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ニューズレター(支部概況報告)No.171 2005.3.22

テーマ
1.工夫ある経営で頑張っている中小企業 

○「安全」「安心」そして「自立」をキーワードに、高齢者に最適なリフォームプランを提供
 東淀川区には小規模な建築業者が多く、昨今の過当競争と建築不況によって苦しい経営を余儀なくされている事業所も多い。しかし、その中にあって「事業所は高齢化の進む地域に対して何を提案・提供できるのか」の理念を真摯に考えて経営を行っている事業所がある。
 (株)アトミック・リゲイン・コーポレーション(東淀川区小松3-4-1-1515 代表 A氏 TEL:06-6328-4128  http://www.atomic-rc.com/index.html)は一級建築施工管理技師と福祉住環境コーディネーター、そしてシックハウス診断士の資格を併せ持つ代表者が、介護を必要とする高齢者や障害者の居住する住宅のリフォーム事業を展開している。
 同社の強みは「疾病・疾患と介護」を熟知した有資格者のA氏が住宅リフォーム技術者として的確かつ必要最低限な改修を提案できる点にある。本人の身体の状態、日常生活上の動作を調査診断し、介護者の方の希望も聞きながら、今後の疾患・疾病の進行度合いを勘案して必要な住環境を提案する。
A氏は「高齢者の方々にとって、快適な住まいとは何よりも『安全』であること。ちょっとした工夫・改善でそれらは実現するものです。うちは『安全である』、『安心できる』そして『自立する』の3つのポイントに立って、自分らしく生活が送れるようお手伝いするのです。」と語る。
 介護保険サービスの「住宅改修費用の支給」を利用すれば、手摺の取り付けや床段差の解消、床材の変更(畳をフローリングに)、扉の取替え、洋式便器等への取替え等の住宅改修工事について、20万円を上限として本人負担1割で行うことができる。しかし、高齢者の動作には個人差がある。また、動作障害は年月と共に変化してゆくものであり、その方にとって最も適した住宅改修を限られた予算で行うことは簡単ではない。そのために事前の入念な調査・診断は不可欠であり、何よりも要介護者と向き合う誠実さが求められる。
 ケアマネージャーと要介護者との橋渡しで実績を積み重ねるうちに、同社の誠実な経営姿勢は大阪市からも信頼を受け、最近は大阪市からの受託事業も多くなってきている。
 同社はもともと、大阪におけるセメント関連事業の草分け的な存在であったA商店(大正13年創業)の流れを汲み、阪神電鉄福島駅の地下化工事にも関わった業歴を持つ。しかしA氏の代になって、介護関連のリフォームを事業の中心にシフトした。同氏は「儲けは少ないですが(笑)、本人さんやその家族の方から、暮らしやすくなった、との感謝の電話が掛かってくると本当に嬉しい。」と人懐っこい笑顔をみせる。
 積極的な性格のA氏は平成16年6月〜12月にかけて本所が主催した介護ビジネス経営研究会への参加、NPO法人ふくてっく(福祉と住環境を考える会)の正会員・大阪市東淀川社会福祉協議会ボランティアグループ(ちょぼらの会)の正会員等、地域と福祉という問題に絶えず向き合っている。
A氏は最後にこう語る。「いずれ介護ビジネスは保険のあり方等大局的なものを除いて、例えば中学校の校区程度を単位とした地域内でのネットワークが求められる時代がくると思います。そのとき生まれる小規模な地域経済ブロックの中で求められるのは規模の大きさや資金力ではなく、地域を熟知し、地域住民に誠実なサービスを提案・提供できる事業所ではないでしょうか。」
(新淀川支部)

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