢に挑戦・めざせ起業家〜」は、(株)リクルート月刊誌「アントレ」の山口俊介西日本編集長の「失敗の法則に学ぶ独立の心得〜本当に儲かった話は表に出ない〜」を皮切りに、事業計画作成、資金調達などの講座を内容として開講し、35人が修了した。
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