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令和元年6月21日


未来投資戦略、骨太の方針の閣議決定に関するコメント
大阪商工会議所 会頭 尾崎 裕


海外発の下方リスクが顕在化する場合には、機動的なマクロ経済政策を躊躇なく実行する方針が示されたことは心強い。中国経済はじめ世界の経済成長の鈍化が鮮明になる中、わが国においては10月の消費税率引き上げも控えており、経済が腰折れしないよう万全を期してほしい。
   
次世代技術の社会実装に向けた施策として、「スーパーシティ構想」の実現推進をはじめ、MaaSへの取り組み支援、デジタル市場のルール整備、5G整備計画の加速、AI人材の育成に向けたSTEAM教育の充実などが盛り込まれたことを評価する。この上は、スピード感を持って実行に移してほしい。
   
中小企業関連では、人手不足への対応強化はもとより、デジタル化支援、第二創業・ベンチャー型事業承継支援など、中小企業の「変革」を後押しする施策が打ち出されたことは喜ばしい。一方で、最低賃金の大幅引き上げは、経営基盤が脆弱な中小企業への影響が大きく、生産性向上や取引適正化への支援など、中小企業が自発的に賃上げできる環境整備に全力で取り組むべきである。
   
なお、社会保障の給付と負担の抜本的見直しを来年度の骨太方針に先送りしたことは残念だ。国民、企業の将来不安を払拭するためにも、痛みを伴う改革に目をそむけず、財政健全化目標(2025年度プライマリーバランス黒字化)達成に向けて、年金、医療などの給付の重点化・効率化と応能負担の徹底を図ってほしい。
   
以上

2019.6.21更新
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