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年頭所感(2015年)

〜成果実感できる「経済の好循環」を〜
平成27年1月1日


  謹んで新年のお祝いを申しあげます。

  昨年は、円安のメリットとデメリットの二極分化が進んだ1年となりました。輸出採算の改善や訪日外国人客の消費拡大、株価上昇などが景気回復の起爆剤となる一方、輸入原材料価格の高騰を十分売値に転嫁できない中小企業や、海外からの逆輸入が多い業界などには大きなダメージとなりました。

  今年は、改めて国民の負託を得た安倍政権の経済政策が広く波及し、国民がその成果を実感できる年になってほしいものです。そのためには、金融緩和依存から脱し、成長戦略と財政再建に本腰を入れることで、「経済の好循環」を実現させていくことが必要です。

  こうした観点から、大阪商工会議所では、第3次安倍内閣に対し、さっそく要望書を建議いたしました。まずは、これ以上の円安抑止と相場安定に万全を期すとともに、円安のデメリットを受ける中小企業への支援拡充が急務であります。また、成長戦略においては、大胆な規制緩和を目指す国家戦略特区の活用促進、外貨獲得の担い手として期待される「観光・インバウンド」「ライフサイエンス産業」の振興、東京一極集中を是正する地方創生の推進が不可欠と考えます。一方、財政再建については、消費税再引き上げの延期を踏まえ、財政健全化目標の達成に向けた道筋の再構築が求められます。
  第3次安倍内閣には、2017年4月の消費税再引き上げまでの2年余を「拡大成長集中期間」と位置づけ、景気拡大の実現と潜在成長力の向上に専念されるよう、引き続き訴え、またフォローアップしてまいります。

  政府頼みではなく、我々企業、経済団体はもちろん、行政、市民などの全員参加で、景気拡大と成長力向上に取り組んでいくことが重要であります。大阪商工会議所では、地域の成長戦略「千客万来都市OSAKAプラン」に基づき、全員参加で様々な事業を推進しているところです。
  幸い昨年は、あべのハルカスやユニバーサル・スタジオ・ジャパンのハリーポッター・エリアの開業など、大型投資が相次ぐなか、観光・インバウンドが急拡大してまいりました。また、国家戦略特区においても、関西圏が「健康・医療分野における国際的イノベーション拠点」に指定され、規制緩和の進展に伴う新たな企業集積、産業振興が期待されます。大阪商工会議所は、こうした好機をさらなる発展につなげるための取り組みを一層強力に推進してまいります。
  一方、東京−名古屋間で先行着工したリニア中央新幹線、開催まで5年に迫ったオリンピック・パラリンピック東京大会への対応も急がねばなりません。こうした東京一極集中の是正を目指す地方創生においては、意欲ある中小企業の集積が厚く、有望産業のポテンシャルが高い大阪・関西がその先導役を担えるよう、模範例を示したいものです。

  大阪商工会議所が目指す「千客万来都市」は、江戸時代に天下の台所として栄えた大阪のDNAに根差すものです。大阪のまちは、明治維新で一時期衰退したものの、1925年には日本最大、世界第6位の都市「大大阪」となりました。
  「千客万来都市」としてのDNAを再認識しつつ、「大大阪」から100年となる2025年、さらには大阪商工会議所が創立150年を迎える2028年を見据えて、全員参加で「千客万来都市」の実現に邁進してまいりたいと考えます。

  皆様方には、今年も一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申しあげます。


2015.1.1更新
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