年頭所感(2017年)

 
平成29年1月1日


  謹んで新年のお祝いを申しあげます。

  昨年は、英国ではEUからの離脱が選択され、米国では次期大統領にトランプ氏が選出されるなど、世界が新しい秩序を模索し始めた一年でした。日本経済も緩やかな回復が続くなか、人工知能(AI)、ⅠoT、ロボティクスなど第4次産業革命分野の技術を応用する試みが進み、新たな成長の芽が出始めた年でもありました。

  大阪・関西でも、リニア中央新幹線の大阪延伸時期の前倒しや、北陸新幹線のルート決定など、地域発展の基盤となるインフラ整備に向けて前進しました。

  今年は、日本経済が力強い経済成長に向けて歩み始める、そのための新たなスタートの年にしたいと思います。

  このほど、大阪商工会議所では、2017年度から3年間の活動指針として「たんと繁盛 大阪アクション ~最前線×最先端で、日本とアジアを牽引~」を発表しました。ここでは、現行の「千客万来都市OSAKAプラン」の後継として、大阪・関西を元気にするために「3つの戦略フィールド・8つの戦略プロジェクト」と「5つの基盤強化」からなる総計60の事業を掲げています。今後、これら一つひとつに精力的に取り組み、中堅・中小企業の成長分野への参入支援に全力を挙げてまいります。

  この「たんと繁盛」には、大阪・関西が国内外の様々な人や企業、投資を惹きつけ、新たな産業・技術・ビジネスを生み出して、大阪・関西が「たんと」繁盛するのはもちろん、それらを日本全体、さらには世界に広げていく、そのような思いを込めています。
「たんと繁盛 大阪アクション」で大阪・関西がめざすのは、日本全体の成長を牽引する国内最有力の「極」となり、“Look Asia”――アジアと直接太くつながり、アジアとともに成長していくという都市像です。アジアの活力を取り込んで、ヒト・モノ・資本・情報の多様な集積を有する拠点都市の成長モデルを探っていきたいと考えます。

  特にアジアとの関係においては、「日本に行くなら大阪へ」と、様々な人や企業が事業のアイデアを持ち寄り、大阪を舞台にイノベーションを起こし、新しいビジネスや産業を次々と生み出していく。新たに生み出された事業や企業、高度化した技術や人材は、そのまま大阪に根を下ろして育っていくものもあれば、広く国内外に羽ばたいていくものもある。そしてまた、新たなビジネスチャンスを求めて人や企業がやって来る――そうした好循環が絶えず起こっているような「イノベーション・ハブ」をめざしてまいります。

  そのため、ライフサイエンスやスポーツ産業、IoTやAIなど、成長が見込まれる先端分野の創出・深耕から、中堅・中小企業の工場横請けネットワークの構築、商店街の振興といった地道な事業・商売のサポートまで、広範な取り組みに力を入れてまいります。

  地域経済の成長力強化は一朝一夕に実現するものではなく、腰を据えて、企業に向き合い、寄り添って進めなければなりません。地域の成長への道筋を描き、自ら実践・支援する商工会議所が果たすべき役割は、今後とも益々大きくなるものと考えます。

  もちろん、こうした取り組みを実効あるものにするためには、広範な連携が不可欠となります。大阪府・大阪市はもとより、京都や神戸をはじめ関西の自治体、経済団体、大学との連携、さらには北陸、山陰などを含めた広域連携も更に強化し、日本とアジアの成長を牽引する大阪・関西を創っていきたいと思います。

  大阪商工会議所は、これからも、大阪・関西をビジネスで元気にするため、「たんと」アクションしてまいります。 皆様方には、今年も一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申しあげます。

 以 上  

2017.1.1更新
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