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ニューズレター(支部概況報告)No.173 2005.5.20

テーマ
2.地域の動き

○風薫る五月、ツバメの舞う商店街(十三東本通商店街)
 淀川区十三の繁華街から東へ数百mに位置する十三東本通商店街は通称「つばめ通り商店街」と呼ばれている。由来はその名のとおり、商店の軒先に転々とツバメが巣を架けているからである。
 十三と言えば繁華街、というイメージが強いが、付近は繁華街から至近にも関わらず、古くからの住宅地を控え、諸学校への通学路として最寄品を買い求める通行客が途絶えることがない。淀川を渡る風の冷たさがやわらぎ、近くの小学校に新入生が通いはじめる頃、はるか東南アジアから日本に渡って来たツバメが商店街に戻ってくる。
 商店主も、おなじみの買い物客も、人々の間を縫うように低く飛ぶツバメを見て、「家具屋さんとこにツバメ、帰ってきとったで。今年はじめて見たわ」
「今年はちょっと遅かったなぁ。4月入っても寒い日が続いとったからなぁ。去年、カラスにやられたから、今年はあかんかと思ててんけどな、よかったなぁ」と会話を交わす。
 ツバメが天敵のカラスやネコから巣とヒナを守るために住宅や商店に巣を架けることはよく知られている。一つの巣で育つヒナの数はおよそ3〜5羽、育ったヒナが成鳥となって翌年、再び同じ巣に戻って子育てをする率は平均60%という。産卵から孵化までは約2週間、ヒナが飛ぶようになるまで約3週間。自然界での平均生存年数は約1年半だが、条件に恵まれれば10年以上生きるものもいるそうだ。
 大阪市内では緑地の減少に伴なって餌となる羽虫類が減り、ツバメは暮らしにくくなっていると考えられる。しかし当地では緑豊かな淀川の川原を控え、一定数の営巣が維持できている。
 ツバメが十三で暮らしてゆける理由として、巣を見守る商店主と住民の姿も見逃せない。人々は子供の頃から今に至るまで、商店街を飛翔するツバメと軒先でエサを求めるヒナの鳴き声に親しんできた。程度の差こそあれ、地面が糞で汚れてもそれを寛容に受け止める店主と買い物客の心がある。今年も秋口までの間、子育てするツバメを眺めながら商店街を歩く買い物客と、巣から顔を出したヒナに見送られて通学する子供達の姿が続く。
(新淀川支部)

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