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年頭所感(2012年)

〜開拓魂で新たなチャレンジを〜
平成25年1月1日


  謹んで新年のお祝いを申し上げます。
  昨年は、時代の潮目を感じる年となりました。米国、中国、ロシアなどで新指導体制が選出され、新たな国際協調の関係構築への期待が高まる中、わが国においても政権交代により安倍内閣が誕生いたしました。

  大阪商工会議所では、安倍内閣に対し、富を生む源である企業、とりわけ中小企業の活力増進を第一義に、政策全体を抜本的に見直していただけるよう、さっそく要望書を建議したところであります。
  まずは、超円高、電力不足、高い法人実効税率、通商交渉の遅れ、労働・環境規制の強化など、国内における事業活動のハンデを一つずつ取り除くことが不可欠です。加えて、積年の課題であるデフレ脱却に向けては、日銀による一層の金融緩和と同時に、政府自らが実需を創出していくことが肝要であります。ライフサイエンス、環境・新エネルギー、観光など成長分野に民間投資を誘導するとともに、老朽化インフラの維持・管理、空港整備など真に必要なインフラ投資にも積極的に取り組んでいただく必要があります。
  一方、年明け早々から景気が正念場を迎える中、中小企業の資金繰り支援策の強化も重要となります。借り手企業が苦境に陥ることのないよう、政策金融機関による融資や信用保証制度の拡充などセーフティネットの強化を求めてまいります。

  幸い、大阪・関西においては、関西空港を拠点にした本格的な格安航空会社(LCC)の就航、新関西国際空港会社による関西空港・伊丹空港の一体運営、梅田や中之島における集客施設の整備など、ハード・ソフトの両面におけるインフラ整備が進みつつあります。こうした明るい材料を生かし、いかに厳しい経済環境を打開して、次なる成長につなげていくのか、まさに我々の知恵が鍵となります。今こそ、持ち前の企業家精神を発揮し、開拓魂で新たなチャレンジを重ねていかなければなりません。
  大阪商工会議所では、成長分野への中小企業の参入支援に力点を置いた地域の成長戦略「千客万来都市OSAKAプラン」を3カ年計画で推進しているところです。今年は、その実行最終年度を迎えることから、具体的なゴールを見据えつつ、事業の総仕上げに邁進してまいりたいと存じます。
  具体的には、再開発が進む梅田や天王寺・あべのなどに加え、大阪城や大阪市中央卸売市場界隈でも新たな観光拠点の創出を目指すほか、外国人の買い物環境を整備するなど、観光振興を通じた地域経済の活性化を図ります。また、関西イノベーション国際戦略総合特区を活用し、医療機器や環境・新エネルギー分野の産学・産産連携を促進するほか、海外での事業展開にチャレンジする中小企業へのサポートにも取り組みます。

  「千客万来都市OSAKAプラン」は、大正後期から昭和初期、大阪が近代都市として急成長し、「大大阪」と呼ばれていた当時の企業家や市民の気概を念頭に置きつつ、企業、行政、経済団体、市民などの全員参加で、大阪の経済発展を成し遂げようというものです。私は会頭就任以来、137カ所の企業や商店街を訪問しましたが、行く先々で「大大阪」時代の気概が脈々と受け継がれていることを強く実感しております。
  大阪の経済発展に向け、何よりも重要なのは、こうした気概あふれる皆様が存分に力を発揮できる環境を整備することです。そのためには、目指すべき都市像を官民が共有し、ベクトルを合わせてその実現に取り組んでいくことが重要です。大阪府・大阪市との連携を強化することはもちろん、地域の企業、他の経済団体、市民などの全員参加を得て、「千客万来都市」の実現を目指してまいりたいと存じます。
皆様方には、今年も一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

                                                        以 上

2013.1.1更新
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