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設備投資・雇用動向に関する調査結果について
(平成12年6月)
大阪商工会議所では、四半期毎に実施している「経営・経済動向調査」(第112回)の付帯調査として「設備投資・雇用動向に関する調査」を実施し、 この度結果を取りまとめた。結果の概要は以下の通り。

<調査の概要>
調査時点 平成12年5月下旬〜6月上旬
調査対象 大阪府下に本社・本店を有する1,302 社の経営者
回答企業 681社(うち大企業314社、中小企業367社)
回答率 52.3%

<調査結果の概要>
 ・平成12年度の在阪企業の設備投資は大企業を中心に持ち直し傾向。
平成12年度の設備投資実施予定では、「平成11年度より増額」が22.2%、「平成11年度と同等」が37.3%と、両者あわせて全体の約60%が平成11年度と同様ないし上回って実施するとしている。規模別に「平成11年度より増額」、「平成11年度と同程度」の合計を見ると、大企業では69.8%、中小企業では50.7%となっている。投資目的は、「補修・更新」(58.4%)、「省力化・合理化」(45.0%)、「情報化」(38.3%)、「能力増強」(33.1%)の順となっている。


 ・ 雇用動向を見ると、在阪企業の4社に1社が従業員の過剰感を訴えている。

  現在の従業員の過不足状況については「過剰である」との回答が23.3%で、規模別では大企業が26.8%、中小企業では20.4%となっている。こうした企業に今後の人員削減の予定を尋ねると、「あり」が30.8%(大企業35.7%、中小企業25.3%)、「検討中」が42.1%(大企業35.7%、中小企業49.3%)となっている。
T.設備投資について
1.平成11年度末の設備の過不足状況について
 平成11年度末の設備の過不足状況について尋ねたところ、「ほぼ適正」と回答した企業は77.7%、「過剰 である」は10.4%、「不足している」は10.3%となった。
 製造業の大企業で「過剰である」が16.0%に及び、中小企業(同9.6%)に比べ過剰感が強い。
2.平成12年度の設備投資について
 平成12年度(平成12年4月〜同13年3月)の設備投資額について尋ねたところ、「11年度と同程度で実施」 が37.3%、「11年度より増額して実施」が22.2%となり両者を合計すると約60%の企業が11年度と同程度ないし上回って実施するとしている。
一方で、「12年度は実施しない」とする企業も24.1%ある。
規模別に「平成11年度より増額して実施」、「平成11年度と同程度で実施」の合計を見ると、大企業では69.8%、中小企業では50.7%となっている。
 製造業の大企業で「11年度より増額して実施する」が36.1%となり、積極化する動きがうかがわれる。
3.設備投資の目的
 設備投資を実施する企業にその目的を尋ねたところ(複数回答選択)、「補修・更新」が58.4%、「省力化・合理化」が45.0%、「情報化」が38.3%、「能力増強」が33.1%と続く。
 製造業の大企業では「省力化・合理化」が68.1%と最も多い。


4.IT投資の実施状況

 IT投資の実施について尋ねたところ、「インターネット利用のため実施した」が49.2%、「パソコン等は導入しているが本格的なインターネット活用にまでは至っていない」が41.0%、「実施していない」が9.4%となっている。
 規模別に見ると、大企業では「インターネット利用のため実施した」が59.9%を占めるのに対し、中小企業で は40.1%にとどまり、「パソコン等は導入しているが本格的な活用にまでは至っていない」(45.5%)企業の方 が多い。
 製造業の大企業で「インターネット利用のため実施した」が72.3%と約4社に3社の割合となった。


5.今後のIT投資について

 今後のIT投資について尋ねたところ、「投資効果を判断して必要に応じて投資する」との回答が75.8%と最 も多い。また「積極的に投資する」との回答も約1割(9.3%)あった。
 規模別・業種別とも約4社に3社の割合で「必要に応じて投資する」としているが、中小企業あるいは非製造業では「投資予定なし」と回答している企業もそれぞれ19.3%、18.1%と2割弱ある。
U.雇用状況について

1.現在の従業員の過不足状況
 現在の従業員の過不足状況について尋ねたところ、「適正」が67.4%、「過剰」が23.3%、「不足」が8.1%となり、4社に1社が人員過剰感をもっている。
 業種別に見ると、「過剰」と回答する企業が製造業で26.9%、非製造業で20.3%となっている。特に製造業の大企業で「過剰」が33.6%となり、過剰感が強い。


2.人員過剰な部門

 1.で「過剰である」と回答した企業に人員過剰な部門を尋ねたところ(複数回答選択)、「生産」(57.9%)、 「事務」(49.1%)、「営業・販売」(32.7%)、「研究・技術開発」(8.8%)の順となった。
 規模別に見ると大企業では「事務」が66.7%でトップであるのに対して、中小企業では「生産」が62.7%と最も多くなっている。


3.人員削減の予定

 1.で「過剰である」と回答した企業に人員削減の予定を尋ねたところ、「予定あり」との回答が30.8%となった。
 製造業の大企業で「予定あり」とする回答が37.5%と高くなっている。


4.人員削減への対応

 3.で「予定あり」「検討中」と回答した企業にその対応方法を尋ねたところ、「正社員の削減」(44.8%)、 「パート等臨時雇用・正社員ともに削減」(37.9%)、「パート等臨時雇用の削減」(12.1%)の順となった。


5.人員不足の部門

 1.で現在の従業員について「不足である」と回答した企業に人員不足の部門を尋ねたところ、「営業・販売」(50.9%)、「生産」(43.6%)、「研究・技術開発」(38.2%)、「事務」(25.5%)の順となった。
 規模別に見ると、中小企業で「営業・販売」(57.6%)、「生産」(51.5%)の割合が高い。


6.人員不足への対応予定

 1.で人員不足への対応予定を尋ねたところ、「予定あり」が38.2%、「検討中」が58.2%となっている。
 製造業の中小企業では半数以上(52.6%)が「予定あり」と回答している。


7.人員不足への対応

 6.で「予定あり」、「検討中」と回答された企業にその対応方法について尋ねたところ、「人員を補充」が60.4%と最も多く、「人員補充と業務の外部委託等を同時に行う」が26.4%、「人員補充ではなく業務の外部委託等をすすめる」が11.3%となっている。


8.補充人員の雇用形態

 7.で「人員を補充」、「人員補充と業務の外部委託等を同時に行う」と回答した企業にその補充人員の雇 用形態を尋ねたところ(複数回答選択)、「正社員の採用」(84.8%)、「パート等の採用」(34.8%)、「派遣社 員の採用」(17.4%)の順となっている。
 規模別、業種別とも「正社員の採用」を挙げる企業が8?9割と最も多いが、中小企業では「パート等の採用」も40.7%と大企業(26.3%)に比べ多くなっている。


9.雇用問題についての意見・要望(自由記入)
 雇用問題に関する意見・要望等を尋ねたところ以下のような回答があった。

  • 雇用助成金制度の拡充を望む(倉庫業・中小企業)
  • ハローワークを経由しない中高年者の採用についても助成金の対象としてほしい(専門サービス業・中小企業)
  • ハローワークや雑誌等に求人しても採用したいと思う人材の応募がない(その他卸売業・大企業)
  • 大企業から中小企業への人材の流動化を促進してほしい(化学品製造業・大企業)
  • 新規学卒者の採用時期が早くなってきており中小企業では対応が困難(非鉄金属製造業・中小企業)
  • 外国人労働者を雇用しやすい環境にしてほしい(機械金属卸売業・中小企業)
  • IT時代に対応できる人材が不足(その他卸売業・中小企業)
〔本件担当〕 経済部  西田
TEL 06−6944−6304


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