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ベンチャ−企業の経営・経済動向調査
平成11年9月

(第109回経営・経済動向調査・付帯調査)
・調査時点  : 平成11年8月下旬〜9月上旬
・調査対象期間: 平成11年7〜9月期実績見込み、平成11年10〜12月期予測、平成12年1〜3月予測 
・調査対象  : 大阪府下に本社を有する268 社のベンチャ−企業経営者
(大商グロ−バル・ベンチャ−・フォ−ラム参加企業、日経ビジネス・ベンチャ−年鑑など各種資料をもとに抽出)
・回答状況  : 回答 127社(有効回答率47.4% )

調査結果内容

国内景気


平成11年7〜9月期の国内景気の総合判断はB.S.I 値1.6 と一般企業のB.S.I 値▲0.8 に比べ、国内景気に対する見方は良い。今後の見通しについても、一般 企業が平成11年10月〜12月期B.S.I 値8.5 、平成12年1〜3月B.S.I 値5.7 であるの対し、ベンチャ−企業は平成11年10月〜12月期B.S.I 値9.9 、平成12年1〜3月B.S.I 値14.7と楽観的な見方となっている。

        ※BSI値=(上昇回答割合−下降回答割合)÷2


自社業況

平成11年7〜9月期の自社業況の総合判断については、B.S.I 値▲3.3 と、一般 企業(B.S.I 値▲9.9)と比べると6.6 ポイント、中小企業(B.S.I 値▲15.3) に対しては12ポイント、マイナス幅が小さい。今後の見通しでは、中小企業が平成11年10月〜12月期B.S.I値▲3.9 、平成12年1〜3月B.S.I 値▲10.6とマイナスが続いているものの、ベンチャ−企業は平成11年10月〜12月期にはB.S.I 値3.3 、平成12年1〜3月期B.S.I 値7.8 と回復が続くと予想している。

経営上の問題点

経営上の問題については、第1位〜3位(「受注・売上不振(63.8%) 」「過当競争(30.7%)」「製商品価格安(29.9%) 」)は一般企業と同じであるが、4〜5位には新規企業やベンチャ−企業特有の問題である「技術開発力不足(26.6%) 」「マ−ケティング不足(25.2%) 」があげられている。                        

自社業況の各項目(まとめ)

平成11年7〜9月期の生産高・売上高・工事施工高は、B.S.I 値▲3.2 と中小企業のB.S.I 値▲12.5より9.3 ポイント上回る。今後の見通しでは、平成11年10月〜12月期にはB.S.I 値2.0 、平成12年1〜3月B.S.I 値7.7 とプラスの予測。
 
 平成11年7〜9月期の製・商品サ−ビス価格・建設請負価格は、B.S.I 値▲12.8と一般企業( B.S.I 値▲12.7) とほぼ同じ。今後の見通しについても一般 企業とほぼ同様の予測。
 
 平成11年7〜9月期の経常利益は、B.S.I 値▲ 8.0と中小企業のB.S.I 値▲20.5より12.5ポイント、マイナス幅が小さい。今後の見通しでは、平成11年10月〜12月期B.S.I 値0.0 、平成12年1〜3月B.S.I 値3.6 となっている。
 
平成11年7〜9月期の所定外労働時間はB.S.I 値▲ 5.6と、中小企業のB.S.I 値▲10.0より4.4 ポイント、マイナス幅が小さい。
 
 平成11年7〜9月期の製・商品在庫はB.S.I 値 8.7と一般企業(B.S.I値 9.0) とほぼ同じ。今後の見通しについても一般企業とほぼ同じ予測。             
 
 平成11年7〜9月期の資金繰りはB.S.I 値▲ 2.8と大企業(B.S.I値▲ 3.8) 、中小企業 (B.S.I 値▲ 9.0) と比べて、マイナス幅が小さい。

雇用について


平成11年度末の雇用(従業員)の増減を聞いたところ、10年度より増やすとした企業( 18.1%)が減らすとするもの( 26.0%)より少ない。一方、同じは54.3% 。

設備投資について


平成11年度末の設備投資(支払い金額ベ−ス)について聞いたところ、10年度より増やすとする企業は16.5% にとどまる一方、減らすとするものが29.9% と投資意欲の減退が伺える。同じとするものは52.0% 。

研究開発費について


製造業のみに、平成11年度末の研究開発費について聞いたところ、10年度より増やすとした企業は25.9% 、同じが58.0% と合わせて83.9% の企業が前年並み以上の支出をするとしている。一方、減らすとした企業は13.6% 。               

日本版SBIRについて


日本版SBIRについての利用の有無を聞いたところ、利用申請しないが41.7% 、利用する(した)が7.1%、知らないが46.5% と、制度そのものも知らないというのが半数近くあった。一方、利用申請しないと答えた人の理由には、「認可要件が厳しい(26.4)」、「手続きが複雑(22.6%) 」という意見が多かった。                

直接金融による資金調達手段


直接金融による資金調達手段として期待しているものを聞いたところ、「ナスダック・ジャパン市場(28.3%) 」が最も多く、日本証券業協会店頭市場(13.4%) 」と続く。一方、「大阪証券取引所新市場」は7.9%にとどまった。なお、無回答は36.2% 。

国等への要望


国などへ要望したいものとしては、「政府系金融機関の融資拡充(37.8%) 」という意見が一番多かった。次いで、「公的保証付与による中小企業社債発行市場の活性化(25.2%) 」が続く。さらに、「情報通信・環境・バイオなど成長15分野への集中投資20.5%) 」「国立大学教員に民間役員兼務を認める(15.7%) 」「キャピタルゲイン減税など新たなベンチャ−支援税制の創設(18.9%) 」エンジェル税制の拡充(12.6%) 」などとなっており、規制緩和や税制措置などでベンチャ−企業に資金や有能な人材が集まるよう求める意見が目立った。

第109回経営・経済動向調査



2003.4.1更新
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