1.目的 中小小売商業者を取り巻く環境は、大型店の進出や消費者ニーズの多様化などの影響を受け年々厳しくなっている。こうした状況の中で、複数の商店街を一つの実質的な商業集積と捉え、買い物施設としてさらには公共空間として、地域資源との連携を深めながら総合的な魅力を向上していくことが求められている。 大阪市北区の東部に位置する天神橋地域は、大阪天満宮をはじめとして、歴史的・文化的遺産が地域資源として存在する大阪の顔ともいうべき地域である。天神橋筋商店街は大阪天満宮の門前町として自然発生的に形づくられ、300年の伝統と近代化への革新をとげながら大阪を代表する商店街として発展してきた。しかしながら、近年の商業環境の変化や梅田地区の大規模開発にともなう商業集積地の変化等による商店街への影響が予想されるなかで、単に商店街だけでなく天神橋筋地域全体のポテンシャル低下等も踏まえた多様な課題への対応を考慮しながら、望ましいまちづくりのあり方を検討していく必要がある。 したがって、本地域の将来像を想定しつつ、その核となる天神橋筋商店街において周辺地域との連携の中で新たな商店街づくりのモデルとなるような方策を提案することを目的とする。 2.視点
「近隣・広域からの来街者を増やし、商店街・市場での買い物行動に結び付ける」ことを基本として、買い物施設としての商店街・市場の魅力向上を図る方策、地域資源と商店街活動の結びつきを強化する方策、魅力的な公共空間の整備方策など、地域の資源との連携や歴史・文化の活用といった観点から商店街活性化に向けてのモデル事業を提案する。 3.内容
・商店街の実態調査(基礎的データ整理) ・地域資源調査等 ・天神橋筋商店街の問題点と課題 (2)天神橋筋商店街活性化のコンセプト
・地域の核となる商店街(集客魅力のある商業集積)、地域文化・情報発信のリーディングゾーン、まちの資源の回遊拠点 (3)活性化方策のメニュー
2.天満宮などの資源を活かしたまちづくり
3.地域全体を情報発信する仕組みづくり
(4)活性化方策の重点プログラム
2.天満宮周辺地区整備計画 3.建替支援モデル事業 4.商店街支援組織による活性化事業 5.その他の事業 (5)今後の課題
4.検討の方法及び体制 この計画は、対象地域の現況について関連文献及び各種既往調査を参考とするとともに、現地踏査、ヒアリング等を実施し実態を把握した。また、計画内容の具体的検討にあたっては、「天神橋筋商店街活性化計画策定委員会」を設け、戦略テーマごとのワーキンググループによる作業を通して行い全体を事務局がとりまとめた。
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2003.4.1更新 |