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年頭所感(2016年)

 
平成28年1月1日


  謹んで新年のお祝いを申しあげます。

  昨年、我が国経済は全体として緩やかな回復基調にありましたが、業種や規模によって違いが見られました。円安効果による輸出企業の収益の向上やインバウンド消費の拡大が景気に好影響をもたらした一方で、原材料や人件費などのコストアップ、人手不足の深刻さなどが業績改善の足かせとなった中小企業も数多くありました。

  今年は、日本経済が足踏み状態から脱し、再び力強い経済成長路線を歩み始める年にしたいものです。安倍首相が打ち出された「アベノミクス新3本の矢」を実現するためには、企業が積極的に成長分野や新規事業に挑戦できるビジネス環境を早期に整備し、国内外からの投資を呼び込む更に強力な政策が必要となります。

  関西には、新しく民間企業が運営主体となる関西国際空港や最先端の大学・研究所の集積など、“千客万来”の人や企業の往来、交流に貢献できる様々な強みやポテンシャルがあります。こうした価値を改めて認識し、さらに磨きをかけて、内外に積極的に発信していかなければなりません。

  例えば、オンリーワンの技術を有する中堅・中小企業や世界レベルの学術・研究機関の集積、国内外の観光客を惹きつける街の魅力、食や芸術・芸能の厚みのある伝統文化、さらには、アジアとの歴史的・経済的な交流など、知識や知恵、文化や暮らしの豊かさを育む大阪・関西の肥沃な土壌は、グローバルな成長・発展に向けて、まだまだ活かすことができると考えます。

  特に、大阪には、他国の人や異なる文化、価値観を受け入れることに、極めて寛容な風土、気質があります。言い換えれば、国際交流の素地となる“おもてなし”と“多様性”に富んだ土地柄であり、こうした他の都市にはない強みを活かさない手はありません。

  こうした特徴を最大限に活用して、大阪が、グローバルな都市間競争を勝ち抜いていく、あるいは、アジアの中での地位を飛躍的に向上させることが望まれます。そのために目指すべき都市の将来像はといえば、人や企業にとって、「チャンスと好奇心に溢れ、アジアを中心に世界と繋がる都市」というものになります。

  人や企業を惹きつけて呼び込む力、その成長とチャレンジを後押しして世界へと送り出す力、この両方の力を備えた創造力豊かな都市を目指して、グローバルな交流を促すための様々な仕掛けづくりに取り組みたいと思います。

  大阪は、東京の真似をしたり、後追いをしたりする必要はありません。東京が周辺都市の力を一方的に吸い上げて巨大化するのであるならば、大阪は呼び込んだ力を倍にして周辺都市に還元しながら、ともに成長する道を進めばよいと考えます。自信と誇りとビジョンを持って、「大阪発」「大阪独自」のビジネスや文化を発信してまいりましょう。

  そのためには、大阪府・大阪市はもとより、国や地域の自治体・行政機関、関西の他の経済団体とも緊密な対話を心掛け、徹底した連携・協調によって、活動を実効あるものにしたいと考えています。

  皆様方には、今年も一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申しあげます。
 以 上  

2016.1.1更新
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