○ |
今回の成長戦略は、推進後の具体的な将来像が見えにくく、企業の思い切った投資や企業家精神の発揮を促すには、インパクトが弱いのではないか。これまで掲げてきた目標の実現状況を踏まえた上で、掛け声倒れに終わらぬよう、目標達成に向けた具体的な道筋をしっかり示してほしい。 |
|
|
○ |
個別には、旗艦プロジェクトに、中小企業等でのITやロボットの導入促進が掲げられたことを評価する。この上は、その裏付けとなる来年度予算に本格的に反映してほしい。また、人手不足が顕著な分野での新たな外国人材受け入れを打ち出したことを歓迎する。低迷するわが国の潜在成長率の底上げのため、中小企業等の生産性向上や多様な人材の労働参加の促進など、供給制約の解消に施策を集中投入してもらいたい。 |
|
|
○ |
さらに、北陸新幹線、中央リニア新幹線など高速幹線が乗り入れる「新大阪駅」の結節機能強化のため、民間プロジェクト組成の検討が明記されたことは重要である。プロジェクト組成にあたっては、政府自らがリーダーシップを発揮するとともに、「新大阪駅」の先行整備に向けて支援策を講じてほしい。 |
|
|
○ |
なお、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化達成時期が2025年度に先送りされるなど、財政健全化目標の後ずれに歯止めがかかっていないのは残念だ。社会保障費抑制のための数値目標の設定も見送られており、財政再建に向けた政府の姿勢に疑問符を付けざるを得ない。消費増税の実施を控える中、国民、企業の将来不安を払拭するためにも、痛みを伴う改革に目をそむけず、今度こそ、財政健全化目標を達成してもらいたい。 |
|
|