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非正社員(パート、人材派遣等)
の雇用状況等に関する調査(要約)

〜平成9年度大阪の標準者モデル賃金付帯調査〜
平成9年12月/担当:経済部 石井
終身雇用制度の見直し等ますます多様化された人事政策が進められている中、大商ではこの程、在阪 企業における非正社員の雇用の現状や今後の人事政策、さらに平成9年4月1日より有料職業紹介の対 象業務が原則自由化されたことを受けての今後の有料職業紹介事業の活用についての実態を探るため、 本調査を実施した。調査期間は平成9年7月〜8月末。アンケート方式により大阪市内に本社を有する常用従業員30人 以上の企業を中心とする、 2,058社を対象とした。有効回答は633件。回答率は30.8%。
非正社員とは、パートタイマー、派遣労働者、出向社員、臨時・日雇労働者、契約・登録社員を指す。

1.調査結果の特徴


1)非正社員の雇用状況と今後の人事政策

  • 非正社員が全従業員の20%以上を占めている企業は約3割。非正社員の種類は業種や規模に関わ らず「パートタイマー」を採用している企業が36.2%と最も多かった。しかし、非製造業では 「出向社員」を雇用するケース(19.6%)も目立っている。
  • 今後の人事政策として、「正社員、非正社員ともに雇用する」企業が約7割を占めており、企業が リストラを進める中で非正社員の雇用は徐々に定着しつつある。

2)派遣労働者の雇用と有料職業紹介の利用について

  • 規制緩和が進む派遣労働者の雇用については「専門的業務に対応するため」や「臨時・季節的業務 に対応するため」、「人件費節約のため」との回答が多かった。最も多かった職種は「事務用機器 操作」。ただし問題点として「人件費の上昇」が約2割の企業から指摘されている。
  • 対象職種がホワイトカラーなどにも拡大され、原則自由化された有料職業紹介の利用については、 「普及すれば利用する」との回答(42.7%)や「信用できる機関が行うならば利用したい」と の回答(27.5%)が多かった。また「積極的に利用したい」というものは7.2%となってお り、これらをあわせると、これまで、技術・専門職など限定的になっていた有料職業紹介の利用に 対して前向きの姿勢を見せている企業は全体の7割以上を占めている。

2.調査結果の概要


1)非正社員の雇用状況と今後の人事政策

  • 現在の非正社員の割合が20%以上を占める企業が3割もある。比率別 では、0%超20%未満の 企業が最も多い(59.8%)。20%以上40%未満の企業(11.8%)がそれに続く。これ らを合わせると、非正社員割合0%超40%未満の企業が7割以上を占めている。
  • 非正社員の種類は、業種や規模に関わらず、「パートタイマー」を採用している企業が一番多い( 36.2%)が、非製造業では、「出向社員」を雇用している企業(19.6%)が目立つ。
  • 今後の採用方針は「正社員と非正社員の両方を採用する」と回答した企業が最も多く    (70.3%)、企業がリストラを進める中で、非正社員の雇用は徐々に定着しつつある。また、 今後採用する正社員と非正社員の比重についても、「比重に変更を加えない」とする企業が最も多 い(71.9%)が、「非正社員の比重を高める」と回答した企業(15.5%)が「正社員の比 重を高める」と回答した企業(4.9%)を大きく上回っている。

2)派遣労働者の雇用と有料職業紹介の利用について

1派遣労働者の雇用について

  • 対象業務の拡大などの規制緩和が進む「派遣労働者」の雇用を行う理由としては、「専門的業務 に対応するため(25.8%)」、「臨時・季節的業務に対応するため(24.9%)」、「人 件費節約のため(24.6%)」が多い。
  • 派遣労働者の業務として最も多いものは、「事務用機器操作(27.6%)」であるが、逆に「 デモンストレーション」や「広告デザイン」、「書籍等制作編集」等といった業務に対するもの は挙げられなかった。
  • 派遣労働者を雇用する場合の問題点は「特になし」とする企業が最も多かった(54.1%)。 問題ありとする企業の中では、「人件費の上昇」を指摘するものが一番多くなっており (21.0%)、派遣労働者の利用の広がりがら需給関係の逼迫も伺える。

2有料職業紹介の利用について

  • 本年4月より対象業務が原則自由化され、ホワイトカラーの取り扱いも可能になった有料職業紹 介については、「普及すれば利用したい」と回答した企業が最も多い(42.7%)が、「信用 できる機関が行うならば利用したい」と回答した企業も多く(27.5%)、「積極的に利用し たい」と回答した企業(7.2%)もあわせると、これまで技術・専門職など限定的であった有 料職業紹介の利用に対して前向きの姿勢を取っている企業は全体の7割以上を占めている。
  • 有料職業紹介を利用する場合の職種については、「専門的・技術的職業」と回答した企業が最も 多く(60.9%)、中途採用で即戦力や技術者を雇用したいという企業のニーズが伺われる。


2003.4.1更新
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