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ニューズレター(支部概況報告)No.173 2005.5.20

テーマ
2.地域の動き

○大正区における沖縄関連ビジネス等の集積について
 大正区には沖縄県出身の方が数多く(人口の約25%)居住していることもあり、沖縄に関連したビジネスの集積がみられる。いわゆる専門店といえる事業所の数は、飲食店が約30件、物産店(食材・酒類・民芸品・書籍等)が約15件、伝統芸能スクール(三線・琴・舞踊・空手等)が約20件、沖縄専門旅行社が1件であり、その殆んどが個人事業者である。これら専門店はここ4〜5年で大幅に増加しており、その多くは、建物外観を沖縄の建築様式で飾ったり、シーサーと言われる魔除けを設置したりするなど、ハード面でも沖縄特有の雰囲気を醸し出す工夫をしており、区外者の注目を集めている。
 飲食店については、元々沖縄料理以外の料理を供していたが、昨今の沖縄ブームに応じて沖縄料理にシフトしたというケースが比較的多いほか、他区で営業していたが大正区に転じてくるというケースも散見される。
一方で、数十年前から区内で営業している老舗店のなかには、区外(梅田や難波)に第2号店を出店する実力派もある。また、沖縄に縁のない方が沖縄料理店を開業するケースも増えており、これは最近の特徴といえる。
 飲食店のなかには、琉球舞踊や三線等の生ライブショーを行う店があり、こうした設備を有する店が全体の3分の1を占めている。とりわけ、客自らがステージ上で歌ったり踊ったりできる店は、遠方客の堅強な支持を得ており、マスメディアにも頻繁に登場している。
 飲食店の客層は、観光客中心の店、地元客中心の店、両者半々の店等に分かれているが、立地環境はその決定要素にあまり関係しておらず、味付けの違いや店の雰囲気等がその決定要素になっているものと思われる。一口に沖縄といっても、島により、また地域により随分と食文化が異なるものであり、区内の沖縄料理店も、よい意味で多様性に満ちている。なお、多くの店では、食材を直接沖縄から取り寄せているので、生鮮食品でも新鮮な味が楽しめるが、最近の石油価格の高騰による空輸コストの負担増が痛いところである。
 物産店については、生鮮食材、通常食材、食料品、調味料、酒類、工芸品、書籍、CD等を取り扱っているほか、沖縄料理の手作り惣菜の直売をしている店もある。通常、沖縄に行かないと入手できないものが、ここ大正区内で殆んど入手できる。とりわけ、最近の焼酎ブームのなか、泡盛の取扱いを充実させる店が多く、都心部の専門店ですら扱っていない珍しい泡盛に出くわすこともあり、酒好きの遠来客を満足させている。
 物産店は、小売のほか卸売を兼ねている事業所が多い。このためか、新規参入店が飲食店ほどは多くない。また、仕入が容易でないこともあり、商品の取り揃えが十分でなく、廃業する事例もある。地元の方にヒアリングしたところでは、いささかオーバーストア気味との意見も聞かれる。
 ところで、飲食店や物産店等商工業者以外にも、大正区には、県人会館、文庫、イベントゾーン等、沖縄関係の文化や情報の発信・交流拠点としての機能を持つ諸施設が多数所在しているほか、関西では最大規模の沖縄関係イベントと言われる「エイサー祭」(毎年9月第2日曜日)が区内で開催されるなど、ソフト面も大変充実している。今や、本家本元の沖縄も“メイドイン大正区の沖縄文化”を逆輸入しているそうである。
 こうしたことから、大正区は「リトル沖縄」「沖縄タウン」等と称され、昨今の沖縄ブーム等もあって、マスメディアの取材が殺到しているが、こうしたメディアの取材や伝達の仕方に批判的なむきも少なくない。例えば、画一的な描写がステレオタイプを産みだし、誤解を招いているケースや、神戸の中華街のようなものをイメージしている来街者から期待外れとのクレームを受けたりするケースが挙げられる。実際のところ、大正区における沖縄関係ビジネス等は、区内全域に広く所在しており、特定の地域に密集しているわけではない。また、元来、生活者の街であるため、エンターテイメント性が追求されているわけでも、観光客を想定した取組みがなされているわけでもない。
 今後も沖縄ブームが持続する公算は強く、正確かつ的確な情報提供が求められるなか、大正・浪速・西成支部としては「大正区における沖縄関連ビジネス等のプロモーション」の一環として「大正おもろいお店83MAP」を目下作成中である。この件については、号を改めて報告する。
(大正・浪速・西成支部)

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