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U.都市力の創造・強化

集客力・都市機能の向上

・映画等のロケ誘致事業の強化
 本会議所、大阪府、大阪市などでつくる我が国初のフィルム・コミッション「大阪ロケーション・サービス協議会」(会長:大野隆夫・本会議所専務理事)は、活動2年目にあたる本年度、大幅な事業の伸長をみた。
 まず、本年度に撮影協力を行った映画・テレビドラマ・コマーシャルフィルムなどは合計56作品で、本協議会設立以来、累計74本となった。
 また、積極的なロケ誘致のために、写真を中心に大阪を紹介するガイドブックや専用ホームページを作成したほか、大阪府と大阪市はじめ大阪府内の市町村の協力を得て、各自治体が管轄する公的施設(488ヵ所)を「撮影協力可能施設」としてリストアップした。同時に、市民ボランティアによるエキストラを募集し、約950人の登録を得た。さらに、韓国・プサン市で開催された「プサン国際フィルム・コミッション・ショーケース」に出展し、韓国はじめアジアの映像制作者に対し、直接ロケ誘致活動を行った。
 このほか、フィルム・コミッション活動への理解増進と映像制作環境の改善を目指し、8月に「全国フィルム・コミッション連絡協議会」が発足。本協議会の大野隆夫会長が初代の代表者に就任した。

・大阪プロモーションビデオ制作のための南カリフォルニア大学の学生招聘
 7月22日から8月25日の5週間、米国・南カリフォルニア大学の映像専攻の大学院生2人を大阪に招聘し、海外の映像制作者に対してロケ地としての大阪の魅力をPRするためのビデオを制作した。南カリフォルニア大学はジョージルーカス監督の母校でもあり、本事業を通じて、将来有望な映画人である彼らに大阪に対する理解を深めてもらう機会とした。
 招聘学生2人はそれぞれに1本ずつ作品を制作し、各々のストーリー展開に従って、大阪の新旧のロケ魅力や撮影可能施設を紹介している。完成作品は、従来の観光PR用ビデオとは異なり、映像制作者向けに「大阪は多様な映画シナリオに対応できるシーンを有する」ことを、米国の若手映画人の手によって表現したものとなっている。
 本ビデオ作品は、海外作品のロケ誘致を行う際のプロモーションツールとして活用する。

・世界観光機関(WTO)大阪総会への開催協力
 観光に関する唯一の国際機関である世界観光機関(WTO)の大阪総会が9月28日から10月1日の4日間、大阪国際会議場にて開催され、世界117カ国・地域より1,437人(海外675人、国内762人)が参加した。
 「観光の世紀をめざして:平和・持続的発展・技術」のテーマのもと、役員選出や次期開催地の決定などを行う全体会合のほか、21世紀の観光を展望する「ミレニアム観光サミット」を開催し、「大阪ミレニアム宣言」を採択した。
 同総会開催のため、国レベルでは「世界観光機関(WTO)実行委員会」(委員長:扇千景・国土交通大臣、実行委員長代理:田代和(財)アジア太平洋観光交流センター会長ほか)を組織し、準備に当たった。
 一方、地元経済界としては、本総会の開催に協力するため、在阪主要企業に寄付を依頼し、目標(2,000万円)を上回る募金が寄せられた。また、「世界観光機関(WTO)大阪総会地元協力協議会」(会長:太田房江・大阪府知事、副会長:田代和・本会議所会頭ほか)の主催による各種ツアーの開催、関西各地の伝統芸能の披露、伝統工芸の展示・実演、そしてクロージングディナーを主催するなど、世界の観光関係者に大阪の観光魅力やホスピタリティをアピールした。
 なお、WTO総会を契機として、地元官民挙げて観光振興に取り組むために、大阪府・大阪市・本会議所・(社)関西経済連合会などで「観光立都・大阪宣言」を取りまとめた。

・集客機能強化のための観光関連団体の統合推進
 大阪が今後とも国際集客都市として発展していくためには、観光振興やコンベンション誘致などを総合的・効率的に実施し得る、強力な推進主体の確立が不可欠である。
 現在、大阪には、観光振興団体として、(社)大阪府観光連盟と(社)大阪観光協会が、また、コンベンション誘致団体として(財)大阪コンベンション・ビューローが存在しているが、これら3団体を平成15年度初頭を目途に統合し、集客事業を一体的に展開する組織を設立すべく、当該3団体と大阪府、大阪市、本会議所が中心となり準備作業を行った。

・2008年オリンピックの大阪招致支援
 2008年夏季オリンピック開催都市が決定する本年は、(財)大阪オリンピック招致委員会や地元自治体・経済団体などとともに、活発な招致活動を展開した。
 まず、4月には(財)大阪オリンピック招致委員会事務局長東田雅勝氏、5月に大阪体育大学教授原田宗彦氏を招いて講演会を開催し、招致活動の現状報告と大阪招致実現の見通しなどについて意見交換した。その後、開催都市が決定される7月13日の国際オリンピック委員会(IOC)総会(於:モスクワ市)に、田代和会頭ら地元関係者で構成する招致応援団を派遣。総会でのプレゼンターを激励したほか、IOC委員らに大阪をPRした。
 しかしながら、同総会にて開催都市に北京市が選出され、長年の願いであった大阪招致は実現しなかった。
 なお、地元行政・経済界・市民団体などで構成する(財)大阪オリンピック招致委員会は、文部科学大臣の認可を得て、9月末に解散された。同財団の残余財産(約125万円)は全額、日本オリンピック委員会(JOC)へ寄付された。

・第3回東アジア競技大会の開催協力
 東アジア競技大会連合が主催する(運営:(財)第3回OSAKA東アジア競技大会組織委員会)同大会が5月19日から27日にかけて大阪市全域とその周辺地域のスポーツ施設・公共施設などで開催された。10カ国・地域から約2,800人の選手役員が参加し、史上最大規模で開催された同大会には、25万人の観客を集めたほか、延べ2万人をこえるボランティアスタッフが活躍し、本所も語学ボランティア募集に協力した。

・国際デザイン・フェスティバルへの協力
 「生あるもののためのデザイン」を基本テーマとして、隔年毎に開催している国際デザイン・フェスティバルが10月20日から24日までアジア太平洋トレードセンターで開催され、本会議所は運営面、資金面で支援した。運営主体は(財)国際デザイン交流協会(会長:田代和・本会議所会頭)。
 本フェスティバルは、デザインを通じた国際交流の進展を目的とする国際デザイン展を中心に、国際デザイン・アオード、国際デザイン・コンペティションで構成。デザイン展及びコンペのテーマは「intermediation 次世代へつなぐメッセージ」。「大阪コンペ」として海外で親しまれているデザイン・コンペは世界61カ国・地域から1,093点もの応募を集めた。このほか、アオード受賞記念講演会、デザインフォーラム、アジア太平洋デザイン交流会議など多彩なプログラムを実施した。

・大阪コレクションへの開催協力
 新人デザイナーの発掘・育成と、関西のファッション産業の振興をねらいに、大阪コレクション(主催は大阪コレクション開催委員会)を4月と11月に開催した。
 2001/02秋冬大阪コレクション(4月24日から26日)では、7ステージ・11組のデザイナーが作品を発表し、約5,000人の観客を魅了した。
 2002春夏大阪コレクション(11月19日から22日)では9ステージ・13組のデザイナーが作品を発表、約5,500人の観客を魅了した。

・関西国際空港2期事業の推進
 関西国際空港については、昨年来、事業スキームと関西国際空港(株)の経営形態の見直しについて、国・地元双方において検討を進めてきた。地元では、本会議所はじめ地元官民で構成する「関西国際空港全体構想促進協議会」において、関空の利便性の向上、国際競争力の強化、事業の安定的な推進などの観点から検討が行われた。このうち、事業スキームの見直しについては、関空2期事業費の総額を1,400億円削減するとともに、需要に応じて段階的に施工する案をとりまとめ、政府との間で合意に至った。
 これを受け、同協議会は2期事業の2007年供用開始に必要な予算を確保すべく、8月から12月にかけて、国土交通大臣や財務大臣など政府関係機関に対し精力的な要望活動を行った。
 一方で、関西国際空港(株)の経営形態の見直しについては、国土交通省から国際拠点空港の経営体制を強化すべく、成田・関空・中部の3空港の整備を一元化した公的法人を設置するとともに、管理運営については空港ごとに完全民営化を目指すいわゆる「上下分離方式」が公表された。地元としても同方式に賛同し、関係機関にその実現を訴えた。
 その結果、平成14年度の2期事業費として921億円を計上、2期事業の2007年供用に必要な予算が確保された。また、経営体制のあり方については上下分離方式を含めて、来年中に政府において結論を得ることとなった。
 その後、関空の一層の利用促進や関空を活用した産業活性化、情報発信機能の強化を図るため、同協議会内に3つの部会を設けて検討を進めることになった。

・御堂筋の賑わいづくりなど、大阪都心部の活性化策の検討、実施
 本会議所はじめ行政、経済界、地域振興団体等で組織する「新しい時代の御堂筋」協議会は、「風格あるまちなみ」「情報発信ストリート」「みてあるき文化回廊」「24時間・新ビジネス空間」「快適・にぎわいプロムナード」の5テーマのもとに55の施策をとりまとめた「御堂筋活性化アクションプラン」を4月に発表した。これを受け、同協議会では10月から11月にかけて、「御堂筋フェスティバル」と称して、オープンテラス、アートフェスタやシンポジウムなど一連のイベントを集中して開催し、御堂筋活性化の気運盛り上げに努めた。
 一方、本会議所都市活性化委員会では、大阪の都市再生を目指すため、ワーキンググループを設置し、まちづくり団体の連携強化や「水都大阪」再生の具体策について検討を行っている。

・安全で快適な都市環境づくりの推進
 大阪府が設置した「安全なまちづくり有識者懇談会」(座長:尾ア公子・本会議所女性会会長)が、12月に大阪府の犯罪の現状と今後取り組むべき方策案を報告書にとりまとめた。今後、大阪をあげて、安全なまちの実現に向けた具体的な取り組みを進める予定。
 これを受け、本会議所では、まちづくり団体を対象とした安全なまちづくりに向けた大阪府の施策説明会を2月に開催し、防犯意識の高揚に努めた。また、都市活性化委員会において、安全なまちづくりの具体策の検討を始めた

・交通環境改善に向けた調査・研究
 道路渋滞や違法駐車・駐輪をはじめとする大阪の交通問題を改善するため、本会議所はじめ行政等関係団体で構成する「大阪交通需要マネジメント推進会議」では、1月、大阪市・東大阪市における企業の業務交通用車両を対象に、電車やバスなど公共交通への転換の可能性を探るための交通社会実験を実施し、168社340人が参加した。
 また、12月には大阪の交通環境における課題と解決策を考える「交通フォーラム」を開催、会員企業の意識啓発に努めた。

・プラスチック・リサイクル事業の実施
 容器包装リサイクル法により、平成12年4月からリサイクルの対象となったプラスチック製容器包装は、種類も量も非常に多いことから、そのリサイクルが果してうまく回るのか懸念されている。
 本会議所では、大阪市のプラスチック製容器包装を対象に、平成10年から「プラスチック・リサイクルシステム事業化研究会」を開催し、平成11年9月に報告書をとりまとめた。その報告書の提言に基づき実際に事業主体となる会社を設立しようという企業8社が集まり、企画会議を開催した。この結果、本年11月には、環境影響評価方法書を大阪市へ提出し、本格的に環境影響評価実施の手続きに入った。
 また、プラスチック・リサイクルシステム事業の実施主体である大阪プラスチックリサイクル(株)に対して3月27日付で400万円の出資を行った。

・容器包装リサイクル委託事業の実施
 資源を活かすために容器包装のリサイクル(再商品化)を義務付けられる中小企業者(特定事業者)を積極的に支援する。
 特定事業者はガラス製容器、ペットボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装の「容器」「包装」を利用して中身を販売し、「容器」を製造し、「容器」「包装」が付いた商品を輸入して販売する事業者で、一定規模以上の小規模事業者を含む中小企業者を対象とする。
 当事業は(財)日本容器包装リサイクル協会の委託により、(1)相談(電話・窓口)業務、(2)申込受付業務、(3)契約業務を行う。
 平成13年度末における相談(電話・窓口)件数は1,504件、申込受付件数は13年度分が297件、14年度分が1,089件である。なお、14年度分の申込受付業務は平成14年6月まで延長して行う。平成13年度分の契約件数は1,278件である。

2003.4.1更新
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