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ニューズレター(支部概況報告)No.174 2005.6.17

テーマ
1.工夫ある経営で頑張っている中小企業                     

○「酒=不健康」のイメージを変える! こだわり娘の努力は続く
 『坂東酒店』(代表者 坂東紀夫氏 住之江区中加賀屋2-7-24)は、加賀屋本通り商店街の「コーセツカガヤ」(旧加賀屋公設市場)にあり、開業して既に半世紀以上の歴史を持つ酒屋である。いわゆる“街の酒屋さん”は、酒類販売の規制緩和等の影響を受け厳しい業況が続いているが、同店は2代目夫婦が店を切り盛りするなか、3代目となる看板娘(武子氏)が積極的に周辺競合店との差別化に取り組んでいる。
 まず、同店で目を引くのはワインの充実ぶり。同店は酒専門店のフランチャイズチェーン「エスポア」に加盟しているが、これを品ぞろえ強化のためだけに利用するのではなく、同チェーン主催の勉強会や海外買い付け等に参加、自己研鑽の場として積極的に活用してきた。その結果、単に数多くのワインを扱うだけでなく、顧客がその日に食べる料理や食材に合わせたワインを提案できるお店となった。
 さらに店内で特徴的なのが、素材や製法にこだわった調味料や自然食品が所狭しと並んでいること。もちろんこれらはブームだから取り扱っているわけではない。もともと、武子氏はお店を手伝うなかで、「病気になったからお酒を控えて(やめて)いる」と顧客に言われるのが辛く、どうすれば健康を保ちながらお酒とうまく、長くつきあえるのだろうかという思いを持っていた。また、氾濫する健康にまつわる情報を正しく理解し、顧客に必要な情報だけを分かりやすく伝えたいという思いから、大阪市立環境科学研究所附設栄養専門学校等で、本格的に栄養管理と食品等について学ぶこととなり、栄養士の資格まで取得するに至った。
 そのうえで、自分が納得し、自信を持って勧められる商品だけが店内に並べられる。そこまでこだわる理由を尋ねたところ、「お客さんにオススメするからには、お酒も食品もプロでないとねぇ・・・」とのお答え。本業はあくまで酒屋。食品類は顧客への「付加価値」として扱っているが、そこに妥協はない。
 将来的には、店内に置く食品類と栄養士の知識を活かし、顧客それぞれの体質や病態にあわせた料理を提供する“健康的な立ち飲み屋”を店の片隅で立ち上げたいという。そのため、現在は病院で臨床栄養学を学ぶ修行に出ているとのこと。厳しい業況に不平をもらすだけでなく、新鮮な発想で不断の努力を続ける新しい力に期待したい。
(住之江・住吉支部)

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