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大商ニュース   2017/7/10号



<サイバー攻撃対策>支援 7月から中小向けに事業開始

 大阪商工会議所は、中小企業のサイバー攻撃対策支援事業として、(1)ホームページのサイバーパトロール(2)サイバーセキュリティー対策に特化した相談窓口の設置(3)啓発セミナーとセキュリティー人材育成――の3つのサービスを7月から開始する。

 同事業は、日々巧妙化するインターネットのサイバー攻撃に対して、人的・資金的な面で対応困難な中小企業を支援するのが目的。
 サイバーパトロールは、神戸大学の協力で開発したシステムを利用し、ホームページが改ざんやアクセス不能になるなどのサイバー攻撃にあっていないかを調べ、攻撃によるサービス不能を検知した場合は、利用企業担当者へ速やかに連絡するというもの。
 実際に攻撃を受けた利用者には、専門の相談窓口で対応する。週2回予約制とし、経営情報センター内で相談を受ける。
 啓発セミナーは、サイバーセキュリティーの最新事例・対応策と自社のセキュリティー対策の現状を診断する方法をテーマに今年度2回開く。
 3つのサービスが利用できるのは、大商会員と関西25の商議所会員。利用料金は月額500円。
 詳細はホームページ(http://www.osaka.cci.or.jp/cybersecurity/)に掲載。
【問合せ】経営情報センターTEL6944・6580


大阪発ライフスタイル発信
ファッション部門 リビング部門 出展者を募集

 大阪スタイリングエキスポ実行委員会(会長=植本勇・大阪商工会議所繊維部会長)は、11月に実施する「OSAKA STYLING EXPO」のファッション部門とリビング部門の出展者をそれぞれ募集している。同事業は、ファッションとリビングの分野で大阪発のライフスタイルを発信する事業。
 ファッション部門は11月23日、大阪市福島区の堂島リバーフォーラムで開く。「into ART―アートに夢中―」をテーマに、(1)若手デザイナーやアパレルによるファッションショー(2)服飾学校が参加するコンテスト――を中心に、展示や体験イベントなどを予定している。今回募集するのは(1)のファッションショーの出展者。7月14日までに問い合わせを。
 一方のリビング部門は、11月29日〜12月5日の7日間、同阿倍野区のあべのハルカス近鉄本店で販売イベントを行う。大阪にゆかりのあるプロダクトデザイナー、クリエイターや生活雑貨製造・卸売・小売業者などによる、デザインに優れた商品を募集する。生活用品やバッグ、小物、家具、アクセサリー、文具、家電、子供用品、その他雑貨などが対象。近鉄百貨店広報紙のほか、各種媒体、ホームページなどで集客する。応募締め切りは8月22日。
 両部門とも、出展には審査がある。詳細はホームページ(http://www.osakastyling.jp/)に掲載。

【問合せ】経営支援担当TEL6944・6493


ダイキン工業がニーズ発表
中堅・中小から技術提案募集 8月に説明会

 大阪商工会議所は8月23日、「MoTTo OSAKA オープンイノベーションフォーラム(通称=もっと大阪)Withダイキン工業」技術ニーズ説明会を開く。
 これは大企業が提示した技術ニーズに対し、中堅・中小企業からの提案を募り、両者の連携による技術開発や製品化・事業化を支援するビジネスマッチング事業。今回は、ダイキン工業が自社の技術ニーズを公開し、ニーズに応える中堅・中小企業からの提案を受け付ける。
 ダイキン工業は摂津市に開設した技術開発のコア拠点「テクノロジー・イノベーションセンター」を中心に、社外との連携、融合を通じた「協創」を推進している。今回は中堅・中小企業との協創を目指し、「空調機器」「材料・加工技術」「計測・センシング技術」の3つの分野の技術ニーズを公開し、ニーズに応える企業からの提案を受け付ける。参加企業同士のビジネスマッチングの場となる交流会も設ける。
 午後2〜6時、大商で。無料(ただし、交流会は1人1,000円)。
 詳細はホームページ(http://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/201706/D22170823012.html)に掲載。

【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300


大商女性会が通常総会

 大阪商工会議所女性会は6月19日、平成29年度通常総会を開催、133人の会員が出席した。総会では、河内幸枝会長、尾崎公子名誉会長のあいさつに続き、平成28年度事業報告・収支決算、平成29年度事業計画・収支予算が全員一致で承認された。
 続く昼食懇談会では、尾崎裕会頭、小嶋淳司副会頭、宮城勉専務理事、児玉達樹常務理事・事務局長を来賓に迎え、尾崎会頭の乾杯発声により開会。各テーブルでは、和やかな雰囲気で会話に花が咲き、会員相互の交流を深めた。その後、モンベルの辰野勇会長の「夢と冒険、今リーダーに求められる力」と題する講話を聞いた。
新入会員を募集
 大商女性会は女性経営者の資質向上と交流を目的に積極的に活動している。随時新会員を募集中。ともに集い、語らい、学ぶ女性経営者の輪へぜひともご参加下さい。年会費は1人2万5,000円。

【問合せ】総務担当TEL6944・6211


会費・負担金納入お願い 8月1日午後5時までに

 大阪商工会議所は現議員の任期満了に伴い、2017年11月1日から20年10月31日までを任期とする1号議員の選挙を10月18日に実施いたします。
 同選挙は、会員および会員以外の特定商工業者が投票によって会員の中から選挙するもので、1号議員の定数は76人です。
 会員が選挙権・被選挙権を得るには、8月1日午後5時までに会費をご納入いただくことが必要です。同日までにご納入いただいた会費額に応じて、選挙権個数が決定します。また、特定商工業者が選挙権1個を得るには、同日までの負担金納入が必要です。
 新規の会員加入については、同日までに加入手続を完了し、かつ加入金と会費の納入があった場合、選挙権と被選挙権を得ることができます。
 期限までに会費・負担金の納入がない場合は、選挙資格を満たしませんので、お手続きはお早めにお願いいたします。

【問合せ】会員組織担当TEL6944・6251


大手流通業に販路拡大 9月21日 国分西日本 9月26日 キリン堂

 大阪商工会議所は、9月21日と同26日、大手流通業との商談会「ザ・ベストバイヤーズ」を実施する。
 これは、大手卸売・小売業に対して、販路の開拓・拡大を求める中小企業を対象に実施している商談会。大手流通業からバイヤーを招き、取引ルール、許諾要件などに関するセミナーと時間予約制の個別商談を行う。
 9月21日に開催する近畿・中四国を管轄する大手食品卸「国分西日本編」では、食品全般(取扱商品の条件付き)を募集する。一方、同26日に開く大手ドラッグストア「キリン堂編」では、健康・美容関係の商品や日用雑貨、生鮮食品以外の食品など、ドラッグストアで取り扱う商品全般が商談対象。
 新大阪のリージャス新大阪阪急ビルカンファレンスセンター(グロービス大阪)で。参加費(各回)は会員8,000円、一般1万6,000円(1社2人まで参加可能)。

【問合せ】流通担当TEL6944・6440


マクロミクローーー「今日」を大切に

 「キングカズ」の愛称で知られるサッカーJリーグ横浜FCの元日本代表FW三浦知良選手が今年2月のJリーグ開幕戦に先発出場、翌月にはJリーグ史上初めて50歳でゴールを挙げ、世界中を驚かせた。
 私は学生時代に、キングカズが関西のJクラブに所属していた際に練習試合で直接対戦した経験がある。試合開始2時間以上前にグラウンドに到着したが、そこには誰よりも早くグラウンドを訪れ、入念にウォーミングアップして体をケアするキングカズの姿があった。
 そして、試合後シャワーを浴びて高級車で颯爽とグラウンドを後にする他の若手Jリーガーをよそに、誰よりも遅くまでグラウンドに残って練習していたのもキングカズであった。また、背番号である「11」をこよなく愛し、愛車のナンバーも11、駐車場で11番が空いていたらどんなに狭くてもそこに駐車するというこだわりよう。
 「Jリーグ創設のころの20代が一番かというと、そうでもなく、50歳はまだ5合目、見習いのカズです」と言うキングカズ。「今日、今向き合う1日が最も充実していると素直に思える」には理由がある。(11)


中小企業のためのビジネス講演会
世界が驚く「ウルトラテクノロジスト集団」の共創力!〜既存の垣根を越えろ!未来を創るチームラボの挑戦

 多様な人材が集い、高度なテクノロジーを駆使し、未来のものづくりに挑戦するチームラボ。今回は、同社を率いるカリスマリーダー・猪子寿之代表取締役が同社の挑戦を支える「共創力」や未来を創る発想などについて講演する。事前申込制。
日 時 8月2日(水)15:00〜16:30
場 所 ナレッジキャピタル・コングレコンベンションセンター
参加費 会員無料、一般5,000円

問合せ 経営相談室TEL6944・6473


大商・ICT活用新事業研究会
ICTとARの融合で新たな価値創造を目指す

 ICT(情報通信技術)を活用して新規事業の開発・構築に成功した経営者に学ぶ「ICT活用新事業研究会」(全4回)。第1回は、ICTとAR(拡張現実)の融合で中小チラシ印刷企業と中小スーパー、消費者のWin―Win―Winの関係を構築したアドバンクの渡邉功代表取締役がその発想と事業開発・構築の方法を解説する。交流会も開く。事前申込制。
日 時 8月7日(月)15:00〜18:00
場 所 大阪商工会議所
参加費 会員無料、一般5,000円

問合せ 経営相談室TEL6944・6473


中小のサイバー攻撃対策 約7割が「不十分」

大阪商工会議所はこのほど、中小企業のサイバー攻撃対策の実情についての調査結果を発表した。これは、大商が関西の31商議所と協力し、それぞれの会員企業を対象に3〜6月に調査し、315社から回答を得た。
 それによると、「電子メール」(95%)や「ホームページ」(87%)、「ネットバンキング」(66%)など、ITを利活用している中小企業が多いなか、現在実施しているセキュリティー対策は十分ではないと思っている企業が約7割に上った(68%)。
 十分ではないと思っている理由としては、「経費がかけられない」(60%)、「専門人材がいないので分からない」(48%)が上位にあがり、セキュリティーにかける経費は「年間50万円以下」(79%)が最多となった。
 「標的型攻撃メールの受信」(18%)や「ランサムウエアによる感染」(7%)など、企業の規模に関係なく実際にサイバー攻撃の被害にあっていることも判明した。
 情報セキュリティーの担当者がいないと回答した企業が過半数で、専任担当者がいる企業は、わずか4%と、セキュリティーの専門人材不足が顕著な結果となった。
 詳細は、ホームページ(http://www.osaka.cci.or.jp/index3‐11.html)に掲載。

【問合せ】経営情報センターTEL6944・6580


大商の2号議員 各部会で選任

 今年度、大阪商工会議所では、会員の代表である議員(定数150人)の改選が行われる。
 現在、大商は各部会で2号議員の選任を行っている。任期は2017年11月1日から20年10月末まで。6月19〜23日までに選任された2号議員は次の通り。(敬称略、氏名50音順。会社名・役職名は選任時点のもの)
◎生活用品部会(6月19日選任)西村貞一(サクラクレパス代表取締役会長)、水野明人(ミズノ代表取締役社長)
◎機械部会(6月20日選任)有光幸紀(有光工業代表取締役社長)、十川敬二(十川ゴム相談役)、廣瀬恭子(広瀬製作所代表取締役社長)、宮川恭一(レッキス工業代表取締役会長)、吉川秀隆(タカラベルモント代表取締役会長兼社長)
◎情報・通信部会(6月21日選任)石金正己(日本ビジネス開発代表取締役社長)、小笠原通晴(E・C・R代表取締役)、藤田正樹(オージス総研取締役会長)
◎食料部会(6月22日選任)小儀俊光(心斎橋ミツヤ代表取締役社長)、小嶋淳司(大阪外食産業協会相談役)、山本博史(小倉屋山本代表取締役社長)
◎運輸部会(6月23日選任)坂本克己(北港観光バス代表取締役会長)、戸川和良(KNT―CTホールディングス相談役)、藤原崇起(阪神電気鉄道代表取締役・取締役会長)


チリのアジャレス駐日大使 尾崎会頭・倉持副会頭を表敬

 チリのグスタボ・アジャレス駐日大使は、6月23日、大阪商工会議所の尾崎裕会頭と倉持治夫副会頭らを表敬訪問した。
 尾崎会頭は、「チリははるか遠方の隣人。大商としてもチリとの新たな関係構築を築きたい」と述べ、大商が9月に「チリ経済使節団」を派遣することを紹介。2025年国際博覧会の大阪・関西への誘致について協力を要請した。アジャレス大使は、「両国のビジネスは現在も幅広い分野で盛んであるが、そろそろ『次の段階』にきている」と述べ、「日本企業の高い技術力とチリの豊富な資源を協業させて、生産性向上につなげたい。その点では日本の中小企業でも十分役割を果たせる」と期待を寄せた。
 今年、日本との修好120周年を迎えるチリは、中南米市場への進出拠点の地位を確立しつつある。

【問合せ】国際部TEL6944・6411


バングラデシュ外務担当国務相 西村・古川両副会頭を表敬

 バングラデシュのシャリアール・アラム外務担当国務相が6月9日、大阪商工会議所の西村貞一副会頭、古川実副会頭を表敬訪問し、日本とバングラデシュの経済交流について意見交換した。
 アラム大臣は、同国の繊維輸出額は世界第2位で、人口1億6,000万人のうち若年層が半分を占めるなど、国内市場の潜在力を説明。経済特別区への日本企業の投資拡大に期待を示した。
 西村副会頭は、日本企業の活動や自身の留学生との交流を紹介しつつ、「今後、大阪とバングラデシュとの間でビジネスはもちろん、文化や人的な交流を深めることが重要だ」と応じた。古川副会頭は、「政府間援助のみならず民間セクターにおいてもゴミ処理や水処理など環境問題の解決を通じて、バングラデシュ経済に貢献したい」と述べた。
 両副会頭は、2025年国際博覧会の大阪・関西への誘致について協力を要請した。

【問合せ】国際部TEL6944・6400


セレクトUSA投資サミット 世界から3千人

 大阪商工会議所は2016年2月に米国商務省国際貿易局「セレクトUSAプログラム」との間で、日米相互の投資促進を目的とする協力趣意書(MOI)を締結した。
 これを受け、大商は6月18〜20日、同局主催の「セレクトUSA投資サミット」に初めて参加した。米国・ワシントンDCで開かれた同サミットは、今回が4回目の開催。米国の政府要人らも出席した。過去最高の64カ国3,000人が来場し、日本からは大阪ガスや進出企業などから128人が参加した。
 ゼネラル・モーターズ、ゼネラル・エレクトリック、オラクル、シーメンスなどの最高経営責任者(CEO)が登壇。今後、より効率的な生産や効果的な販促を行うには、ビッグデータやデジタルを活用したイノベーションへの取り組みが重要であると話した。

【問合せ】国際部TEL6944・6400


活躍する女性リーダーたち<3>
桃李舎 代表取締役 桝田 洋子さん    継続こそ力なり

 大阪商工会議所は企業で活躍する女性の役員や管理職を応援する「第2回大阪サクヤヒメ表彰」の被表彰者を募集している。第1回受賞者の横顔を紹介する。
                    ◇
 最終回は大阪サクヤヒメ賞を受賞した桃李舎代表取締役の桝田洋子さん。桝田さんは建築の構造設計という「ほぼ100%男性」の業界で実績を積み、信頼を得てきた。専門性の高い分野なので「仕事をするうえで男女格差を感じたことはあまりない」と笑う。しかし、「丁寧に計算し人間の命を守る設計という仕事は実は女性に向いている」という自論から、全員女性の一級建築士による構造設計事務所を構える。
 スタッフが出産した後、1年間事務所にベビーベッドを置いて、全員で赤ちゃんを見守りながら仕事をした。その様子を日本建築学会で披露すると、会員から少なからずの反響があったという。さらに全国から女性エンジニアが集う交流会を仕掛け、連携の核もかって出る。
 物静かな桝田さんだが、「継続こそ力。どんな形でも仕事は続けて」と後進に贈るエールは力強い。


新産業創出へ協議会設立 
うめきた2期 記念シンポ

 大阪商工会議所は、関西経済連合会、大阪府、大阪市、都市再生機構および大阪科学技術センターとともに、「うめきた2期みどりとイノベーションの融合拠点形成推進協議会」を6月20日に設立した。
 設立を記念して、8月2日に記念シンポジウムを開く。大阪大学の西尾章治郎総長の基調講演の後、うめきた2期におけるイノベーションエコシステムの構築についてパネルディスカッションを行う。
 午後2時30分〜5時30分、グランフロント大阪(大阪市北区)で。無料。定員275人。事前申し込み先着順。詳細はホームページ(http://www.ostec.or.jp/news/20170620398/)に掲載。
 同協議会は、関西一円の研究開発拠点などにおける卓越した技術と人をつなぎ、新産業創出を加速する仕組みを構築するなど、うめきた2期区域における「みどりとイノベーションの融合拠点」の形成を推進し、まちびらきに向けた先行的な取り組みを行う。

【問合せ】ライフサイエンス振興担当TEL6944・6484


メンタルヘルス・マネジメント検定試験
心の健康と活力ある職場づくりのために

大阪商工会議所は、働く人たちの心の不調の未然防止と活力ある職場づくりを目指して、職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を習得するための「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」を企画・実施している。11月と来年3月に公開試験を行うとともに、随時、企業の会議室などで日時を指定して受験できる団体特別試験も行っている。

【問合せ】メンタルヘルス・マネジメント検定試験センターTEL6944・6141

ストレスチェック義務化2年目 継続で結果を有効活用
テキスト編集委員会委員 松本桂樹さんに聞く

 メンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的に、「ストレスチェック制度」が従業員数50人以上の事業場を対象に義務化されて2年目に入った。大阪商工会議所が企画・実施する「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」のテキスト編集委員会委員で、外部機関としてストレスチェック業務を受託しているジャパンEAPシステムズの松本桂樹社長は、「継続して取り組むことで、結果を職場の環境改善に向けて有効活用できる」と継続することの重要性を指摘した。

 ――初年度の実施状況がまとまりました。
「当社がストレスチェック業務を受託している231社に実施した調査では、全体で従業員の回答率は89.4%だった。制度が義務化される以前から自主的に実施している会社では回答率が高いし、高ストレスに該当した場合の医師面接の受診もスムーズだ。回を重ねることで、回答率も上がり、有効に活用できるということだろう」
――高ストレス者の割合をどう受け止めるといいですか。
「全回答者に占める高ストレス者の割合は11.4%だった。これは、厚生労働省のマニュアルに記載された数値(約10%)よりもやや高い。なかには20%を超える職場もあった。命をあずかる現場など、精神的・肉体的な負荷の高い職種では高めに出やすい。高ストレスと判定されても直ちに医師面接の対象になるのではない。職種の特徴なども考慮して各企業で医師面接の対象者の基準について産業医と相談しておくのが望ましい」
――今回の結果から見えてきた各企業での課題は何ですか。
「高ストレス者で医師面接の対象に該当するが、面接を受けようとしない人へのフォローの仕方に課題がある。対策としては、時期を見計らい、ストレスチェック以外の気になる理由をもとに医師に面接してもらうことも一つだ。医師面接を希望しなかった場合、1回は実施者や実施事務従事者から再確認の連絡をすると事前に取り決めておくのもよい。面接する医師が話しやすい人柄であったり、人気があると面接に行きやすいという話も聞く」
――結果の取り扱いが個人情報の管理の観点から難しいという声も聞きます。
「個人結果は人事担当者などの実施事務従事者や、産業医などの実施者は知りうる立場にある。一方、人事権を持つ総務部長や人事課長が知るには、情報共有について本人からの同意が必要だ。この辺りもこの制度の運用が難しく感じられる点である」
――制度を有効に活用するにはどうすればいいですか。
「初回だった今回は、結果をどう生かすかよりも実施することで各社とも精いっぱいだったようだ。定点での社員リストをまとめるのも大変だったという声もある」
「2回目の結果が出れば、1回目と比較して対策を議論できる。特に集団分析の結果を踏まえた対策の検討が重要だ。結果を他の部署と比較するよりも、同じ部署での経年変化を見る方が対策を立てやすい。そして、現場の管理職に思い当たるところをヒアリングして環境改善に向けたグループワークを実施するなどの次に向けたステップにつなげていくとよい」
――企業での対策の一つとして大阪商工会議所の「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」の活用が考えられます。
「人事労務管理スタッフや管理監督者、一般社員といった職位・職種別に応じて、法令や疾病に関する知識やストレスへの対処法など多岐にわたる必要な項目を1冊のテキストで学ぶことができるので、メンタルヘルスに関する正しい知識を効率的に習得しやすい」
「今回、テキストが改訂され、ストレスチェック制度の概要や留意事項が盛り込まれた。メンタルヘルスに関する最近の動向や各種法令の改正も加わっているので、メンタルヘルス不調の防止や職場環境の改善にお役立ていただきたい」

まつもと・けいき 1995年東京学芸大学大学院教育学研究科心理臨床講座修了(教育学修士)。97年ジャパンEAPシステムズに入社し、2001年EAP相談室室長、13年社長。臨床心理士。精神保健福祉士。1級キャリアコンサルティング技能士。メンタルヘルス・マネジメント検定テキスト編集委員会委員。47歳。

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受験者は45,000人超

 メンタルヘルス・マネジメント検定試験の特徴は、(1)第一次予防(疾病の未然防止)に重点を置いている(2)ラインによるケア、組織全体によるケアの促進を目指している(3)産業保健だけでなく、人事労務管理の観点も重視している──の3点。試験は、職位・職種別(対象別)に3つのコースを設定している。2016年度の受験者数は45,000人超に上った。


メンタル不調 未然に防ぐ

1.メンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を効率的に習得
「メンタルヘルスケアに関する知識」を習得しようとする場合、その内容は「疾病に関する知識」だけでなく、「ストレスへの対処方法」「法令や指針に関する知識」「コミュニケーションのとり方」「職場環境の改善」など多岐にわたり、これらを一つひとつ調べていくことは相当な時間と労力を要する。
同検定試験の公式テキストは、社内での役割に応じた知識や対処方法が体系的に1冊にまとめられているため、効率的に学習することが可能。
2.学習の成果を客観的に測定し、知識を確実に定着
検定試験を受験する場合、聴講するだけの研修や講演とは違い、受験者が自発的に公式テキストや問題集などで学習することになるため、一層の知識の定着を図ることが可能。
検定試験を受験することで、合否や点数などにより、知識の定着の度合いを客観的に測定することができるため、社員に受験を奨励するほか、管理職への昇進の条件として活用している企業もある。
3.人材育成プログラムを拡充し、現場で知識を活用
「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」を企業単位で導入することにより、社内の人材育成プログラムを増やすなど、社内におけるメンタルヘルス対策を拡充することが可能。
正しい知識や対処方法を身につけた従業員が社内に増え、それぞれの職場で役立てることが、メンタル不調を未然に防ぐことにつながる。「団体特別試験」制度を活用することで、社内で日程や場所を設定して受験することもできる。

公式テキスト改訂 最新の動向を反映

 同検定試験の公式テキストを4年ぶりに改訂し、今年6月に「第4版」を発行した。
今回の改訂では、ストレスチェック制度など第3版発行以降の法令改正や職場のメンタルヘルス対策をめぐる動向などを盛り込むとともに、各種統計調査の結果を更新した。
これに伴い、第23回公開試験(11月5日実施)から、第4版に準拠して出題。また、9月以降に実施する団体特別試験も第4版に準拠して出題する。

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合格者の声 受験を通じ、確かな知識に
ダイキンエアテクノ 計装事業部 水谷有花さん

 当社では「明るく元気な職場作り推進」を目的とする活動の中で、部員への2種取得を推奨し、受験要領などPR活動を実施しています。私は上記の取り組みにより取得を目指す同僚を知ったことをきっかけに、セルフケアのみならず、職場の心の健康保持に必要な知識を学び、当社の元気な職場作りに少しでも貢献したいと思い、2種を受験しました。
公式テキストには、不調時における社内での相談対応のポイントをはじめ、ストレス要因や心の不調に対する早期の気づきと対処・軽減の仕方、不調者を出さないための職場環境の改善方法などが体系的にまとめられており、合格という目標を持って学習することで、知識の定着をはかることができます。
学習方法は、テキストを一通り読み、その後市販の過去問題集を繰り返し解きました。過去問題集で分からない点は、テキストを読めば必ず理解できる内容が書かれていたので、効率良く、安心して勉強できました。
2種では後輩を持つリーダー層、部下を持つ管理職の方にぜひ学んでいただきたい内容が網羅されていますし、3種は一般社員、とくに学生から社会人になって大きく環境の変わる新入社員の方には、大いに役立つと思います。
私は、1種まで受験して無事合格することができましたが、受験することで、一時的な知識ではなく、職場で実践できる知識が身についたと実感しています。今後は、社内のコミュニケーションをさらに円滑にし、働きやすい職場づくりと社員の心の健康の増進に向け、学んだことを一つひとつ行動に移していきたいと思っています。

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過去問題にチャレンジ!
V種(セルフケアコース) 第17回出題
自己管理としての早期対処に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つだけ選び、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。
(1)メンタルヘルス不調は、心理的な分野であるだけに発症の状態が第三者には分かりにくいという面がある。
(2)人によりストレスの現れ方は違うが、「気分が乗らない」、「少し落ち込んでいる」などの気分の面に強くでる人がほとんどである。
(3)メンタルヘルス不調の初期段階では、それが単なる一時期の心の反応なのか、それともすでに病的レベルの問題であるのかの区別はつきやすい。
(4)メンタルヘルス不調の問題は、多くの場合、独力で解決できる問題が多いので、まずは自力で対処してみる。
答え(1)

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U種(ラインケアコース) 第17回出題
部下のストレス要因に対する管理監督者の対応に関する次の記述のうち、最も不適切なものを一つだけ選び、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。
(1)勤務成績の査定が悪かった部下や、本人の性格に問題があって職場で孤立している部下に対して、注意深く様子を観察し、しばしば声をかけて心身の健康状態を確認するように努めた。
(2)この3カ月間、部署全体で1カ月当たり100時間を超える残業が続いているので、業務量の偏りや仕事の配分を見直し、全体の残業時間を減らすよう対策をとった。
(3)結婚や出産、昇進などの喜ばしいことが続いている部下でも、さりげなく心身の様子を尋ねるなど、無理のない範囲で注意を向けるようにしている。
(4)嫌がらせやいじめ、セクシュアルハラスメントの訴えが相次いだが、慎重な対応が必要と、具体的対応はとらずに様子を見た。
答え(4)


今から始める中小企業の新卒採用活動 <第2回>

社長:今は、ダイレクトリクルーティングなんて、採用方法もあるんかぁ。恥ずかしいけど聞いたこともないわぁ。具体的にどうやって学生を採用するんや?
大商職員:大阪商工会議所が提供している「OfferBox」というサービスをもとに説明いたします。前回(6月10日号)お伝えしたとおり、ダイレクトリクルーティングとは、サイトに登録されている学生の中から企業が会いたい人材を探し、直接学生本人にコンタクトを取り、採用につなげることができる採用手法です。
 具体的な流れは、(1)サイトに登録されている学生の中から、学校名や専攻や希望勤務地などの条件から「会いたい学生を探す」(2)部活動の写真や自己PR文を通して「気になる学生のプロフィールを確認する」(3)選定した対象の学生に対して、個々のオファー文面を作成し、送信する(4)オファーに返信があった場合、個別面談や会社見学会、少人数の説明会などに誘導する──。
 費用は採用に至った場合のみ発生する成功報酬型システムで、費用対効果が明確で中小企業にとって利用しやすいのも大きな特徴です。
 このようにダイレクトリクルーティングとは、学生が応募してくるのを待つ採用ではなく、企業が主体的に学生にコンタクトできるため採用機会の拡大につながる大きな利点があります。
 一方で、実際に行う際には「会いたい学生を探す」「魅力的なオファー文を作成する」「学生の自社に対する関心・意向の底上げ」といった点に苦労すると言われています。空前の売り手市場ではありますが、今後は大卒者の人数も減少に転じていきますので、自社にとって良い学生を採用するためには、真剣に採用活動に取り組み、ノウハウを蓄積していく必要があると思われます。
大商では中小企業の人材採用活動を支援しています。お気軽にご相談下さい。
【問合せ】人材採用支援担当
     TEL6944・6499
(監修:i―plug)


市場動向や参入のヒント紹介 ロボット産業セミナー7月21日

 大阪商工会議所は7月21日、大阪府や大阪府立大学と共同で「バッテリーを活用したロボット産業参入セミナー」を開く。
 新たな事業展開を模索する企業が市場拡大の期待されるロボット関連産業に円滑に参入できるよう、ロボット製品において先導的な活動を実施する企業の開発者が市場動向や製品開発、今後の展望などについて解説する。また、ドローンのカスタム開発に参入している企業の事例や新規参入のヒントとなる情報を紹介する。講演後は登壇者との名刺交換会も行う。
 午後2〜5時、マイドームおおさかで。無料。定員120人。事前申し込み先着順。詳細はホームページ(http://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/201706/D22170721011.html)に掲載。

【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300


社会実証・実装の必要性を語る AIビジネス研究会

大阪商工会議所は7月28日、「人工知能ビジネス研究会」の第2回例会を開く。産業技術総合研究所(産総研)、人工知能技術コンソーシアム関西支部(事務局=大商)との共催。
 産総研人工知能研究センターの本村陽一首席研究員が、人工知能(AI)の社会実証・実装の必要性について講演する。また、「AIを活用した事業開発のポイント」をテーマにパネルディスカッションするほか、意見交換会も実施する。午後3時〜5時30分、大商で。参加費はコンソーシアム会員無料、大商会員3,000円、一般5,000円。定員70人。事前申し込み先着順。

【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300


小規模・中小事業者向け 無料相談を実施

 大阪商工会議所の「小規模事業再生サポートセンター」は、大阪府内の小規模・中小事業者向けに経営安定や事業継続に関する無料相談を実施している。
 経験豊富な専任サポーターが、取引先倒産への対処、借入金の返済条件見直しや借換一本化、資金繰り、公的施策の活用などについて助言するほか、金融機関へ提示する資金繰り表や経営改善計画の立案なども支援する。倒産を未然に防ぐための経営安定特別相談や財務、融資・返済、保証や担保、事業の将来性の見通しの明確化などに関する金融相談、また、大阪府中小企業再生支援協議会との連携など総合的な支援が特長。必要に応じて弁護士、税理士などもアドバイスを行う。
 事前予約制。事業内容や直近3期の決算書、勘定科目内訳明細表などの情報をご提示下さい。

【問合せ】経営相談室TEL6944・6472


実施企業を募集 外国人留学生対象インターンシップ

 大阪商工会議所は、外国人留学生対象の「テーマ(課題解決)型インターンシップ」を実施する企業を募集している。
 外国人留学生の採用を検討する企業が、留学生をまずインターンシップ生として受け入れ、相互理解を深めることにより、正社員採用につなげていくことが狙い。
 テーマ型インターンシップは、企業から解決したい課題を事前に設定。課題解決に向け、留学生が社員と共同で企画、研究、分析などを行う。
 参加するのは、日本企業への就職を希望する関西圏の外国人留学生。関西大や大阪大などで構成する留学生支援組織と連携して実施する。
 実施期間は原則9〜11月のうち1〜2週間程度。留学生への報酬は不要。締め切りは7月31日。

【問合せ】人材採用支援担当TEL6944・6499


販路・IT・技術など専門家と交流 8月28日

 大阪商工会議所は8月28日、経営課題解決の頼りになる販路・IT・技術など「専門家派遣」「企業OB活用」で活躍中の専門家との「出会いの場」を提供する「専門家との交流会」を開く。
 大商の「専門家派遣制度」や「企業OB活用事業」の利用案内、事例紹介を行うほか、専門家や企業OBとの交流会(名刺交換会)を実施。各分野の専門家、企業OBのほか、大商の経営指導員も参加し、相互の交流を図る。
 また、サイトウジムキの斎藤元有輝社長が「フェイスブックより集客・売上UP効果大! LINE@ビジネス活用術」と題し講演する。
 講演会は午後2時〜3時15分、交流会は午後3時15分〜5時、大商で。無料。定員80人。事前申込制。

【問合せ】経営相談室TEL6944・6470


創業応援セミナー 「夢職人」の辻社長が講演

 大阪商工会議所は8月23日、大阪府内での開業を目指す人、関心のある人を対象に、「創業応援セミナー」を開く。
 夢職人の辻陽平社長が「高級歯ブラシ『MISOKA』世界にはばたく」をテーマに講演。1本1,000円以上と高価格ながら、380万本売り上げるまでの10年間で経験した苦労や喜び、経営者としての心構え、困難の乗り越え方などを語る。
 また、大阪府や日本政策金融公庫、大商の創業支援策を紹介するほか、9月30日に開講する「大商開業スクール」を案内する。午後3〜5時、大商で。無料。定員100人。事前申込制。詳細はホームページ(http://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/201706/D13170823010.html)に掲載。

【問合せ】経営相談室TEL6944・6473


ビジネス会計検定試験 受け付けは7月28日まで

 大阪商工会議所は、9月3日に実施する第21回「ビジネス会計検定試験」の受験申し込みを7月28日まで受け付けている。
 同検定は、財務諸表に関する知識や分析力を問うもので、あらゆるビジネスパーソンのスキルアップに役立つもの。
 今回は、2、3級を実施。受験料は2級6,480円、3級4,320円。
 公式テキスト・過去問題集は主要書店または大商内の売店で発売中。受験の申し込み方法などの詳細は同検定ホームページ(http://www.b-accounting.jp/)に掲載。
2級受験対策講座
日 時 7月22、29日、8月5日(全3回)各回とも10:00〜17:00
場 所 大阪科学技術センタービル
受講料 会員・学生24,600円
    一般   28,800円

問合せ 検定担当TEL6944・6430


大手流通業海外市場への販路開拓セミナー

 大阪商工会議所は、8月31日と9月1日に、販路開拓セミナーを開く。
 8月31日は、バイヤーズ・ガイドの永瀬正彦編集発行人が「大手流通業が求める商品企画や、商談成立に導くノウハウ」を紹介。午後2時〜3時30分。
 9月1日は、中国EC取引で圧倒的なシェアを誇るアリババの担当者が「インターネットを活用した海外市場での販路開拓」について解説する。午後2〜4時。
 両日とも場所は大商。会員は各回1人まで無料(2人以上の場合、各回1人1,000円)。一般は各回1人1,000円。事前申込制。詳細は、ホームページ(http://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/201706/D17170831020.html)に掲載。

【問合せ】流通担当TEL6944・6440


2017.07.19
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