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年頭所感

〜新たな成長を先導する大阪経済の構築を〜        平成18年1月1日


 謹んで新年のお祝いを申し上げます。新しい年を迎えるにあたり、皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたします。

 昨年のわが国経済は、好調な輸出に加え、ようやく個人消費や設備投資など内需が底堅い動きとなるなど、踊り場を脱して回復に向かう年となりました。大阪経済も同様に、企業の景況感の回復や住宅投資の高まりなど、力強さが戻りつつあります。
 平成18年は、日本経済にとりまして、デフレを乗り越えて民主導の自立成長に向かう大事な年になると考えます。同時に企業にとりましても、これまでの事業の“立て直し”から、いかに“新しい価値を創造する”かが問われる年になると存じます。そのためにも、政府は民間の需要創出を後押しする施策、政府部門の効率化や公共サービスの民間開放、地方が主役となる三位一体改革の断行、さらには国民の将来不安を払拭する社会保障制度改革など、構造改革を積極的に推し進め、国の新たな発展への礎を確かなものとしていかなければなりません。
 特に大阪では、バブル崩壊後、長年にわたり、主にリストラなど企業の効率化に努めてまいりましたが、基礎体力の高まりを受け、今後は拡大均衡へと軸足を移していくことが肝要であります。このため、自治体にも、地域のポテンシャルを生かした産業政策の推進、公共サービスの民間開放とりわけ市場化テストの導入など、民間の活力を生かした大阪経済活性化に寄与する施策の充実を働きかけてまいりたいと考えております。

 大阪商工会議所は、地域総合経済団体として、こういった提言・要望をはじめ、様々な事業活動を通じて、大阪経済の活性化を実現してまいる所存でございます。その柱となりますのが、現在私どもが、2010年に向けた新たな成長戦略として推進しております「大阪賑わい創出プラン」であります。ここでは、今後の大阪経済を大きく成長させるためには、競争優位性があり、地域経済を力強く牽引する産業の育成が不可欠との観点から、新しいモノづくり産業、ツーリズム産業、ライフサイエンス産業を、「エンジン産業」と位置づけ、その振興をはじめとする大阪経済の活性化に向け、51のアクションプランを設定し、組織をあげて取り組んでおります。
 すでにいくつかのテーマでは、具体的な成果が見えてきたものがあります。例えば、創業初期の起業家の資金調達などをサポートする「桟(かけはし)ネット」や、有望ベンチャー企業を支援する「大商EVEシステム」事業がスタートしており、大阪の夜に賑わいを生み出す「大阪ナイトカルチャー」事業も多方面からのご協力を得て、広がりを見せつつあります。また、創薬・機能性食品・次世代型健康サービスなどライフサイエンス分野でも幅広い振興策を展開しているほか、将来を担う小中高生に職業観を身につけてもらうため、官民の関係機関により「大阪キャリア教育支援ステーション」を設立し、諸事業を実施中であります。さらに、安全・快適なまちづくりの推進など、幅広い分野で具体化に向けた取り組みを精力的に進めております。平成18年は「実を上げる」年として、自治体や他の経済団体などと連携・協働しつつ、大阪経済の活性化につながる一つひとつのアクションプランを着実に実行してまいりたいと存じます。
 一方、大阪の経済が活性化するかどうかは、個々の企業が経営を革新し、またビジネスを拡大していくことができるか、にかかっています。こういった皆様の課題の解決を支援することも、商工会議所の重要な役割であります。企業が日々、お客様、株主、あるいは取引先などにとっての価値を高めていく努力をするように、商工会議所も経済団体としての価値を高め、会議所にとってお客様である会員の皆様が受ける価値、すなわち会員の皆様の満足度を高めていかなければなりません。そのために、まず日頃より、多くの会員の皆様と接し、課題やニーズをお聞きし、それらにきめ細かくお応えしていくといった会員から “顔の見える”商工会議所の運営を心がけてまいります。
 現在、大阪商工会議所では、大阪市内10カ所の支部が、言わばビジネス・ホームドクターとして経営相談にあずかるとともに、新規取引先の開拓、ビジネスに役立つ情報の提供、人材の確保・育成、福利厚生の整備など、会員の皆様にご利用いただける様々な支援メニューを推進しております。今年も、皆様のお役に立つ事業・サービスの一層の充実に取り組んでまいりますので、会員の皆様にも、是非、商工会議所の多彩な支援メニューをご活用いただきますようお願いいたします。
 大阪商工会議所は、こうした取り組みを通じて、“わが国の新たな成長を先導する大阪経済の構築”を図ってまいりたいと存じますので、本年も大阪商工会議所の事業に、より一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2006.1.4更新
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