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年頭所感

〜「新たな国、地域のかたち」創りに向けて
平成22年1月1日


  謹んで新年のお祝いを申し上げます。
  昨年はまさに変化の1年でした。政権交代により誕生した鳩山内閣は、「政治主導」や「国民生活重視」などのスローガンを掲げて精力的に政策課題に取り組まれ、徐々に新たな国のかたちや仕組みの方向性が明らかになりつつあります。一方、景気は、世界的な金融危機という最悪期を脱したものの、回復の足取りは依然として重く、大阪・関西においても、特に、中堅・中小企業の業況は予断を許さない状況が続いています。

  今年、最優先すべきは当面の危機脱出であります。まずは、膨大な雇用を担う中堅・中小企業の資金調達や雇用のセーフティネット支援に万全を期す必要があります。その上で、デフレ経済を克服し、本格的な成長軌道に回帰するためには、経済のパイを拡大して分配原資を増やす、中長期的な経済成長戦略の推進が不可欠となります。革新的な技術開発や新しい経営手法に取り組む企業を後押しすることで、雇用を創出し、家計を潤し、有効需要を喚起する――こうした好循環を生み出していくことが求められます。一方、社会保障制度の抜本的な見直しや地方分権の推進など、国の根幹を支える制度を持続可能なものに改めることで、国民の将来不安を払拭することも重要です。鳩山内閣には、こうした政策を通じて、将来の持続的な成長の礎を築いていただきたいと思います。
  一方、大阪・関西においては、大阪湾ベイエリアの最先端のモノづくり企業群による生産活動が本格稼動し、WTC周辺を中心とした夢洲・咲洲のまちづくり構想や、主要ターミナルの再開発などが具体化してきます。「最先端モノづくり産業の牽引力」と、地元自治体や経済界を中心とした「官民の連携力」により、地域経済の活性化を図り、日本をリードする地域として成長していくことが期待されます。
このように、今年はわが国、そして大阪・関西において、「新しい国、地域のかたち創り」が本格化する年になるものと見ています。

  大阪商工会議所としましても、「大阪賑わい創出プラン」の推進を通じて、地域経済を担う中堅・中小企業の下支えや、将来の成長を支える産業振興などに、会員力を結集して注力してまいります。
  まずは、当面の危機克服に向けた支援の強化が最優先であり、資金繰りや雇用確保などの喫緊の経営課題について、「会員本位」「現場第一主義」の視点で、小規模・中小企業向けの経営支援活動を精力的に展開してまいります。他方、前向きな企業努力の後押しを求める声も益々高まっており、環境貢献型モノづくりや医療機器など、成長余地の大きい最先端産業への参入を支援するマッチング事業を強化し、海外への進出支援とあわせて、関西の将来の成長を支える産業の育成に取り組みます。
  また、地域活性化への取り組みにおいては、「大阪を愛する心」を醸成するための「大阪検定」やまち歩き、大阪の「食」の魅力向上への取り組みなどを通じて、ツーリズム産業の振興を図ります。さらに、WTC周辺を中心とした夢洲・咲洲地区のまちづくりや水都大阪の活性化、関西国際空港の利用促進など、オール大阪・関西での取り組みにも積極的に参画します。

  景気や政治の先行きは不透明ですが、地域の声を新しい国のかたち創りに反映させるよう、環境変化をいち早く察知した政策提言、要望活動を精力的に実施してまいります。また、地元自治体等とも連携しながら、地域経済の活性化や都市の魅力向上をはじめ、ビジネス支援や人材育成、IT化の推進など、幅広く会員の皆様のお役に立つ具体的な事業を積み重ね、大阪・関西における新しい地域のかたち創り、持続的成長の実現に貢献してまいりたいと考えています。
  皆様方には、今年も一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

                                                         以 上


2010.1.1更新
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