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平成30年12月21日


平成31年度政府予算案・平成30年度第2次補正予算案に関するコメント
大阪商工会議所 会頭 尾崎 裕


平成31年度政府予算案においては、前回の消費増税後の消費落ち込みの経験を踏まえ、需要の平準化対策を盛り込んだことは理解できる。他方、中小企業にとっては、軽減税率対応のみならず、キャッシュレス決済への対応などが求められており、多大な事務負担が想定される。来年10月の消費税率引き上げまでにすべての中小企業が準備できるよう、政府においては万全を期してもらいたい。
消費増税にあたっては、需要の平準化に力点が置かれるあまり、社会保障制度の安定という当初の目的を見失うことの無いよう、経済成長と財政健全化の両立を図ってもらいたい。
   
中小企業が課題としている人手不足や、個人事業者も含めた事業承継に対する支援策の強化をはじめ、設備投資、IT利活用、販路開拓など生産性向上策やIoT、AIなど先端技術の開発支援など、補正予算を中心に中小企業の挑戦を後押しする施策の拡充が図られたことを高く評価する。実施にあたっては、中小企業の事務負担に配慮した、活用しやすい制度にしていただきたい。
   
また、訪日外国人の玄関口である関西国際空港の防災力強化策が盛り込まれたことは重要だ。自然災害に対しても機能を維持できる安心感のある空港となることを期待している。さらに、北陸新幹線の金沢―敦賀間の工事において、建設事業費の増額が図られたことを歓迎する。政府には、一日も早い大阪までの全線開業に向け、取り組みを加速してもらいたい。
   
新規国債発行額の減額や社会保障費の増加幅の抑制など、財政健全化に一定の配慮が見られるものの、わが国財政の硬直化が進んでいる。このままでは成長戦略分野への思い切った投資が先細りになるのではないかと危惧している。政府には2025年度プライマリーバランスの黒字化達成に向けて、財政健全化への具体的な道筋を示してもらいたい。
以上

2018.12.21更新
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