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国際経済交流の促進

【国際ビジネス交流の拡大】

・2000年世界ビジネス・コンベンション(G−BOC2000)の開催

15回目を迎えた本年度は、10月16日から18日までの3日間開催し、海外32カ国・地域より544人、国内をあわせて延べ11,043人にのぼる企業経営者や政府・経済団体関係者らが参加した。
個別商談会には、167ブースが出展。ここ数年の傾向として注目を集めている「健康・介護・ヘルスケア」、「環境関連」といった案件に加え、本年度はインターネット関連案件も持ち込まれ、来場者の関心を集めた。出展国に関しては、経済危機、先行き不透明感などを徐々に払拭し、回復基調に乗りつつある東南アジア地域、とりわけ、ベトナム、タイなどの国々からの出展が大きく伸び、国内来場者との間で活発な商談が繰り広げられた。
G-BOCの最大の特徴は事前予約商談。今回もその充実を図るため、前年同様、インターネットを積極的に活用し、海外から持ち込まれた商談案件をG-BOCホームページに写真入りで掲載するなど、事前に幅広く商談案件の情報提供に努めた。その結果、会期中行われた3,421件の商談のうち、「成約ないし成約可能性あり」が前年よりほぼ倍増となる719件にのぼり、出展者、来場者双方にとって中身の濃い商談会となった。
また、急速に広まりつつある電子商取引(E-Commerce)などのインターネット・ビジネスを先導し、国際的なバーチャル商談を推進、支援するための最先端を行くIT関連企業や団体を一堂に集めた「バーチャル商談支援プラザ」を初めて開催した。
さらに、ネットビジネスに関する最新の情報、今後の展開などをテーマにとりあげた「経済講演会」や、海外14カ国・地域の最新経済情勢や投資環境などの情報を提供する「国別ビジネス・チャンスセミナー」などもあわせて開催した。

・留学生と企業との交流事業

本会議所は、日本企業への就職を希望する留学生と優秀な留学生を求めている企業の求職・求人活動を支援するため、92年から「外国人留学生の採用に関する調査」を毎年実施している。本年度は、大阪工業会と共同で約2,500社を対象に、外国人留学生の採用実績と今後の採用方針についてアンケート調査を実施した。その結果、より迅速で効率的な交流手段としてインターネットを活用し、留学生募集を希望する31社の求人情報を本会議所のホームページに公表した。

・貿易証明の発給

日本原産地証明など貿易関係証明件数は、世界的な貿易手続の簡素化が進む中、漸減傾向にあり、前年度比7.8%減の165,467件となった。内訳をみると、サイン証明の前年度比53.7%減をはじめ、日本原産地証明同7.2%減など、軒並み減少となった。
日本原産地証明を仕向け地域別にみると、アジアが9%増の39,913件、中南米が3.4%増の2,043件となったが、欧州の21.7%減の大幅減をはじめとして、その他の地域はすべて前年度を下回った。

【世界各国・地域との連携強化】

・第4回関西/西部カナダ・ビジネスフォーラム

10月19・20日の2日間、京都で第4回関西/西部カナダ・ビジネスフォーラム(共同議長:リチャード・ターナー・バンクーバー商工会議所前会頭、稲盛和夫・京都商工会議所会頭)を開催した。本フォーラムは、平成8年(1996年)に関西と西部カナダのビジネス環境の相互理解を目的として始まり、第1回がバンクーバー・ウィスラー、第2回は神戸、第3回はウィニペグで開催され、平成11年にはクレティエン首相率いる「チームカナダ」が来阪して、関西とカナダのビジネス交流推進に大きな成果をもたらした。
第4回目の今回は、「21世紀のビジネス」をテーマに業種の枠組を超えた共通のテーマであるITビジネスや、活躍するベンチャー企業の成功事例を中心に両地域の情報交換を行い、新しいビジネスチャンスを探った。
カナダからの参加者は、eコマース関連企業、各州政府関係者、IT関連企業とヘルスケア関連企業など約90人、日本側は京都、大阪、兵庫、滋賀、奈良などから約160人の計250人にのぼった。
なお、本フォーラムは所期の目的を達成したため、今後、定期開催という形では行わないこととなった。

・米国経済使節団の派遣

7月29日から8月9日までの12日間、米国経済使節団(団長:田代和会頭、総勢46人)を派遣した。一行は、オーランド(フロリダ州)、ニューヨーク(ニューヨーク州)、シカゴ(イリノイ州)、ラスベガス(ネバダ州)、ロサンゼルス(カリフォルニア州)の5都市を訪問した。主な目的は、ベンチャービジネスや次世代産業の育成・振興、集客機能の強化、大阪のPR・イメージアップにつながる映画ロケ誘致の推進など大阪の課題への取り組み策を探ること。
訪問先各地で率直な意見交換を重ねるとともに、金融市場の活況、エンターテインメント産業の隆盛、ベンチャー企業の勢いなど米国経済の繁栄を目の当たりにすることができた。

・中国・カンボジア経済視察団の派遣

9月6日から16日までの11日間、中国・カンボジア経済視察団(団長:堀田輝雄副会頭、総勢17人)を(社)大阪国際ビジネス振興協会との共催により派遣した。主な目的は、アモイで開催された第4回中国投資貿易商談会へ参加することと、返還後のマカオ・香港を中心とする華南経済圏におけるビジネスチャンスを探ること、カンボジアとの経済交流の可能性を見極めることにあった。
第4回中国投資貿易商談会には、内外から6万人もの来場者があり、世界貿易機関(WTO)加盟を控えた中国とのビジネス拡大に対する期待の大きさが伺われた。また、深センで視察したテクノセンターは、各種申請手続や雇用など生産以外の全ての業務を代行しており、海外事業のノウハウに乏しい企業にとって大いに参考となる施設であった。一方、カンボジアでは、ソー・ケーン副首相やオクナ・ソック・コーン・プノンペン商工会議所会頭から、最大支援国である日本に対し、今後は民間投資の拡大とともに人材育成への協力に期待している旨の発言があり、来年度、プノンペン商工会議所の職員を産業交流センタープログラムにより招聘し、中小企業振興の研修を実施することになった。

・アジアの中小企業育成のための専門家派遣

平成11年度に派遣した「東南アジア経済使節団」の具体的成果として、タイの中小企業育成および地方商業会議所の機能強化を支援するため、(財)海外貿易開発協会(JODC)の制度を活用し、5月から本会議所職員・川嵜克洋をJODC専門家としてタイ商業会議所に派遣した。
同専門家は、タイ商業会議所の顧問として赴任。当初の目的であるタイ商業会議所・地方商業会議所の機能強化ならびに中小企業の育成に関する具体的な調査・提案活動を積極的に実施している。
一方、インドシナ諸国の総合的な経済発展を目的に日本政府および(財)海外技術者研修協会の支援のもと本会議所とタイ商業会議所が中心となり、バンコクで「国際貿易・投資促進トレーニング」を実施。カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム5カ国から24人の官民関係者が参加した。

【外国企業などの誘致】

・大阪ビジネス・インフォーメーション・センターの運営

大阪・関西にビジネス拠点を設けようとする外国企業に対して各種支援サービスを行うため「大商ビジネス・インフォメーション・センター(O−BIC)」は平成4年4月に設置。以来、事務所設立手続きから経済動向まで各種ビジネス情報の提供やコンサルティングを行っている。今年度は「大阪ビジネス・インフォメーション・センター」としてリニューアル。9月には外国企業向けのポータルサイトを開設し、大阪の最新ビジネス情報にくわえて、外国企業向け支援サービス企業・機関などの情報提供を積極的に行った。

・関西対日投資促進協議会への協力

関西の自治体・経済団体などが協力し外国企業の関西への投資促進を図るため、平成10年6月関西国際経済交流推進会議の下部組織として発足した「関西対日投資促進協議会」(会長:田代和会頭)の事務局の一員として、本会議所は同協議会事業に積極的に協力した。とくに、本年度は2月に東京で外資系企業を対象に“Invest-in-Kansai Promotion Seminar"を開催、関西経済のポテンシャルや魅力を紹介した。
また、10月には、関西の知名度向上を図るため、関西対日投資促進協議会と関西広域連携協議会との共同により「関西アンバサダー」制度が発足した。本会議所では平成9年度から海外訪問機会の多い企業経営者を「大商ビジネス・アンバサダー」に任命し、大阪の経済環境を中心にプロモーション活動を展開していたが、今回発足した「関西アンバサダー」に発展的に統合することになった。

・訪日外国人との懇談・商談

本年度に来訪した外国人総数は1,319人であった。そのうちG-BOC2000、GVF2000への参加者を除くと世界63カ国・地域より731人が来訪した。
こうした外国要人、使節団を迎え、本会議所役員への表敬や会員などを対象にした投資勧誘セミナー、懇談会、レセプションなどを開催した。
訪問の目的の内訳は挨拶が23件(前年度21件)、企業誘致19件(同7件)、対日輸出振興7件(同14件)、経済協力促進32件(同12件)、本会議所の事業や大阪・関西経済についてのヒアリング33件(同21件)、見本市の開催3件(同4件)であった。一方、地域別では、アジアが87件(前年度65件)と最も多く、次いで欧州が50件(前年度41件)などとなっている。


2003.4.1更新
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