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次世代産業の育成・振興

・福祉産業フォーラム・大阪2001の開催

21世紀の成長産業として注目を集めている福祉産業を大阪・関西で振興するため、大阪市と共催で3月1・2日に「福祉産業フォーラム・大阪2001」を開催した。
本年度は介護保険の導入1年後総点検を中心テーマに、今後の期待分野として「ケアサービス分野」、「バリアフリー分野」の動きにも焦点を当てた。
福祉関連企業23社による新製品・新サービスなどの発表を行う「企業PRセミナー」とその発表企業との個別商談会を通じ、事業提携や販売促進などの事業拡大のきっかけづくりに資した。あわせて今後の同産業の動向を占う講演会や、関連分野に進出している企業経営者が事例発表を行うパネル討議を行い、最新情報を提供した。また当日は、福祉関連企業のカタログ展示も行った。参加者は2日間で延べ700人。

・ケアサービス事業者交流会の設置

急速な広がりを見せるシルバーマーケットの中でも、今後大きな市場形成が見込まれる介護保険対象外の高齢者向け生活支援サービス(=ケアサービス)産業の健全な発展を図るため、同事業に進出している企業や今後進出を計画している企業に対し、各種関連情報の提供および企業間交流を行う場として、ケアサービス事業者交流会を設置した。
参加企業は、流通業・建設業・介護サービス業など31社。大阪市立大学大学院の白澤政和教授を座長に7回交流会を開催し、「ケアサービス産業の最新事情」や「企業連携ネットワーク作りの事例研究」、「介護サービス市場の今後」などについて情報交換するとともに、懇親会を通じ、事業者間交流を図った。

・「大阪におけるキャラクタービジネス展開についての研究会」の設置

前年度設置した「大阪アニメ産業振興研究会」で、ウェブと地上波放送を活用してアニメコンテストを開催し、大阪発のキャラクターを発掘、育成して、キャラクタービジネスを展開するビジネスアイデアがとりまとめられた。そこで、こうしたアイデアの実現可能性を検討するため、「大阪におけるキャラクタービジネス展開についての研究会」を5月に設置した。
研究会では、人気キャラクターを発掘・開発し、アニメ作品やゲーム、CM等のビジネスに展開する方策等について検討を行った。

・「クリエーターを応援する企業グループ」の組織化

映像・ビジュアル分野のクリエーターの養成を目的としたオーディションは全国各地にあるが、オーディションで評価を得ても、その後クリエーターの仕事に結びつかないケースが多い。
そこで、クリエーターに夢を与え、新しい才能を世に送り出すため、全国のオーディションから発掘される才能を応援する企業グループを2月に組織した。クリエーターと企業を結びつける活動を大阪から展開することにより、各地のクリエーターが拠点を東京に移すことなく発注企業を獲得する機会が得られるようになり、各地の映像・ビジュアル分野のビジネス振興に役立つ。

・情報家電&ウェブ・携帯ビジネス振興フォーラムの設置・運営

本会議所では、平成11年度に「情報家電研究会」から、インターネットによるアニメーション配信を行うベンチャー企業を生み出した。これを受け、本研究会を「情報家電&ウェブ・携帯ビジネス振興フォーラム」(座長:白川功・大阪大学大学院教授)として発展・拡充させ、ベンチャー企業、メーカー、商社、流通関連企業、ベンチャーキャピタルなど約100社をメンバーとする、ITベンチャービジネスのインキュベーターとして活発な活動を行った。
フォーラムでは、毎月1回ビジネスプラン発表会を開催。フォーラムメンバーを中心とする聴衆に対し、年間41件のベンチャー・ビジネス・プランが発表された。このうち、聴衆から関心が寄せられた21件のビジネスプランについて、それぞれワーキンググループを設置。プランの事業化に向けての検討や出資交渉を行った。その結果、2件のベンチャー企業が設立されることになった。

・バイオビジネスコンペJAPANの開催

わが国バイオ産業の振興、研究シーズの産業化を目指し、大阪府、大阪大学等とともに「バイオビジネスコンペJAPAN」を実施した。
本コンペは、(1)バイオベンチャーの起業、(2)創薬シーズの発掘、製薬会社への移転、(3)応募のあったビジネスシーズを基にした産学共同研究の推進、を目的としている。
平成12年9月からビジネスプランの募集を開始し、全国から56件の優れたシーズが寄せられた。12月の書類選考、事前発表会を経て、平成13年4月の本選会において最優秀賞(賞金500万円)2人、優秀賞(賞金100万円)5人を選ぶ。

・「インターネットビジネス促進のためのバーチャル・インキュベータ事業」の実施

デジタルクリエーターの活躍の場創出と中小企業のIT(情報技術)化促進を目的に、平成10年度から実施してきた「マルチメディア産業振興のためのバーチャル・インキュベータ事業」を、本年度は「インターネットビジネス促進のためのバーチャル・インキュベータ事業」と改名して引き続き実施した。
本事業では、中小企業経営者を対象にインターネットビジネスの事例を広く紹介するデモンストレーションセミナーを開催し、中小企業のネットビジネス進出への関心を高める一方、Webプロデューサーやホームページ制作者等のデジタルクリエーターを本会議所のもとに組織化して、「ネットビジネス等に取り組もうとする中小企業」と「それをサポートするデジタルクリエーター」との引き合わせを行った。
本年度は、デモンストレーションセミナーとして、2日間にわたる「なにわデジタル経営セミナー2000」等を開催、同セミナー終了後約4ヶ月間で、中小企業等からの相談が25件持ち込まれ、そのうち9件に対してデジタルクリエーターとの引き合わせを行った。また、相談業務の充実を図るため、外部の専門家(コーディネーター)との連携を強化した。

・インターメディアフォーラム2000の開催

前年度まで3年間開催してきた「マルチメディアコンテンツOSAKAフェスティバル」の後継事業となる「インターメディアフォーラム2000」を、11月28・29日に開催した。主催は同実行委員会(大阪府・大阪市・本会議所などで構成、委員長:遠藤彰三・イメージ情報科学研究所理事長)。テーマは「つなごうITビジネス出会いの輪」。
本フォーラムは、展示、プレゼンテーション、セミナー、交流会などで構成され、出展者を企業のみならず、起業マインドの高い学生・SOHO事業者・研究室などに広げ、来場者と出展者、あるいは出展者同士で活発に交流、商談が行われた。出展者数は83者・96ブース、2日間の総来場者数は11,609人にのぼった。期間中1,021件の商談が繰り広げられ、71件の契約が成立した。

・ワイヤレス・マルチメディア技術フォーラムの開催

インターネット接続可能なモバイル情報端末の一つとして、携帯電話が急速に普及し、ワイヤレス技術の進展に大きな関心が集まっている。そこで本会議所では、大阪大学をはじめとする4大学6研究室などとの共催により、ワイヤレス・マルチメディア技術フォーラムを4月と1月に開催した。
本フォーラムでは、関連する最新の話題を捉えた講演会や特別討論会のほか、大学研究室や民間企業によるワイヤレス技術に関する展示が行われ、来場者の関心を集めた。

・ソシオ大阪の開催

本会議所は、大阪大学の産学連携事業の取り組みを広く産業界にPRするため、1月にソシオ大阪を開催した。同大学の産学連携活動の現状や、インターネット上に公開している同大学工学部が保有する技術シーズの検索方法を、デモンストレーションを交えて詳細に紹介した。また、分科会ではITと太陽電池の2つの研究成果と将来動向について、担当教授から詳細説明があった。

・バイオ情報ハイウェイ検討会議の設置

関西には大阪大学、国立循環器病センター、Spring8をはじめ、わが国屈指のバイオ分野の研究機関が集積している。また、「バイオビジネスコンペJAPAN」の開催により、わが国には産業化可能なバイオ分野の研究成果が多数あることが確認された。
そこで、関西地域におけるバイオ産業の発展と、新産業創出を図るため、「バイオ情報ハイウェイ検討会議」を1月に設置した。具体的には、次のような構想を検討する。(1)関西の各研究機関を高速大容量の通信ネットワークで結び、ゲノムの機能解析、タンパク質の構造解析などを進めるとともに、それらの解析データを基にゲノム創薬、遺伝子治療などの開発を行う。(2)あわせてデータ解析、創薬、新治療法開発などに取り組むベンチャービジネスを育成する。
検討会議では、産官学あげて上記構想の具体化の方策を検討し、国や自治体に対して平成14年度予算として要求すべきものを見出す。


2003.4.1更新
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