大阪商工会議所 HOME

平成29年12月8日


「新しい経済政策パッケージ」の閣議決定に関するコメント
大阪商工会議所 会頭 尾崎 裕


「生産性革命」施策では、「ものづくり・商業・サービス補助金」、「ITツール導入支援」など、課題に直面する中小・小規模企業等を中心とした予算の拡充や事業承継税制の抜本的な拡充、人材投資に対する法人税の負担軽減などの方向性が示されたことを歓迎する。また、規制を一時的に緩和・停止することで、次世代技術の社会実証・実装を促進させる日本版「レギュラトリー・サンドボックス」制度の早期創設を表明したことを評価する。
   
「生産性革命」施策の裏付けとなる予算編成や税制改正において、重点的な予算配分や税制支援策を講じるなど、予算、税制、規制改革一体となって、企業の生産性向上を後押ししてもらいたい。
   
一方、「人づくり革命」施策は、高齢世代に偏った社会保障制度を見直し、限られた資源を現役・子育て世代へ再配分するものであり、その趣旨は理解するものの、わが国の財政状況が厳しさを増す中、一律に無償化する必要があるのか、疑問な点もある。政府には、その範囲を限定するなど、適切な施策を考えてほしい。
   
同時に、待機児童対策として事業主拠出金の増額方針が明記されたが、事業主拠出金の使い道など運用規律が明確でなく、政府の方針次第で企業の負担に歯止めが利かなくなるのではないか。過去の雇用保険の例もあり、大変気掛かりだ。
   
また、2020年度(平成32年度)のプライマリーバランス黒字化目標が後ずれすることとなったことは残念だ。歳出の太宗を占める社会保障制度の改革は不可避であり、徹底した給付の重点化、効率化を図るとともに、現実的な想定の下、早急に財政再建への道筋を明らかにし、実行に移すべきだ。
   
以上

2017.12.8更新
Copyright(C) 1996-2017 大阪商工会議所
大阪商工会議所のトップページへ