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産業力の創造・強化

ベンチャービジネスの育成・振興

・「大阪中央地域中小企業支援センター」の運営

創業を目指す人や経営革新、IT活用・導入を図る中小企業を支援するための「大阪中央地域中小企業支援センター」が4月から正式に運営を開始した。専任コーディネーター2人と各分野の専門家を配置して各種経営相談に対応するとともに、11月からはIT活用・導入を支援するITコーディネーターを中小企業に派遣した。
本年度の窓口相談件数は980件で、相談目的は「創業」が70.4%と最も多く、続いて「経営革新」が22.1%であった。相談内容は金融・資金調達に関することが31.1%で最も多かった。「創業」相談における進出分野では、サービス業が30.0%、小売業が14.5%となっている。また、IT活用・導入を支援するための経営革新セミナーを2回実施、延べ342人が参加した。

・大阪エンタープライズ支援機構の運営

大阪、関西のベンチャービジネスの起業や新産業創造を支援し、大阪、関西の経済活性化を図るため、ベンチャー振興委員会のもとに「大阪エンタープライズ支援機構」を設置した。
本機構では、(1)本機構に参加する19のベンチャーキャピタル等が組成するファンドを投資家にPRする「大阪エンタープライズ・プラットフォーム事業」、(2)成長の見込めるベンチャービジネスを発掘・育成し、必要に応じて専門家(ベンチャーサポート委員会)からの助言を与えたり、ベンチャーキャピタルに投資先として紹介する「投資先発掘・育成事業」―の2つの事業を実施し、大阪での起業を支援した。

・大商起業家発見塾の設置・運営

企業経営者にふさわしい力量、マネーゲームに惑わされない企業倫理観を備えた起業家を発掘し、次代の大阪経済を担うベンチャー企業を育成・支援するため、大商起業家発見塾(代表幹事:能村龍太郎・太陽工業(株)会長)を10月に設置した。本塾では、創業体験や新規事業の立ちあげ経験を持つ本会議所議員を中心とする有志がメンバーとなり、ベンチャービジネスを起こそうという起業家やベンチャー企業経営者、計19人と面談した。面談では、経営者、起業家の企業倫理観を中心に考え方を聞き、適宜経営上のアドバイスを行った。このうち人柄と資質を見込んだ人物には、有志自らが持つネットワークを使った取引先紹介を行ったほか、「情報家電&ウェブ・携帯ビジネス振興フォーラム」のビジネスプラン発表を通じて新会社を設立したベンチャー経営者に対し、有志が出資することになった。

・ナスダック・ジャパンとの連携

ナスダック・ジャパン市場が6月19日に取引を開始し、大阪・関西を拠点にITやバイオなど有望なベンチャービジネスが次々と産まれることが期待されている。そこで本会議所では、ナスダック・ジャパンと連携し、相互の情報交流を密にしながら、株式公開を目指す有望ベンチャー企業を発掘、育成・支援する体制を整えることになった。その一環として、「ベンチャー・サポート・プログラム」と銘打ち、ベンチャー企業向けの実務セミナーを共同開催した。

・グローバル・ベンチャー・フォーラム2000(GVF2000)の開催

先進的な技術や製品、ビジネスアイデアをもつ国内外の優れた・ベンチャー企業に、ビジネスパートナーや投資家との出会いの場を提供する国際商談会「グローバル・ベンチャー・フォーラム2000(GVF2000)」を、10月19・20日に開催した。
本フォーラムは平成7年の開催以来(平成7〜9年の3回はアジア太平洋ベンチャー(APV)の名称で開催)、ベンチャービジネス振興の先導的役割を果たし、国内外のベンチャー企業の発展を支援するとともに、新規事業や雇用機会の創出に寄与する国際商談会として広く浸透してきた。
「情報・通信」、「医療・ヘルスケア」、「環境・エネルギー」、「新素材」の4分野を対象に行ったビジネスプラン募集では、13ヵ国151社(うち国内69社)から応募が寄せられた。この中から、約50の国公立研究機関、大学、関係業界、金融機関などの専門家による評価(基準:技術や製品の新規性および市場性)をもとに選出した36社(うち国内10社)がビジネスプランを発表。聴衆企業として国内各地から参加した261 社・468 人との間で、延べ466 件の個別商談・情報交換が行われた。
また会期中には、3年前にビジネスプラン発表企業として参加、2年前には聴衆企業として参加し、市場拡大と新規事業の開発に成功した日本のベンチャー企業が成功事例を発表。同社社長からGVF参加をきっかけにどのように事業拡大に至ったかを紹介し、参加者の参考に供した。
今回のグローバル・ベンチャー・フォーラムは、従来の欧米諸国からの応募に加え、新たにシンガポール、韓国といったアジア諸国からの応募があり、本フォーラムのアジア地域での関心の高まりが確認できた。また、会期中は発表企業、聴衆企業の双方から非常に合理的、実質的な話し合いができたという意見が寄せられ、実際、会期後1カ月の調査で既に1件商談が成約、6カ月後のフォローアップ調査では、さらに3件が成約している。海外発表企業からは、日本企業との商談を通して、日本市場参入のためにこれから取り組むべき課題が分かったといった声も寄せられ、情報交換の場としても大きな成果をあげることができた。


2003.4.1更新
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